POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 かずまるの音楽日記

鴨川出身の作編曲家が、作編曲家、演奏家、音楽愛好家さんへの便利情報を提供します。時々鴨川ネタもご紹介当。サイトでは一部記事でアフィリエイトプログラム、およびAmazonアソシエイトを利用して商品を紹介しています。また、Google Adsenseを用いた広告収入を得ています。

【スポンサーリンク】

吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み編2

1月に「序」を書き。www.petit-orchestra.jp

7月に「楽曲の仕組み編1」を書いた交響的小品について。

www.petit-orchestra.jp

 

今回は、楽曲の仕組み編1の続きで、主題操作の様子、展開部を書いてみようと思います。

 

吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み

動画

仕組みをお話しする前に全曲の様子をお聴きいただけたら幸いです。

www.youtube.com

この記事の各部にもピンポイントで聴けるものを配置してますので、ご興味ある方はご覧ください。

曲中で使っている代表的な主題

曲中で使っている主要なテーマを再掲します。「楽曲の仕組み編1」も併せてご覧ください。

A. 第一主題のテーマ

第一主題のテーマ

第一主題のテーマ

B. 序奏の動機(第二主題のテーマ)

序奏の主要動機

序奏の主要動機

第二主題

第二主題

C. 第一主題中のブリッジの動機

第一主題中のブリッジの動機

第一主題中のブリッジの動機

D. 序奏の動機

序奏の動機

序奏の動機

主題操作とは?

についても「楽曲の仕組み編1」をご覧ください。簡単に言うと、主題をちぎったり、つなげたり、ひっくり返したり、逆から読んだりというような使い方をします。

 

本曲における主題操作 その2 展開部

展開部においては、A.B.C.D. の各部分が相互に複雑に絡み合うため、分けて説明…ではなく、その部分に表れるすべての要素を同時に説明してみようと思います。

 

まずは、導入。序奏そのままの形です。これにより展開部への扉が開かれます。

 

展開部のきっかけの序奏の動機

展開部のきっかけの序奏の動機

 

この譜面は2回目のホルンの物ですが、最初はファゴット(この音源では、2ndファゴットがいないため、ossiaのトロンボーンが聴こえますが)に表れます。

展開部最初の第一主題のテーマ

展開部最初の第一主題のテーマ

図に書いてある通り、付点四分音符のある小節の音をすべて16分音符に置き換えると、第一主題のテーマと近い形になるのがおわかりでしょうか?

 

これも、楽譜の都合で、1回目の1st Hornではなく、2回目のOboeの譜面をば。

 

展開部に表れる第一主題のテーマ2

展開部に表れる第一主題のテーマ2

コメントの通り、青〇で囲ったところのみ、ちょっと間隔があいてしまうのですが、音程の関係だけ見ると第一主題のテーマになっているのがお分かりでしょうか?

タイのB音を付点八分、B♯を16分音符、次のB音とC♯を八分音符、D♯、C♯、D♯、F♯を16分音符に置き換えてみてください。

 

次の例も第一主題の変形です。

第一主題の変形3

第一主題の変形3

三連符の音形が16分音符4つの音形の変化したものです。

この音形はこの展開部において、この後でたくさんでてくる主要な構成要素になります。 

 

続いては平行して、多数の要素が出てくる場面です。

多数の要素が出てくる場面

多数の要素が出てくる場面

赤字が、第一主題に由来するものです。ティンパニの赤枠は逆行形、ホルンは最初の2音のリズムを入れ替えた(16分音符でなく、装飾音符ではありますが)ものとなっております。

他の要素も行ってしまいますと、青字は、B.の動機です。ティンパニはお分かりかと思いますが、トロンボーンに出てきているものは、この後の小節にもベルトーン状に続きが出てきます。そこまで聞けば全貌がわかるはず。

 

黄枠はC.序奏の動機です。最初の2音のみを取り出したもので、この譜面には見えませんが、トランペットの後に、フルート2ndにも同様の形が表れます。

 

続きの部分です。

トランペット3番と2番の赤枠が第一主題の変形です。

 

青枠はB.、黄枠はD.です。

 

トランペット2番が出てくる部分までの形は低音が変わることを除き2回繰り返されます。(ここの黄色枠の当たりはすでに2回目の部分が写っています)

 

この次の部分は展開部前半のハイライトとなる部分で、A.B.C.D.すべての要素が出てきます。

 

 

同じ部分の木管を見てみましょう。

D.の要素が、短縮されて出てきます。

 

この部分に似た部分は展開部の結尾部分においても、appassionateを伴って、再度表れます。

 

トランペットによって、第一主題が高らかに鳴らされると、展開部も後半へ移ります。

この部分も非常に多くの要素が表れます。

紫でくくったSaxはA.B.C.D.では取り上げておりませんが、序奏の要素を奏でます。
 

同じ部分の木管も表示してみます。

こちらは上の図(金管)ではあまり見られなかった、B.の要素を奏でています。

 

展開部後半です。

 


「第一主題の変形3」で触れた旋律が全貌を表します。より第一主題の全貌に近い形となっていますが、元気な第一主題と性格を異にする哀愁漂うものとなっております。

 

この主題を受ける部分です。

主となる第一主題に起因する部分は、この前の旋律を引き継ぐようなものです。

間に隠れて、B.の動機がトロンボーンで演奏されます。

 

さらに続きです。

ここでは、C.の要素が姿を現します。

ここまでで、一段落。

 

この図の5小節目から展開部後半部分の最初の旋律がもう一度演奏されます。フルートとオーボエを見ていただけるとお分かりかと思いますが、この旋律の動機を切り取ったものが演奏されています。

 

さて、この続きはいよいよ展開部の大詰めが近づいてきます。

 

この図の4小節目から、展開部前半のトリの部分と同じような形がさらに展開されて表れます。今度は全トランペットが加わる力強いものとなっております。

トランペットの形が、4小節目と5小節目で、リズム的に(ほぼ)シンメトリーになっていたりもします。

 

4番(!?)トランペットが最高音域を連発する部分です、展開部のクライマックスとも呼べる場所です。

 

展開部の本当にラストです。

 

はい、ここまで見ていただいて、もうお分かりかと思いますが、これでもかとひたすら、A.B.C.D.のみを使っています。

ソナタの展開部はこういうものなのかな?なんて思っております。半分自己満足... 

 

でも、自己満足でも主題操作とは「なんぞや?」から「こんなもんか!」に変わってきていませんか?

ソナタ形式の楽曲はからくりを知る楽しみもあります。

 

この曲は、まぁ、おいておいて、過去の名曲を是非スコアと照らし合わせて読んで、聴いてみてくださいね。

 

関連記事

スコアリーディングや、自作のご紹介。

くるみ割り人形のスコアを読んでみた記事。

スコアを読むの楽しいですよ!というお話。

演奏のキーポイントとなる倚音に注目。

www.petit-orchestra.jp

 

楽器(バスクラリネット)に注目。

www.petit-orchestra.jp

 

自作一覧

吹奏楽曲や室内楽曲のご紹介をしています。

www.petit-orchestra.jp

 

 

吹奏楽、アンサンブルのクリスマス曲たち

クリスマスキャロルってたくさんあっていいなぁ。日本のイベントにも何かこういう歌がたくさんあるものないでしょうか…

 

f:id:ilyich888:20190709200735j:plain

のこさんによるイラストACからのイラスト

 

 

吹奏楽、アンサンブル、弦楽、ピアノ etc...のクリスマス曲たち

拙編で一番人気があるのクリスマス曲たち

若干、下衆な話なのですが、私がアレンジした曲たちの中で、いや、作曲したものをも含め、一番世に出回っているのはこのジャンルの曲でしょう。(単独でいうと、「幸せなら手を叩こう」とか「ハッピーバースデートゥユー」かも…)

というか、クリスマス需要すげーおそろしい…すべての季節にクリスマスがあればいいと思うの。

または、クリスマス的(曲盛りだくさん)イベント。

 

さて、くだらない話はここまでにして、本日はクリスマスアレンジ(2019/7/9まで)を一挙大公開いたします。

メドレー

クリスマス曲のメドレーが3パターンありまして、それをご紹介しようかと思います。

その1 編成バリエーション多数あるもの

以下、5曲からなるアレンジです。

  • もろびとこぞりて
  • 慈しみ深き友なるイエスは
  • 藁の中の七面鳥
  • きよしこの夜
  • ジングルベル

 4分程度と短いので、気安く使えるのではないか?というのが持論です。

人が不足しがちなバンドさんには、最低4人から演奏できますという、バリアブル吹奏楽がお勧めです。そんなん、言うたら弦楽四重奏も4人ですけれども…

オーケストラ

2019/7/9現在で、私のオーケストラ作品で唯一世に出ている楽譜であったりします。

クリスマスソングメドレー(オーケストラ) 楽譜ページ

吹奏楽

クリスマスソングメドレー(吹奏楽 小編成対応) 楽譜 - HID Online Store

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

クリスマスソングメドレー -弦楽オーケストラ or 弦楽四(五)重奏 (2Vn, 1Va, 1Vc, (1DB)) - HID Online Store

他のアレンジは全て変ホ長調(♭3つ)開始かつ変ホ長調終わりですが、このアレンジのみは弦楽の特性に合わせ、二長調(♯2つ)開始かつニ長調終わりになっています。

バリアブル吹奏楽(フレキシブル) 

クリスマスソングメドレー(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

木管五重奏

唯一生演奏があるので、ちょっと重点的にご紹介します。

hid.shop-pro.jp

施設で公演したときの録音を使わせていただいてますので、施設の方の歌声もはいっております。

www.youtube.com

この楽譜ですが、クラリネット五重奏(Eb,Bb,Bb,Alto,BassやBb,Bb,Bb,Bass,Bass etc)やサックス五重奏(SAATBar や SSATBar etc)などでも演奏できます。

 

クラリネット4~8重奏

クラリネット四重奏〜八重奏 - クリスマスソングメドレー - HID Online Store

サックス4~8重奏

サックス四重奏〜八重奏 - 「クリスマスソングメドレー」楽譜 - HID Online Store

 

ピアノソロ(中級/上級)

今のところ、唯、2つのソロピアノ作品だったりします。楽器歴において、ピアノが圧倒的に長いのですが、実はソロピアノについては、書法に苦手意識があったりします(汗)

でも、これはちょっと頑張りましたよ~。

へったくそな音源がリンク先にありますが、私が弾いてます。(上級は本当に案外難しかった…)

最初の3度が既にバラバラしていますが、ご愛嬌…ということにしてください(泣)

hid.shop-pro.jp

hid.shop-pro.jp

その2 編成バリエーションがいくつかあるもの

メドレーの内容は以下7曲ですべて共通しています。

  • もろびとこぞりて
  • 荒野の果てに
  • もみの木
  • きよしこの夜
  • あわてんぼうのサンタクロース
  • 藁の中の七面鳥
  • ジングルベル

 

吹奏楽

本日は、これを少し重点的に取り上げてみようと思います。

alicemusic.shop-pro.jp

おそらく時間のない中たくさんの曲をあてがわれ、練習+録音していただいた関係で、音源はゆっくり目ではありますが、なんとなく雰囲気はわかるかなと思います。

テンポは金管バンドの方を参考にしていただいたほうがいいかも。

www.youtube.com

 

このメドレーは金管バンドの物のオーダーが最初にありました。その好評を受けて作ったものです!吹奏楽のクリスマスソングメドレーは多数出ておりますので、競合多数…という感じではありますが、独特の仕掛け(金管バンドの記事をご覧ください)があって、興味深く演奏、お聴きいただけるものとなっております。

 

金管バンド

www.petit-orchestra.jp

金管八重奏

【金管8重奏】 クリスマスパーティー(田丸和弥)

リコーダー五重奏

[リコーダー5重奏-アンサンブル楽譜] クリスマスパーティー( arr. 田丸和弥) CLGR5-021「コラージュ音楽出版」最新ポップスをリコーダー譜に本格アレンジ♪

ソフトの音域の問題で、バスの最低音域が出てないのが変に聞こえますが、実際の楽譜はちゃんとしてますので、ご安心ください。

ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バスの5重奏です。

その3 木管五重奏+ピアノ

hid.shop-pro.jp

以下、6曲によるメドレーです。

  • もろびとこぞりて
  • 藁の中の七面鳥
  • 慈しみ深き友なるイエスは
  • きよしこの夜
  • もみの木
  • ジングルベル

真ん中のセクションのアレンジの先駆けとなった仕掛けがあったりまして、それは、前奏とジングルベルのラストコーラスで全曲顔を出すというものです。


単独

メドレーではなくて、単一の曲をご紹介いたします。

ジングルベル

クリスマスと言えば!その1と言った曲。知らない人はいないでしょう。

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

 タイトルの通り、"やさしい”クリスマス曲集です。ある程度弾ける方であれば、初見で初心者も頑張って練習すれば弾けるように、きっとなる。

以下、5曲入ったお得な曲集です。

  • ジングルベル
  • 慈しみ深き友なるイエスは
  • もろびとこぞりて
  • グローリア
  • きよしこの夜

hid.shop-pro.jp

バリアブル吹奏楽(フレキシブル) 

ジングルベル(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

きよしこの夜

クリスマスと言ったら!その2。この曲も知らない人はいないでしょう。

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

弦楽四重奏のためのやさしいクリスマス曲集 (2Vn, 1Va, 1Vc) - HID Online Store

バリアブル吹奏楽(フレキシブル) 

きよしこの夜(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

もろびとこぞりて

クリスマスと言ったら!…なのですが、歌えるか?と問われると…えっと、歌詞がわからない。曲についてはみなさんご存知ですよね!

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

弦楽四重奏のためのやさしいクリスマス曲集 (2Vn, 1Va, 1Vc) - HID Online Store

バリアブル吹奏楽(フレキシブル)

もろびとこぞりて(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

いつくしみ深き友なるイエスは

もしかしたら、結婚式で歌われるほうのイメージが強いかも?

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

弦楽四重奏のためのやさしいクリスマス曲集 (2Vn, 1Va, 1Vc) - HID Online Store

バリアブル吹奏楽(フレキシブル)  Jazz風アレンジ

このアレンジは遊んでしまったんですよね。最初は普通の讃美歌風なのですが、後半がJazzアレンジになっています。

いつくしみ深き友なるイエスは(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

www.youtube.com

グローリア

これも、比較的よく知られている曲だと思います。「荒野の果てに」で知られているかもしれません。

弦楽四重奏 or 弦楽オーケストラ

弦楽四重奏のためのやさしいクリスマス曲集 (2Vn, 1Va, 1Vc) - HID Online Store

バリアブル吹奏楽(フレキシブル) 

グローリア(バリアブル)楽譜 - HID Online Store

 

関連記事

宗教音楽のアレンジです!

www.petit-orchestra.jp

 

クリスマスといえば!定番の「くるみ割り人形」の小編成吹奏楽アレンジの記事です。

www.petit-orchestra.jp

www.petit-orchestra.jp

吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み編1

1月に「序」を書いたまま放置していた交響的小品に関する記事。www.petit-orchestra.jp

やっと、続きを書いてみようと思うに至りました。

 

今回は使用している主題とそれを曲中でどうアレンジして使っているのか?という視点でお届けしてみようと思います。

イメージ図を用いて、初心者の方にもわかりやすく、また実際の譜例を用いて、ソナタ形式の楽曲を作ってみたい方へのヒントにもなるように書いてみます。またまた、ご奇特な御仁に興味を持っていただくきっかけとなるように…よければ、選曲をしていただきたいなと思っています。

古典的、ロマン派的な曲調で、最近の流行りとは一線を角す曲調です。現代に於いては、かえって真新しいかもしれません。譜例もついていて参考情報が多いので、是非動画と併せて読んでみてください。

 

音楽に於いて心は大切ですが、理論的なものや理系的アプローチもまた、とても大切だと思います。

音楽は文系のイメージがあるかも(この発言自体ステレオタイプの偏見かもですが)理系のセンスのある人の方が向いているように思います。

音は物理現象ですし、音符同士の関係や構成については数学的なものです。リズムも音程も数的センスは必須です。

絵画においても、(本能のままにできている方もいるとは思いますが)配置や配色など、数学的な計算をなされているものでしょう。

 

「私難しいことわからない!」という演奏者の方も全拒否をするのでなく、とりあえず「ふーん?」でいいので、理論にも触れてみるのがいいと思いますよ。

 

 

吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み

動画

仕組みをお話しする前に全曲の様子をお聴きいただけたら幸いです。

www.youtube.com

この記事の各部にもピンポイントで聴けるものを配置してますので、ご興味ある方はご覧ください。

曲中で使っている代表的な主題

曲中で使っている主要なテーマを、まず提示します。
4つほどあり、ほとんどの部分でこれに関係のある旋律が使われています。

A. 第一主題のテーマ

この曲の顔ともいうべきテーマです。もっとも重要なものの1つです。

第一主題のテーマ

第一主題のテーマ

トランペットによって高らかに提示されます。

B. 序奏の動機(第二主題のテーマ)

 この曲のもうひとつの大切なテーマです。実は第一主題のテーマより先に表れます。

序奏の主要動機

序奏の主要動機

第二主題

第二主題

既に動機の操作が行われているのがお分かりでしょうか?どういう操作なのか、「主題操作とは?」のセクションをご覧いただければと思います。

 

C. 第一主題中のブリッジの動機

地味な存在なのですが、下支えをするような役割を担うテーマです。

第一主題中のブリッジの動機

第一主題中のブリッジの動機

D. 序奏の動機

四音、二つの音程からなる、たったこれだけのものですが、使い勝手のよさもあり、各部に散りばめられています。

序奏の動機

序奏の動機

B.に引き続き、ここにも主題操作の一部が写されていますので、いったいどういうことかな?と推測してお読み進めいただけたら幸いです。

主題操作とは?

楽譜だけで説明することも可能なのですが、たまには趣向を変えて、イメージ図を用いてみようと思います。

 

へったくそな画…なんですが、多分イメージは伝わるかと。

 

次の画の左上が基本形…だとします。

 

主題操作のイメージ図

主題操作のイメージ図

左右逆にしたり、上下逆にしたり、左右上下逆にしたり…

主題操作のイメージ図2

主題操作のイメージ図2

縮めたり、拡大したり。

主題操作のイメージ図3

主題操作のイメージ図3

一部、切り取ったり…

 

主題の操作とはこんなことをするイメージです。

 

ちなみに、B. 序奏の主題(第二主題)の説明はここまでで、できます。

序奏の主題を基本形とすると、「第二主題は反行させ、前半のリズムを縮めたもの」と言えます。

 

また、D.の後半については、「A.第一主題の一部を拡大、一部の音程を変更させたもの」ととらえることができます。

 

ソナタ形式の楽曲(に限らず、程度の大小や頻度の大小、楽曲に対する影響度はそれぞれですが大なり小なりどの楽曲)においてはこれで作られていると言っても過言ではないでしょう。

現代人にとっては、あまりしつこい繰り返しには飽きてしまうかもしれませんが、主題をその曲において、1回しか使わないというのは、印象に残りにくいですし、その曲が何を表現したかったのかがわかなくなってしまいます。

そのため、主題は2回繰り返されたり、歌ものならば2番があったり、大サビがあったり、ソナタでないものでも、3部形式で再現があったり、2部形式でも、aaba(最後にaがもう一度来る)の構造が多かったり…

と言った感じです。

ソナタ形式はその主題への愛を、いじくり倒すことで表現する…ような曲とでもいえましょう。

 

 

凄く雑な画なんですが…

こういうのを繰り返して楽曲は完成していきます…

楽曲のイメージ図

楽曲のイメージ図

この画は非常にあれですが…優れた操作がなされれば、それが芸術作品になるわけです。歴史上の大交響曲はその一例と言えるでしょう。

本曲における主題操作 その1 提示部まで

主題操作の本領は実は展開部で発揮されるものです。展開部は作曲家の腕の見せ所ですので…

とはいいつつも、提示部までで、すでに結構なボリュームになってしまいましたので、ここまでで区切ってみたいと思います。

展開部以降は次の機会に。

A. 第一主題のテーマ

実は第一主題が鳴らされる前から登場しています。

序奏に出てくる第一主題の動機

序奏に出てくる第一主題の動機

第一主題の動機と関連があるのがお分かりでしょうか?音程が異なっているのと、第一主題で16分音符4つで表現されるところが、付点八分音符+16分音符の形になっているので、若干わかりにくくはあります。

序奏のティンパニ

序奏のティンパニ

主題操作の一手法にリズムのみで表現するというものがあります。ベートーベンの運命の動機で見られる手法です。

第一主題

第一主題

やっと本家第一主題が赤枠で示されます。その前にも青枠の部分に提示されているように、リズムのみですが、動機がトランペットに示されます。また、そのすぐ後、ベースラインにも主題が表れます。

第一主題の納め部分

第一主題の納め部分
 

第一主題の納め部分(まだ、第一主題の一部)です。この曲においては、第一主題の納め部分で反行系(トランペットの譜面をご覧下さい)を使っています。

また、ダメ押しのように内声(ホルンやユーフォニアムなど)に基本形の音程違いが表れます。

第一主題が終わった時点でも、もうこれだけありますが…まだまだ。

 

第一主題と第二主題のブリッジ

第一主題と第二主題のブリッジ
 

ブリッジとは、その名の示す通り主要な部分同士をつなぐ橋渡しの役割を果たす部分を指します。

この譜例は第一主題と第二主題のブリッジです。ここでも第一主題があちらこちらででてきます。ティンパニの前半二つは第一主題の動機の一部を用いたもの、ベースに表れるのは16分音符のリズムを三連符に変えたものです。

ブリッジには全く異なる旋律が置かれることもありますが、今回は第一主題の残り香を示すものと、第二主題の登場を匂わせるものの両方を配置しました。実はトロンボーンに注目してもらえると第二主題が登場しているのがわかるのですが…

 

さて、第二主題に入ってしばらくはひそめておりますが、1フレーズ目の締めで目立たないように登場します。

第二主題の1フレーズ目終わり

第二主題の1フレーズ目終わり

この楽譜の場面と次の楽譜の場面はつながっておりますので、この動画をそのまま再生していただければ続けて聴けます。

目立たないと申し上げましたのは、他の音と組み合わされてわかりにくくなっている、リズムが同等ではない、3・4番目の音程が違うなどの理由です。旋律なのでこの音形が聞こえにくいわけではありませんが、第一主題の動機としてでなく、第二主題の一部として聴こえるでしょう。

 

確保(主題を印象づけるために、そのままあるいは多少アレンジをして、主題を繰り返すこと)において、第一主題が顔を出します。

第二主題に出てくる第一主題の動機

第二主題に出てくる第一主題の動機

提示部の小結尾(小結尾は主要な部分に配置されることのある納め部分です)においても、非常に気づきにくいのですが、第一主題が出てきます。

小結尾の第一主題の動機

小結尾の第一主題の動機

この動画においては、八分音符1つ分抜けちゃってます。

 

B. 序奏の動機(第二主題のテーマ)

序奏の頭でいきなり提示されたものは、代表的な主題の部分でご紹介済みですが、序奏において実は隠れた使い方もされています。

序奏の動機の隠れた用法

序奏の動機の隠れた用法
 

赤枠の音形がそれです。よく見るとリズムを倍速くしたものになっています。この部分で目立つのはオーボエのソロであるD.の動機なのですが、その内声に配置されており、パット聞いた感じ気づきにくいですが、ホルンで重ねられているのでホルンの音に耳を傾けていただければ気づきやすいと思います。

 

続いては2つ同時にご紹介します。

序奏とブリッジにおける序奏の動機

序奏とブリッジにおける序奏の動機

この前の小節に最初の1音がありますが、ファゴット(Bassoon)やトロンボーンに序奏の動機がそのまま提示されます。これがひとつ目です。ここまでで序奏は終わりです。

拍子が変わってからは第一主題への導入となるブリッジ部分になります。ピッコロ、フルートの譜面を見ていただければわかると思うのですが、序奏の動機が使われています。これが二つ目です。第一主題と第二主題のブリッジでもそうでしたが、このブリッジにおいても序奏の動機と先述のティンパニにあらわれる第一主題の動機がともに鳴らされ、序奏と第一主題のつなぎの役割を果たしています。

 

第一主題中に表れる序奏の動機

第一主題中に表れる序奏の動機

この部分は第一主題の一部で、真ん中らへんの部分です。C.の動機がオーボエに見られますが、それとともに、ファゴットやユーフォニアムに序奏の動機が使われています。

ちなみに、後半の部分のリズムは、本記事では特に触れていませんが、序奏に出てくる音形と関係の深いものであったりもします。

 

続いては、A.の部分で見ていただいた画像とよく似た画像が示されます。トロンボーンにご注目と書いたものです。

第一主題と第二主題のブリッジ2

第一主題と第二主題のブリッジ2

トロンボーン1,2,3の音をよく見てください。内声なのでわかりにくいですが耳を傾けるとわかります。音が流れる順番に添って鍵盤を弾いてみると…八分音符で「(休符)FCBbEbD」と鳴りますね。これ、そっくりそのまま第二主題の動機と一致します。

 

続いて、本家第二主題です。

第二主題

第二主題

クラリネットで提示されます。

 

提示部最後、小結尾に表れます。

小結尾に表れる第二主題

小結尾に表れる第二主題

ついでに、ダメ押しの第二主題のテーマが木管に表れるのもお聴きください。

これは若干こじつけともいえるかもしれませんが、第二主題に近いものを入れたいなと思ったところ、このような形になりました。2・3番目の音と4・5番目の音を入れ替えると序奏の動機に近くなります。

C. 第一主題のブリッジの動機

若干こじつけ感もありますが…第一主題の前にリズムのみ提示されます。(でも、多分あまりわからない)

第一主題前のCの動機

第一主題前のCの動機

低音に注目です。

 

続いて、本家C.の動機を見ていただきたいと思います。

第一主題ブリッジの動機

第一主題ブリッジの動機

こちらは、第一主題確保の譜面で、最初はオーボエとアルトサックスのみですが、この部分においてはフルートやクラリネットによって音域拡張とアレンジの補強がなされています。

第二主題の後半に表れるCの動機

第二主題の後半に表れるCの動機

これも、少しわかりにくい用法ですが、C.の動機のリズムと音程を少し変化させたものととらえていただければと思います。

 

C.の主題は副次的なもので、A.B.に比べると、ここまでの登場頻度は低いですが、展開部においては少し主張をします。

D. 序奏の動機

代表的な主題で提示したものです。

序奏の動機

序奏の動機

しばらく、この動機が分かる形で繰り返されます。次の画像の青枠がそうです。

 

最後にB.の序奏の動機が再度提示されるときに、断片が表れます。

序奏の動機の断片

序奏の動機の断片

赤枠の部分にご注目ください。これは、D.序奏の動機の最初の2音だけ抜き出したものです。

 

続いて登場するのは第二主題へのブリッジの部分です。

第二主題へのブリッジに出てくる序奏の動機

第二主題へのブリッジに出てくる序奏の動機

音程関係がそのままのものと、跳躍音程になっている物、元の音程に戻らないものなど混在しておりますが、動機の原型が保たれており、判別できるかと思います。

 

次は第二主題に表れる、装飾的な音形の断片です。

第二主題に出てくる序奏の動機の断片

第二主題に出てくる序奏の動機の断片

4音の内、最初の3音を使っています。

 

次が提示部最後に表れるD.の動機です。

小結尾のDの動機

小結尾のDの動機

小結尾を構成するメインの部分です。

 

こちらの動機も展開部においてはC.同様もっと様々な登場の仕方をします。

 

次回展開部の主題操作はもっと本格的

はい、ここまででも十分主題操作をしているようにも見えるかと思います(が、それは皆様の判断にお任せします…)。ここまでの主題操作でもソナタ形式の楽曲は十分作れるくらいではあるのですが、これはまだ序の口で展開部が本編です。

次の記事はこちらです。

www.petit-orchestra.jp

 

 

作曲は小さなチャレンジの積み重ね

ちなみに、私は1度だけアドバイス程度に作曲家の先生のお話をお伺いしたことはあるのですが、ほぼ独学でやっております。

 

作曲をはじめてた経緯はこちら。

www.petit-orchestra.jp

 

独学だとこの程度か…と思われるか、独学でもここまでできるのか!?と思われるか、どちらなのかはわかりませんが、年月と共に、このくらいはできるようになりました。

最初は転調もできませんでしたし、「転調ができるようになり、今度は展開だ!」と思い始めたころに作れたのは、展開とは名ばかりの半音転調を繰り返したもので、そのときは「できた!」と喜んでいた時期もありました。現状もまだ道半ばであると思います。

でも、こうやって眺めてみると進歩はしているのかな?と思います。

 

どうぞ、作曲に興味のある方は、チャレンジしてみてください。ほんのわずかな一歩が積み重なると、案外大きな山ができているかもしれませんよ。

 

関連記事

スコアリーディングや、自作のご紹介。

くるみ割り人形のスコアを読んでみた記事。

スコアを読むの楽しいですよ!というお話。

演奏のキーポイントとなる倚音に注目。

www.petit-orchestra.jp

 

楽器(バスクラリネット)に注目。

www.petit-orchestra.jp

 

自作一覧

吹奏楽曲や室内楽曲のご紹介をしています。

www.petit-orchestra.jp

 

くるみ割り人形で聴くバスクラリネットの魅力

チャイコフスキーは交響曲*1では一切使いませんでしたが、実はバスクラリネット使いの名手であったりします。

後期作品では、バスクラリネットを多く活用した作品がたくさんありまして、今回はそのなかでも大活躍する「くるみ割り人形」をメインにご紹介してみようと思います。

 

バスクラ好きのみなさんにはここでご紹介した動画を全部聞いていただきたいです。(できれば、くるみ割り人形の全曲を聞いていただきたい…)

ベースラインをなぞるだけが能ではありませんよ。バスクラリネット。

 

 

 

くるみ割り人形で聴くバスクラリネットの魅力 

組曲にはバスクラリネットがTacet(その曲まるまる休み)の曲が多い(イングリッシュホルンもですが、花のワルツがお休みなのは、結構つらい…)のですが、全曲では大活躍します。

バスクラリネットの目立つソロやソリがいくつもあります。では、ここからはその「一部」をお見せ、お聞かせしようと思います。

これでも、まだ全体像には届きません。残りはみなさんで是非発見してみていただきたいです!

 

旋律や対旋律のソロ

 

 

クリスマスツリー

本編一曲目から大活躍です。単純ではありますが、音階的な対旋律をソロで奏でます。

クリスマスツリー冒頭

クリスマスツリー冒頭

3'21''あたりにご注目


この曲の後半にも、実は目立つソロが!

クリスマスツリー後半

クリスマスツリー後半

 5'56’’あたりです。

 

魔法の城

木管によるアンサンブルの一部を担います。

魔法の城

魔法の城

 49'46''あたりです。

曲中で最もおいしいかも!?くるみ割り人形よりパ・ド・ドゥ

オーボエのもの悲しい旋律に対する応答を担当します。バスクラリネットの大変目立つ旋律の一つと言えるでしょう!

パ・ド・ドゥのバスクラリネットの旋律

パ・ド・ドゥのバスクラリネットの旋律

1:17'56''あたりです。 

 

くるみ割り人形より「こんぺい糖の踊り」

これ、唯のベースラインなのですが、対旋律的でもあり、とても美味しいそろですよね。チャイコフスキーのバスクラ使いとしてとても有名なものの1つのようです。

個人的にはほかにもたくさん見習うべき点はあるように思います。

こんぺい糖の踊り

こんぺい糖の踊り

 1:22'20’’あたり。有名な一節ですね。

 

 

旋律や対旋律のソリ

ドロッセルマイヤー登場シーン

ファゴット2本とのSoliです。この混合音色にもご注目(注聴?)いただきたい!

ドロッセルマイヤー登場シーン

ドロッセルマイヤー登場シーン

13'59''あたり

 

ネズミ大群とくるみ割り人形軍の戦い

ネズミの大群とおもちゃの戦闘シーンの音楽で、戦いのシーンにも関わらず、若干コミカルなのがとてもかわいい一曲。

ここでも、ネズミ軍の動機をファゴット2本と共に担当しています。

戦闘シーン

戦闘シーン

32'10''あたりです。

雪片のワルツ

1オクターブの旋律の下のオクターブを担当します。上のオクターブは2本のフルートと2本のクラリネット、下のオクターブは1本のバスクラリネットと2本のファゴットが担当します。

雪片のワルツ前半

雪片のワルツ前半

40'21''あたりです。

この曲も、旋律あり、ハモり有、ベースあり、対旋律あり…とバスクラリネットのポテンシャルを生かす書法満載です。

 

もうひとつ、上昇音形の音色の1つを担当しているのが聴こえるでしょうか?チェロとのユニゾンです。この音形もかなり美味しい。

雪片のワルツ後半

雪片のワルツ後半

 

43'33''あたりです。

 

少し脱線します。この曲のこの後ですが、コントラバスの刻みの伴奏の補強として、チューバが1オクターブ上の音域を単独で担当しています。これもチューバの使い方としては面白いのではないでしょうか。

 

くるみ割り人形より第二幕の「情景」

これもおいしいSoliです。この曲における新しい旋律を担当しています。

第二幕情景の旋律

第二幕情景の旋律

 53'06''あたりです。

ソロが終わった後も、ファゴットと共にネズミの軍隊のテーマを奏でます。よく聞いてみるとバスクラリネットの音色がはっきりわかりますよ。

 

ジゴーニュおばさんとピエロ

イングリッシュホルン、クラリネット、ファゴットと共に旋律を担当しています。

ジゴーニュおばさんとピエロ

ジゴーニュおばさんとピエロ

 1:06'13''あたりです。

目立つ伴奏、ベース

クリスマスツリーが大きくなるシーン

クリスマスツリーがだんだん大きくなる(実際はおそらく、夢の中でクララが縮んでいる)シーンのネズミが出てくるシーンのベースを単独でこなしています。

1stファゴットがネズミの動機を奏でています。

ネズミが出てくるシーン

ネズミが出てくるシーン

 28'05''あたりです。

冬の松林

チェロとコントラバスのピッツィカートに対して、保続音を演奏します。

地味だけれどもとても大事な役割です!

冬の松林

冬の松林

36'56''あたりです。

 

この曲のバスクラリネットは、ベースとしての役割を多く担当しつつ、時々旋律の補助をしたり、和声の一部を担当したり、とても器用に、多彩な役回りを担当します。こういう書き方は見習うべき点が大変多いように感じます。

 

くるみ割り人形のCD紹介

少し快速テンポ気味でありますが、このCDは通常2枚組になることの多いくるみ割り人形の音楽が1枚に収まっています!

私は、少し速めなのが好きなこともあり、お勧めの一枚です!

チャイコフスキ-/バレエ<くるみ割り人形>

チャイコフスキ-/バレエ<くるみ割り人形>

  • アーティスト: ゲルギエフ(ワレリー),マリインスキー劇場合唱団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD
  • 購入: 2人 クリック: 3回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る
 

 

バスクラの目立つ別曲、交響的バラード「地方長官」

とてもマイナーな曲で、作曲番号としては遺作にあたる作品ですが、くるみ割り人形より先に書かれたものです。作曲者本人がスコアを引き裂いたと言われている作品ですが、私個人的には好きな曲だったりします。交響曲第五番とのカップリングで入っていたためにしっております。

中間から後半にかけても目立つソロが出てきます。必聴!

 

バスクラのポテンシャル

さて、ここまでくるみ割り人形の譜面を見ていただければお分かりかと思いますが、バスクラリネットは管体が長く、太いため、息を多く使う事や機動性においては、クラリネットに若干劣るのは確かでしょう。しかし、それでも十分な機動性を持っている楽器です。

くるみ割り人形の全曲をくまなく見ていただきたいですが、第二オクターブ含めめまぐるしく動いています。

 

低音を担当する楽器としては、十分すぎるほどの能力です。 

 

吹奏楽でのバスクラリネット

チューバと同じオクターブか1オクターブを担当する…というイメージの強いかたもいらっしゃるかと思いますが、実際はそうとばかりもいえなかったりします。

星条旗よ永遠なれのバスクラリネットパートを見たことはあるか!?

海軍バンドの「星条旗よ永遠なれ」のバスクラリネットのパート譜を見たことはありますか?

ここから見ていただきたいです。

The Stars and Stripes Forever (Sousa, John Philip) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

良く見るベースラインの1オクターブ上をなぞるのではなく、かなーり多くの旋律を担当しています。

吹奏楽のための木挽き歌

比較的現代的な響きのする楽曲で、とっつきやすい…とは言えないかもしれませんが、バスクラリネットが活躍する1曲であることに変わりはありません。曲終わりのソロにご注目。

 

バスクラリネットは吹奏楽でも活躍できるはず!

テナーサックス、バリトンサックス、トロンボーン族、ユーフォニアム、チューバなど音量ある楽器の多い吹奏楽においては、埋もれがち…と言えるのかもしれませんが、それでも、ファゴットよりは十分に強いと言える音量を持ち、木管低音のソロを1本で担当することもでき、その独特の音色と機動性で吹奏楽曲の新たな一面を開拓できるポテンシャルを持っている楽器だと思います。

例えば、木管楽器のみのアンサンブルのベースを単独で担当するのも有用な使い方と言えるでしょうし、くるみ割り人形の「パ・ド・ドゥ」のように、クラリネットでは出せない音域でくらりねっと属のソロを担当できるのも、バスクラリネットだけにできる個性と言えるのではないでしょうか!

 

私も、バスクラリネットが楽しい楽曲を作らねば…

 

 

 

 

関連記事

くるみ割り人形のスコア研究シリーズ、演奏上役に立つ倚音について注目してみました。

www.petit-orchestra.jp

 

バスクラリネットが活躍する木管八重奏曲の記事。

 

www.petit-orchestra.jp

 

ファゴットの魅力に迫り、吹奏楽での活躍の場を問うた記事!

www.petit-orchestra.jp

吹奏楽のコントラバスについての考察記事。

www.petit-orchestra.jp

*1:表題付交響曲の「マンフレッド」を除きます。マンフレッドにおいては、コントラファゴットは使わなかったものの、ファゴットを3パート、残りの木管は特殊管を用いた完全3管編成で使っています

吹奏楽におけるファゴット

吹奏楽では冷遇されがちなファゴット…私の後輩が「合奏中に全然違う曲を演奏していたのに気づかれなかったことがある」なんて言っていたことがありました。

 

いやいやいや、でも本来そんな冷遇される楽器ではないのです。すごい楽器なんですよ!今日はファゴットの実力を見せつけてやろう!そして、吹奏楽曲でも有効利用してもらおう!という啓蒙記事です。

 

 

吹奏楽におけるファゴット

ファゴットとは?

そもそもファゴットとはどんな楽器なのでしょうか?

外見

写真 Coming Soon....

 

長いですね。折りたたまれたパイプ(U字)といった様相をしています。本体は4つの部分に分かれまして、下のU字部分に、長い管を2本差し込み、歌口と逆側(ベル側)に先端部分を取り付けるような形になります。

 

さらに、ボーカルという楽器本体へ取り付ける細い管と、歌口であるリードを取り付けて、やっと演奏可能な状態になります。

 

取り外し可能な部品が多いですねぇ…

ただでさえ、楽器の準備と片づけに時間のかかる木管楽器のなかでも、ダントツ時間のかかる楽器であるでしょう…

 

音域

木管楽器の上の音域については、楽器や奏者の力量によって変わるものなので、絶対にこれだ!というものはありませんが、一応目安で示してみます。

ファゴットの音域

ファゴットの音域

よくある吹奏楽曲のファゴットの譜面を見ているわかりませんが、ファゴットという楽器、実はかなり音域の広い楽器なんです。およそ3オクターブ半もの音域をもっています。

ストラビンスキーの春の祭典はかなりの高音からソロが開始されることで有名ですね。

ト音記号で言うと、なんと、第4線のレから始まります。

最低音は通常はヘ音記号、下第3間のBbですが、その半音したのAまで出る楽器があったらしいとの話も聞ききます。

また、このAが要求される曲もありまして、ニールセンの木管五重奏曲です。

こちらの動画では最低音のAが聴こえます。曲の本当の最後の部分ですね。26'36''くらいのところです。

スゴイ!おそらく延長管を付けているのではないかと思います。

脱線、フルートでも通常の最低音CのところHが要求される曲があるそうで、もちろんHまで出る足部管もわりとメジャーではあるのですが、それを持っていない場合にテレホンカードを丸めて長さを足して、H音を出す。というのを聞いたことがあります。

さて、ファゴットの音域が拡張されていた歴を垣間見れる譜面をご紹介いたします。

毎度恒例チャイコフスキーです。

 

最初は交響曲第四番の冒頭です。

ここはホルンとユニゾンなのですが、ホルンの最高音の部分にご注目ください。

1stファゴットが1オクターブ下げられているのがお分かりでしょうか?

チャイコフスキー交響曲第四番冒頭

チャイコフスキー交響曲第四番冒頭

www.youtube.com

冒頭です。

フォルテシモだとファゴット単体の音色はちょっと聴こえないですけれどもね…でも、ホルンの音色を変える効果はあるのです。金管楽器に明らかに聞こえないだろうと思われる木管楽器を足すのは、若干の輝きを押さえ、輪郭と音量を増す、といった効果があります。

この譜面から読み取れるのは、ト音記号でいったところの第3間Cの音について、1877-78年当時のチャイコフスキーはファゴットには「出せない」か「危険だ」と考えていたと読み取れます。逆に、ト音記号でいったところの第三線Bbの音は出せると考えていたとも読み取れます。このBb音ですら現代吹奏楽の譜面にはなかなか出てこないと思われます。相当ハイレベルなものか、またはファゴットを活躍させようという意図のある作曲家の書いたものでなければ…

 

さて、時代を少し進めて1893年、交響曲第六番「悲愴」の第四楽章の譜面を見てみましょう。

チャイコフスキー交響曲第六番第四楽章

チャイコフスキー交響曲第六番第四楽章

音部記号がテノール記号なのにご注意!

37'35''にご注目。こちらは、木管のユニゾンなので、ファゴットの音が聞き取れると思います。というか、この楽章の最初のほうはしばらくずっと、ファゴットが活躍します。第一楽章の冒頭はファゴットのソロから開始ですし、なんとファゴットの活躍する曲なんでしょうか…

 

先ほどのCを超えて、C♯の音が要求されています。C#は冒頭でお話しした春の祭典の半音下の音です。この期間に楽器が改良されたのか、奏者の腕が上がったのか、チャイコフスキーの認識が改められたという事でしょう。

ちなみに、この部分においては、木管楽器群によるユニゾンですが、これより前の作品「くるみ割り人形」においては、なんとソロでこの音が書かれていたりします。後述します。

 

さらに…

交響的バラード「地方長官」

大変マイナーな楽曲ですが、くるみ割り人形より先に作曲された楽曲です。この曲ではさらに半音上のDが要求されています!単独でです。 

交響的バラード「地方長官」のファゴット

交響的バラード「地方長官」のファゴット

 

音域だけでこんなに長いセクションになってしまいました…

ここまででもファゴットのポテンシャルを測ることができるかと思いますが、次の節では具体例とともに、ファゴットをさらに掘り下げてみたいと思います。

 

ファゴットの秘めたるポテンシャル 実際の用例

ファゴットは、木管楽器においてはバスに相当する楽器にあたるりますが、オーケストラや吹奏楽の全楽器ひっくるめて考えると、単なるバスに収まる楽器ではありません。どちらかというと器用なバリトンかテナーのようなイメージをしていただけるとよいかと思います。

そうなんです。

  • 音楽の土台要員
  • オブリガートを担当
  • 旋律を担当
  • 飾りや音楽を興味深くする役割

と、言った感じで、本当にいろいろなことができちゃう楽器だったりします。吹奏楽ではとにかく目立ちにくい楽器というイメージが強いですが、オーケストラにおいては逆で、目立つを通り越して酷使される楽器の筆頭といっても過言ではありません。(また、それくらいのポテンシャルを持っています)

では、例をいくつか見てみましょう。

 

動きのあるベースはお手の物

チャイコフスキー交響曲第六番第三楽章より

チャイコフスキー交響曲第六番第三楽章

チャイコフスキー交響曲第六番第三楽章

30'07''あたりをお聴きください。

赤で囲まれた部分がファゴットの演奏する部分です。このような動きのあるベースはファゴットの活躍する場だったりします。低音管楽器の割に息が長い楽器であり、その特性は重宝されます。

とはいえ、これまだ楽譜の一部で、この後も続くのですが、カンニングブレス抜きに演奏できるものなのでしょうか…

 

さて、また脱線します。チャイコフスキーネタだと脱線が多いですが、敬愛していますので…ご容赦ください。

チャイコフスキーのオーケストレーションについてなのですが、ここぞという積極的な用法の他に、消去法かな?と思われる消極的用法も見られます。で、後者においてはとても「システマティック」な使い方をする印象です。

ファゴットのこの部分は後者だと考えられます。というのも、ヴィオラ以下をご注目ください。ファゴットと同様の音形をスタッカートで演奏していますね?

はい、ファゴットはここのサポートの役割だと考えられます。

で、「どこがシステマティックなのか?」と言いますと、ファゴットの入るタイミングにご注目ください。中途半端なところから入っていますね?

さて、青く囲まれた部分をご覧ください。ファゴットが入る前は2種類の楽器でユニゾン、ファゴットが入ったあとは1オクターブに分かれていますね。

これは「楽器2種類で音量が十分になると仮定し調整した」と考えられます。

なので、こんな中途半端とも思える場所からファゴットが入っているのです。

もう一個ツッコミを入れると、ヴィオラとコントラバスの入れ替わるタイミングもなかなかですよね。

ここについては、ファゴットの音色はあまり聞こえないほうがいいのかな?とも思うのですが、ところがどっこい聴こえてもあまり違和感はありません。この音源だとよく聴こえますよね。

一瞬「え!?」と思う書き方でも、うまく聴こえてしまうのは経験のなせる業なのでしょうか。

 

 

こんな旋律まで演奏できちゃいます。

チャイコフスキーくるみ割り人形より第二幕「情景」

くるみ割り人形第二幕情景パート1

くるみ割り人形第二幕情景パート1

50'37’’あたりからファゴットのソロが始まります。譜例はソロの終わりの方の部分で、先ほど述べましたC♯の音が出てきます。

細かいし、音高いし、また、さらに、この恩恵雰囲気を出すのが大変に難しいと思うのですが…

でも、なんにせよ、こんなソロまで演奏できちゃうんです!ファゴットすごい。

この曲ファゴット以外にもフルートのフラッターが使われていたり、ヴィオラ以上の弦楽器が分散和音で和音を担当したり、チェレスタが使われていたり、と管弦楽法的に大変興味深いです。

脱線なのですが、この部分も興味深いです。なんとチェロとコントラバスが交差してます!

くるみ割り人形は異常なオーケストレーションなのに、とても魅惑な響きのする楽曲で、宝の山である楽譜だと思います。

くるみ割り人形第二幕情景パート2

くるみ割り人形第二幕情景パート2


 

チャイコフスキー交響曲第六番より第一楽章冒頭

悲愴冒頭

悲愴冒頭

www.youtube.com

このソロは非常に有名でしょう。ある意味でとても嫌なソロなんだそうです。低めの音でppなのが拍車をかけるのでしょう。ここらへんオーボエと通じるものがあります…

ちなみに、チャイコフスキーは本当にファゴットを重用する作曲家で、とあるプロの先生から「酷使するから嫌い」という話を伺ったこともあります。「くるみ割り人形は大変だけど、楽しくて好き」ともおっしゃっていましたが…

 

くるみ割り人形「アラビアの踊り」こんな音まで

クラリネットの後から聴こえてくるA♯Bの音をお聴きください。

アラビアの踊りのファゴットの超高音

アラビアの踊りのファゴットの超高音

 これ、ファゴットのオクターブなんです。どこの音域だと思います?

1stはト音記号第2間のA♯と第3線のB音なんです。こんな高い音で、しかもppppp指定です。pが5個です。こんな音を書くなんて…まさに鬼とはこのことなのではないでしょうか。

 

軽妙なパッセージはお手の物

ベートーベン 交響曲第四番

ベートーベン交響曲第四番第一楽章

ベートーベン交響曲第四番第一楽章

適当な動画が見つからず、譜例のみです…

この部分は、速度標語が"Allegro vivace"であること、拍子が2分の2拍子であること、メトロノームの指示が全音符=80であることに注意です。

とっても速いです。

こういうスタッカートの軽妙なパッセージは得意技です。ダブルリードはうまくタンギングをして、アタックを付けないといつ音が出るかわからない楽器であります。逆に、アタックはとてもはっきりつけることができる楽器とも言えまして、このようなパッセージはとても得意です。

実は、跳躍も得意な楽器で、低めの音域を含んだ2オクターブの跳躍などよく書かれたりします。

 

チャイコフスキー くるみ割り人形より「中国の踊り」

低音のバスかつ軽妙で滑稽な例として秀逸だと思います。

www.petit-orchestra.jp

 

吹奏楽でもファゴットは大活躍できるはずの楽器である

前置きが長くなってしまいましたが、何が言いたかったかと言いますと、ファゴットの高いポテンシャルをアピールして、「吹奏楽でももっと使ってもらいたい」ということを申し上げたかったのです。

 

どうしても、楽器が高価、教えられる人が限られる、サックスなどと比べると音量が小さ目などの理由から、控えめに使われる傾向が高いと思うのですが…たとえば、ファゴットに魅力的な譜面を用意しつつ、「保険」を掛けることもできると思うのです。

たとえば、オッシアをクラリネット、ユーフォニアム、ホルンetc...に用意する。

これだけでも、ない危険や習熟度が低い時の保険を掛けることができますよね?

 

オーケストラのファゴットはなくてはならない楽器であり、かつほとんどのケースにおいて1人1パート、アマオケでは空席率が高い、などの理由で、初めて1年くらいで「ライオンの子落とし」みたいな状況に追い込まれることもあります。それがいいとは言いませんが、楽曲や環境が奏者のレベルを上げる!という事はあると思います。

特に、時間がまだある学生さん達には、少しでも興味深い曲に取り組んでいただきたいなと思います…

 

吹奏楽でファゴットをどう使うか?

使い方いろいろです。オーケストラで使用できる用法はそのまま使えると思っていいかと思います。ただし、学生が演奏する場合、難易度の考慮は必要かと思います。

例えば…

  • 低音木管と一緒にベースラインの補強
  • 単独で木管の旋律のベース
  • ソロ
  • 低音木管およびコントラバスと動きの多いベースライン
  • ユーフォニアムあたりと共に対旋律
  • 木管による旋律の最低オクターブとして

ここまで読んでいただければ、多彩であることはもうお分かりだと思います。

ちなみに、特殊な例ですが、案外お勧めなのは「フルートとユニゾン」です。

むせび泣くような、すごーく独特な音色がします。必然的にファゴットは苦しい音域になります。ただ、伴奏には非常に気を遣うでしょう。

 

では、実際に使う場合の注意点は?

吹奏楽でファゴットを「聴かせる」ための注意点

ファゴットをちゃんと聞かせよう!という観点での注意点です。常に聞かせようとなんてしなくてももちろん問題ありません。

また、どの楽器でもそうですが、奏者や楽器によって音量や聞こえやすさは大分変ってきますので、ここで述べていることは、参考程度にとどめてください。

 

基本的に覆われやすい音と思うべし

他の楽器と比べると音量はどうしても出ません、またオーボエのように他との競合の少ない非常に高い音域の倍音もありませんので、音色的にも埋もれやすいです。安易に重ねると聞こえなくなります。

逆に、これはブレンドしやすいという良い点にもなります。

最低音域は聴こえやすい

聴こえにくいファゴットですが、その中においては最低音域のBb、B(H)、Cあたりは聴こえやすいと言えるでしょう。ある程度バランスを考えて演奏されたチューバと一緒に演奏したとしても十分聴こえるでしょう。この音域について言えば、チューバよりもより一層はっきりした音色だと言えるでしょう。

ファゴットを聴かせたいときはオーケストレーションに注意

音色や発音原理の全くことなる弦楽器で伴奏するならば、多少あまくてもなんとかなるかもしれません。しかし、吹奏楽器ばかりの吹奏楽の場合は最新の注意が必要でしょう。そもそも薄く書く必要がある上に、実際に演奏する場合もバランスを考慮し、かつそれを実現できる技術力が必要となるでしょう。

ここらへん吹奏楽でフルートの低音域のソロを書く場合にも同じようなことが言えるでしょう。

こういう意味で、後述の「天国の島」はそこそこ楽器を鳴らしているにも関わらず、うまく聴こえさせることに成功している例と言えるかもしれません。

是非スコアをご覧いただきたいです。

 

吹奏楽でファゴットの美味しい曲

オーケストラの曲ばっかり紹介していたけれども、吹奏楽で美味しい曲ないの?

天国の島/佐藤博昭

www.youtube.com

0'34''をお聴きください。オーボエとの2重奏でとっても美味しいオブリガートを担当しています。tuttiを挟んで、まだ続きます。ここまで長く目立つのはなかなかないかもしれません。

 

アパラチアン序曲/バーンズ

www.youtube.com

これはさほど長くはないのですが、フルート、オーボエ、ファゴットの2オクターブの旋律が2回登場します。1'49’’と4'10''あたりです。

バーンズはこの組み合わせの他にも、ピッコロ、オーボエ、ファゴットで各々2オクターブずつ間があく、4オクターブによるユニゾンを書いたりすることもあります。

 

吹奏楽のための「深層の祭」/三善 晃

www.youtube.com

ポップスや、ロマン派、近代あたりまでに慣れている方には、ちょっと難解な曲にあたるかもしれませんが、なんとファゴットのドソロで開始されます。

 

交響的小品/田丸和弥

www.youtube.com

しれっと、自作もご紹介(爆)

この曲はファゴット2パート必要な楽曲でして、できれば2パート準備できる環境がよいかと思います。

この参考音源では、残念ながら1stのみしかおりませんでしたので、魅力が伝わりきらないかも。

主だったところをいくつかピックアップしてみます。

  • 冒頭はユーフォニアムとのデュオからのクラリネット群とのアンサンブルです。2ndが要る場合はベースラインをバスクラと2本で奏でます。冒頭からしばらくはチューバがお休みしていますので、2本居ればもっとよく聴こえるでしょう。
  • 3'00’’からのトロンボーンの2重奏は、本来はファゴット2本によるソロ。
  • 3'21''からのソロは聴こえるでしょう。
  • 3'40''からと3'56''からのベースの伸ばしですが、最初2小節のみチューバがおり、そのあとはファゴットとコントラバスのみ残ります。音量のある奏者の場合はよく聴こえるでしょう。
  • 4'39''クラリネットの対旋律件和音構成員。これは比較的良く聴こえると思います。
  • 5'10’’1stのみ旋律を3rdクラリネット、2ndホルン、1stユーフォニアムと共に担当。

そもそも、技術的というよりも解釈上の難易度が高いのと、キャッチ―な曲ではないため、「うーん」と思われるかもしれませんが、騙されたと思って取り組んでみていただきたいです。

ファゴットのみならず、様々な点で今流行っている楽曲と全く様相の異なる曲だと思います。

hid.shop-pro.jp

 

 

蛇足「英語圏でファゴットはご注意」

ファゴットのことを英語では"Bassoon"と言いますので、ご注意。違う意味のしかも、蔑称になってしまいます。というのは結構有名なお話…

 

 

壮大なファゴット愛の記事

はい、文字数をカウントしてみたら、今まででダントツの記事となってしまいました。それだけファゴットという楽器を愛しているということです。吹いたことのもないのにね…

あー、チャイコフスキーのように使えるようになりたい…

 

 

 

 

関連記事

吹奏楽におけるコントラバスについて、アレンジャー目線で必要性を説いています。

www.petit-orchestra.jp

 

ティンパニの楽器法について、失敗談込みで語っています。

www.petit-orchestra.jp

 

作曲・編曲作品一覧

作曲・編曲作品一覧

この記事は適宜成長していく記事です。

 

楽曲が増えたり、新しく記事を書くなりしたときに、内容が充実していく記事です。創作頑張ろう!

表のサイズの問題で、「作曲年度」や「初演情報」など捨てた情報がいくつかありますが、タイトルのリンクである詳細記事の方には随時、追記していきたいと思います。

なお、作品番号はおおよそ作曲年度とリンクしています。

作品番号16あたりは2005年以前、18は2010前後、21~24は2011、25~31は2012、32~41は2013、42~50は2014、51~57は2015、58は2016、59は2017、60は2018と言った感じです。(ただし、aとかbとかついているのは後から追加したものです)

蛇足ですが…番号を付与したものの破棄したに等しいものもあったり、なかったり…

作品番号なんて、誰得情報ですが、自分の記録用でもあるので、よいのです!

 

はい、古い曲からさかのぼって聞き比べていただけたら、作風の変化(変わってなかったりして…)がわかるかも???

 

良いものになりますように。

 

 

記事があるものについては、タイトルをクリックするとリンク先に跳べるようになっています。

 

作曲作品一覧

タイトル 作品番号 編成 音源
行進曲「遊園地にて」 1  吹奏楽   
レスター序曲 2-1  吹奏楽   
?序曲 2-2  吹奏楽   
2つのワルツ 3 オーケストラ  
2つのワルツ 4 オーケストラ  

ピアノ協奏曲 第一番 ハ短調

(破棄したいかも…)

5 独奏ピアノとオーケストラ  
弦楽四重奏曲 ニ長調 6 弦楽四重奏 Niconico
ピアノ協奏曲 第二番 ホ短調 7 独奏ピアノとオーケストラ  
組曲「ヘンゼルとグレーテル」  8 オーケストラ Niconico
木管五重奏曲ホ短調 9 木管五重奏

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube

セレナード第1番 イ長調  10 弦楽オーケストラ  
序曲 第3番 ヘ短調  11 吹奏楽  
セレナード第2番 変ロ長調  12 木管11重奏 Niconico
セレナード第2番 変ロ長調  12a 吹奏楽

Youtube

Youtube

Youtube

セレナード第2番 変ロ長調 

12b 木管八重奏  
序曲第4番 ヘ長調  13 金管八重奏とティンパニ Niconico
セレナード第3番 ホ短調  14 弦楽オーケストラ

Niconico

Niconico

Niconico

Niconico

セレナード第4番 変ホ長調  15 木管八重奏

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube 

タイトル 作品番号 編成 音源

バイオリン協奏曲 二長調

(未完)

16  独奏バイオリンとオーケストラ 

Youtube

Niconico 

スラブ風組曲    吹奏楽  Youtube 
廃墟の夜の物語 17  吹奏楽  Niconico 
行進曲    吹奏楽  Niconico 
行進曲「船出」    吹奏楽  Niconico 
小品集  18     
ある冬の日に  18-1  フルート、ファゴット、バイオリン、ピアノ Youtube 
春風  18-2  2フルート、2ファゴット、ピアノ  Youtube 
新しい道  18-3  オーボエ、2バイオリン、ヴィオラ、ピアノ  Youtube 
新しい道     バンド編成(J-Pop)  Youtube 
スケルツォ 変ホ長調  19  クラリネット6重奏  Youtube 
2本のオーボエとピアノのためのメヌエット  20  2オーボ、ピアノ Youtube 
ピアノ五重奏曲 ホ短調  21  ピアノ五重奏  Vimeo 
青い鳥  Uccello Blu 22   フルート、バイオリン、ピアノ Youtube 
ひまわり畑にて  23  フルート、クラリネット  
ひまわり畑にて   23a  フルート、クラリネット、ピアノ Youtube 
2つの夜想曲  24  バイオリン、チェロ  
幽霊の行進    吹奏楽  
ロイヤルパレード  25  金管八重奏とティンパニ  
回転木馬  26  クラリネット四重奏  Youtube 
コロポックルのダンスパーティー  27  フルート三重奏   
Sketch for Mozart  28  クラリネット三重奏   
Leaf Dance  29  サックス三重奏   
序曲「絵本の中の冒険」  30  吹奏楽   
銀雪を駆けて  31  フルート三重奏  Youtube 
冒険の夢 32  英国式金管バンド   
ホルン三重奏のための小品   33  ホルン三重奏  Youtube
小さな祭り  34  クラリネット四重奏   
草原に吹く風  35  フルート三重奏   
旅路  36  サックス三重奏   
クラリネット四重奏のための小組曲  37  クラリネット四重奏  Youtube 
小組曲  37a  木管五重奏+ピアノ  Youtube 
タランテラ  38  金管八重奏  Youtube 
舞い散る雪  39  フルート三重奏  Youtube 
黄昏のワルツ  40  サックス四重奏  Youtube 
収穫祭 41 吹奏楽  Youtube 
ふゆの猫  42  3フルートとピアノ  
雪の精の踊り  43  フルート三重奏  Youtube 
ギャロップ  44  クラリネット四重奏  Youtube 
45  サックス三重奏  Youtube  
雨  45a  木管五重奏  Youtube  
雨  45b  木管三重奏  Youtube 
行列  46  金管六重奏  Youtube 
クラリネット三重奏のための3つの小品  47  クラリネット三重奏  Youtube 
3つの小品   47a  木管五重奏とピアノ Youtube 
3つの小品   47b  吹奏楽  Youtube 
3つの小品   47c  木管五重奏~八重奏  Youtube
秋声  48  サックス四重奏  Youtube 
金管三重奏曲  49  金管三重奏 

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube 

夏の音  50  吹奏楽  Youtube 
海神のいぶき  51  金管バンド  Youtube 
フルート三重奏のためのソナチネ  52  フルート三重奏  Youtube 
サックス四重奏のための組曲「盆栽」 53  サックス四重奏 

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube 

ディベルティメント  54  金管八重奏 

Youtube

Youtube

Youtube

Youtube 

ディベルティメント  54a  吹奏楽   
ジャグラー  55  サックス三重奏  Youtube 
古典的な小品    クラリネット三重奏  Youtube 
小さな変奏曲    自由編成三重奏 

Youtube

Youtube

Youtube 

宮殿のオートマタ土の妖精  56  打楽器三重奏  Youtube 
吹奏楽のための小舞曲  57  吹奏楽   
交響的小品  58  吹奏楽  Youtube 
緋衣草  59  フリューゲルホルンとピアノ

Youtube

Youtube

舞踏祭への前奏曲  60  吹奏楽  Youtube 
舞踏祭への前奏曲 60a 

ピアノソロ

ピアノ連弾

Youtube

Youtube

思い出の回廊    ユーフォニアムetcソロ Youtube 
木漏れ日の日々    コントラバスetcソロ

Youtube

Youtube

君と僕をつなぐ歌    女声二部合唱 Youtube 
For a Special Pair    バンド編成(J-Pop)  Youtube 
君へ...    バンド編成(J-Pop) 

Youtube

Youtube 

スクランブル    バンド編成(J-Pop) 

Youtube

Youtube 

飛べ!   ゲーム音楽風 DTM  Niconico 

 

主な編曲作品

以下、未整理。随時更新予定

オーケストラアレンジ

ファザナドゥ・メドレー  YOUTUBE

木管楽器とピアノによるアレンジ

クリスマス・ソング・メドレー 2009冬 ちょっと変えたものをHID楽譜出版で売ってる
ジブリ・メドレー 2011春 HID楽譜出版
スーパーマリオ・メドレー 2011 春
ドビュッシー 小組曲 2011冬 petit-orchestra
ディズニー・メドレー 2012 春
日本の唱歌・童謡メドレー 2013/3
花のワルツ(チャイコフスキー)

ラプソディ・イン・ブルー

 

その他室内楽作品 

<<その他室内楽>>
スペシャル・ウェディング・メドレー(1Ob,4Vn,1Pf) 2011
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ(1Ob,1Cl,1Hr,1Bn,1Pf) 2011 冬
ジブリメドレー(1Vn,1Va,1Vc,1Pf) 2011 冬
レクイエム/フォーレ(2Fl,2Ob,2Cl(inBb),2Hr,2Bn) 2011?-2012 petit-orchestra
Eyes On Me -FF8より- (2Vn,1Va,1Vc) 2012 5
仲間を求めて -FF6より- (2Vn,1Va,1Vc) 2012 5
ビッグブリッジの死闘 -FF5より- (2Vn,1Va,1Vc) 2012 5
月と花のメドレー(3Vn,1Pf) 2012/2-3
サックス五重奏 チョコレート(チャイコフスキー)
サックス五重奏 トレパック(チャイコフスキー)
木管五重奏 チョコレート(チャイコフスキー)
クラリネット五重奏 チョコレート(チャイコフスキー)
クラリネット五重奏 トレパック(チャイコフスキー)

吹奏楽

バレエ音楽「くるみ割り人形」2010-2011 Music Bells
序曲(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Pf,Tri)
冬の松林(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Cymb)
ディベルティスマン
チョコレート(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Cas)
コーヒー(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tb,1Pf,Tamb)
トレパック(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Tamb)
ジゴーニュ小母さんとピエロ(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Tamb,Tri)
花のワルツ(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Tri)
終幕のワルツとアポテオーズ(1Fl,1Ob,1Cl,1Bn,2Hr,1Tp,1Tb,1Pf,Timp,Cymb,BD)
ヴァリアブルコンサートバンドシリーズ 
(4名~12名以上での任意の組み合わせで演奏ができる吹奏楽、アンサンブル曲集) HID楽譜出版
愛の喜びは 2012
仰げば尊し 2012-2013
家路 2012-2013
いつくしみ深き友なるイエスは 2012
大きな古時計 2012-2013
フニクリ・フニクラ 2012-2013
アイーダより凱旋行進曲 2012-2013
帰れソレントへ 2012-2013
音楽に寄せて 2012-2013
カロ・ミオ・ベン 2012-2013
椿姫より乾杯の歌 2012-2013
きよしこの夜 2012
クラリネットを壊しちゃった 2012-2013
幸せなら手をたたこう 2012-2013
ハッピーバースデー・トゥー・ユー 2012-2013
もろびとこぞりて 2012
威風堂々第一番 2012-2013
ディベルティメント(ハイドン) 第6番 2013
魔笛序曲(モーツァルト) ティーダ出版
運命の力序曲(ベルディ) HID楽譜出版
フィンランディア(シベリウス) HID楽譜出版
エンターティナー(ジョプリン) HID楽譜出版
亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)HID楽譜出版

金管バンド

どんなときも(作曲:槇原敬之) 2012 夏 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
卒業写真(作曲:荒井由実) 2012 夏 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
遠く遠く(作曲:槇原敬之) 2012 夏 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
桜坂(作曲:福山雅治) 2012 夏 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
Jupiter(作曲:ホルスト) 2012 夏 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
クリスマスパーティー 2012/8 - 9/4 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
旅立ちの日に 2012 冬 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
翼をください     2012 冬 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
勇者は帰りて(得賞歌) 2012 冬 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
仰げば尊し 2012 冬 ティーダ出版(コラージュ音楽出版)
ディベルティメント(ハイドン) 2013/3/11-3/12 ティーダ出版
家路(ドヴォルザーク) 2014 ティーダ出版
ショパン on Brass ティーダ出版
チャイコフスキー on Brass ティーダ出版
空も飛べるはず ティーダ出版
庭の千草 ティーダ出版
We're All Alone(ボブ・スキャッグズ) ティーダ出版
カエルの歌変奏曲 2018  ティーダ出版

 

小学校器楽合奏(リード合奏)

威風堂々第一番 2012-2013 HID楽譜出版
トルコ行進曲 変ロ長調 2014 HID楽譜出版
トルコ行進曲 ハ長調版 2014 HID楽譜出版
ハンガリー舞曲第五番 2014 HID楽譜出版
おもちゃの兵隊の行進 HID楽譜出版
君が代 HID楽譜出版
仰げば尊し HID楽譜出版
勝利をたたえる歌 HID楽譜出版
デンマーク王子の行進 HID楽譜出版

選曲お役立ち情報 小吹奏楽のためのくるみ割り人形

 以前に極小編成吹奏楽部への味方として、10人で吹奏楽「くるみ割り人形」のアレンジをご紹介いたしました。

www.petit-orchestra.jp

 

今回は、選曲目線で情報を提供したいと思います。編成、難易度、指揮者が必要か?など。お役立ち情報満載です。 

 

  

選曲お役立ち情報 小吹奏楽のためのくるみ割り人形 

ミュージック・ベルズで販売しております小吹奏楽とピアノのためのくるみ割り人形について、ご紹介いたします。
この作品は、2011/2/20に三鷹芸術文化センター 風のホールで開催されました、クレセントフィルハーモニー管弦楽団、第18回定期演奏会のために編曲したものです。
曲集は、時間の都合で演奏されなかった「終幕のワルツとアポテオーズ」を含め、次の8曲で構成されています。
 

小吹奏楽とピアノのためのくるみ割り人形 作品一覧

リンクをクリックすると、ブログ内にある各曲の詳細説明ページに移ります。


クレセントフィルでの演奏はYOUTUBEで公開されております。ここまででご興味がおありの方は、演奏会の模様の動画一覧のリンクをクリックしてみてください。小序曲~花のワルツまで続けてご視聴できます。

www.youtube.com

さて、ここから曲集全体に関する説明をしたいと思います。

 

基本情報(拍子、調性、演奏時間など)

選曲の際に役に立つと思われる情報を記載したいと思います。

 

 

楽曲の情報
曲名 拍子 調号の数 主な調性 演奏時間
小序曲 2/4 ♭×2 変ロ長調、ヘ長調 3分
冬の松林 3/4 なし ハ長調 3分
スペインの踊り 3/4 ♭×3 変ホ長調 1分
アラビアの踊り 3/8 ♭×2 ト短調、ト長調 3分
トレパック 2/4 ♯×1 ト長調、ニ長調 1分
ジゴーニュおばさんとピエロ 2/4,6/8 ♯×3 イ長調、ホ長調 3分
花のワルツ 3/4 ♯×2 ニ長調、ト長調、ロ短調、変ロ長調 7分
終幕のワルツ 3/4 ♭×2 変ロ長調、変ホ長調、ニ長調、ト長調 5分



楽器編成

小吹奏楽と謳っている通り、どの曲も12名以内で演奏することが出来ます。
大きめな管打混合アンサンブルと考えてもいいかもしれません。

次の表は曲毎の楽器編成を一覧にしたものです。ホルンはすべてin F、トランペットはすべてin Bbです。

曲毎の使用楽器一覧
曲名

Fl,

Hr

12,

Pf

Ob Cl Bn Tp Tb Per
小序曲

*1

B♭

*3

*4

-

1名

Tri.

冬の松林

*1

B♭

*3

*5

B*6

2名

Timp.

Cym.

スペインの踊り

*2

B♭

*3

*5

Tor

B*7

2名

Cas.

Timp.

アラビアの踊り

*2

B♭

*3

*5

-

Tor

B*7

1名

Tamb.

トレパック

*2

A

*3

*5

B*6

2名

Tamb.

Timp.

ジゴーニュおばさんとピエロ

*1

A

*3

*5

Tor

B*7

3名

Tamb.

Timp.

Tri.

花のワルツ

*1

A

*3

*5

B*6

2名

Timp.

Tri.

終幕のワルツ

*1

B♭

*3

*5

B*6

3名

Timp.

B.D.

Cym.


*1 Cl.in Bb or Fl.でも演奏可能

*2 Cl.in Bbで演奏可能

括弧でくくられた楽器名は、代替可能な楽器。
*3 B♭=B管、A=A管(ただし、B♭で代替可)

*4 Cl.in Bb or B.Clで演奏可能

*5 B.Clで演奏可能
*6 B=Bass Trombone、Tenor Bassでも代替可。ただし、Low Hが出てくることがあるため、その場合は口で調節して音を出す必要がある。出せない場合は、一オクターブ上吹くことも可能(楽譜には豆符あり)。

*7 TorB = Tenor TromboneでもBass Tromboneでも演奏可能

ダブルリードの楽譜には代替楽器で演奏可能な譜面を用意しており、メンバーにダブルリードが居なくても、演奏可能です。
たとえば、次のような編成でも演奏することが出来ます。


ダブルリードなしで演奏可能な編成(全曲共通でこの編成で演奏可能です)

  • 1フルート
  • 2クラリネット in Bb
  • 1バスクラリネット in Bb
  • 2ホルン in F
  • 1トランペット in Bb
  • 1バス(テナーバス)トロンボーン、(4番ピストン付きのユーフォニウム)
  • ピアノ
  • パーカッション奏者3名

また、セットには含まれておりませんが、ホルンの代わりにサックスで演奏することもできます。1st ホルンはアルトサックスおよびテナーサックスで、2ndホルンはテナーサックスで演奏可能な音域です。ただし、低音が多く使われるので、難易度は高いです。

使用音域について知りたい方は、下記「難易度」セクションの表をご覧ください。


楽曲ごとの難易度

最初に、次の表をご覧ください。曲毎、楽器毎の最低音最高音とティンパニで使用する音を一覧にしたものです。


フルートオーボエの最低・最高音
曲名 Flute Oboe
最低音 最高音 最低音 最高音
小序曲 F4

Bb

6

F4

Eb

6

冬の松林 C4 C7 C4 C6
チョコレート

Bb

4

Bb

6

C♯

4

F5
コーヒー C4 G6 G4 G5
トレパック D4 G6 B3 G5

ジゴーニュおばさんと

ピエロ

C♯

4

A6 C4 D6
花のワルツ

C♯

4

Bb

6

C4 D6
終幕のワルツ C4 C7

Bb

3

*5

D6
クラリネットファゴットの最低・最高音
曲名 Clarinet Bn
最低音 最高音

最低音

最高音

記音

*1

実音 記音 実音
小序曲 ソ3 F3 ミ6 D6 F3 B4
冬の松林 ファ♯3 E3

ファ

♯6

E6

Bb

1

A4
チョコレート ファ3 Eb3 ド6

Bb

5

Bb

2

Bb

4

コーヒー ミ3 D3 ラ5 G5 D3 B4
トレパック

ファ3

*2

D3

ミb

6

*2

C6 B1 G4

ジゴーニュおばさんと

ピエロ

ミ3*2

C♯3

*3

ド6

*2

A5 B1 A4
花のワルツ ミ3*2

C♯3

*3

レ6

*2

B5

Bb

1

B4
終幕のワルツ ソ3 F3 ミ6 D6

Bb

1

Bb

4



ホルンの低・最高音
曲名 Horn 1 Horn 2
最低音 最高音 最低音 最高音
記音 実音 記音 実音 記音 実音 記音 実音
小序曲 レ4 G3 ソ5 C5 レ3 G3 ソ5 C5
冬の松林 ド4 F3 ソ5 C5 ラ2 D3 ソ5 C5
チョコレート ファ4

Bb

3

ミb5

Ab

4

ファ3

Bb

2

ソ4 C4
コーヒー レ4 G3 ラ4 D4 ファ3

Bb

2

ソ4 C4
トレパック ミ4 A3 ソ5 C5 ソ2 C3 ラ4 D4

ジゴーニュ

おばさんとピエロ

シ3 E3 ファ♯5 B4 ミ2 A2 ミ5 A4
花のワルツ

シ3

(ソ♯3)

*4

E3

(C♯

3)

*4

ファ♯5 B4 ミ2 A2 ミ5 A4
終幕のワルツ ラ3 D3 ソ5 C5 ミ2 A2 レ5 G4
トランペット、トロンボーンの最低・最高音
曲名 Trumpet Trombone
最低音 最高音 最低音 最高音
記音 実音 記音 実音
小序曲 シ3 A3 ソ5 F5 - -
冬の松林 シ3 A3 シb5 Ab5 A♯1 D4
チョコレート ド4 Bb3 ド6 Bb5 Bb2 Ab3
コーヒー - - - - G2 B3
トレパック レ♯4 C♯4 ラ5 G5 D2 D4

ジゴーニュ

おばさんとピエロ

ファ♯4 E4 ソ♯5 F♯5 E2 E4
花のワルツ シ3 A3 シ5 A5 D2 E4
終幕のワルツ シ3 A3 ラ5 G5 Bb1 F4



*1 混乱を避けるため、記音は音名ではなく、階名に数値を記して表記している。(ド→C、レ→D、ミ→E、ファ→F、ソ→G、ラ→A、シ→Bで読んでください)
*2 A管
*3 B管で演奏する場合の最低音はD
*4 クラリネットがB管の場合、クラリネットB管で出せない音があるため、ホルンで代奏する必要があり、代奏の有無によって最低音が変わる。
*5 フルートで代奏する場合は、Bb音は演奏しなくてよい。


ティンパニで使用する音の一覧
曲名 Timpani
使用する音
小序曲 -
冬の松林 G2, A2, B2, C3, E3*1
チョコレート Bb2, Eb3, F3
コーヒー -
トレパック G2, C3, D3
ジゴーニュおばさんとピエロ A2, B2, E3
花のワルツ A2, C3, D3, E3*2
終幕のワルツ F2, Bb2, C3, D3, Eb3*3


*1 4台で演奏可能。 チューニングの変更はB2→A2を想定。チューニング変更に使える時間は30秒程度(3/4、4分音符=72、休みが13小節)。
*2 3台で演奏することも可能。チューニングの変更は、D3→C3およびC3→D3を想定。チューニング変更に使える時間はそれぞれ10秒前後。
*3 4台で演奏することも可能であるが、チューニングの変更を頻繁に、演奏しながら、短時間でこなす必要がある。チューニングの変更はD3→Eb3およびEb3→D3を想定。4台しか用意できず、かつチューニング変更が難しい場合、D3をBb2で演奏することも可能。

音名対照表


NoteName.jpg

この表を見ればわかっていただけると思いますが、どの楽器も広い音域が使われています。「広い音域」以外にも、「難しいパッセージ」、「♯」などの理由により難易度は高めです。
また、これらわかりやすい難易度の指標以外にも、少人数故の難しさもあります。「体力面」、「ごまかしが効かない(大編成の場合は、多少のミスがあってもそれなりに聴けるレベルになることが多いです)」、「各楽器の役割が大きい故のプレッシャー」など、難しい要素がたくさんあります。

しかし、裏を返せば、それだけやりがいがあるということです。
やりこめば、練習・演奏会を通して、楽しめる曲集だと思います。
また、小編成ではありますが、重厚な響きを意識して編曲しましたので、「小編成でもこんなに厚い響きが出せるんだぞ!」とバンドの底力を見せることもできるのではないでしょうか?


指揮者が必要か否か?

指揮者不在でも演奏可能です。
クレセントフィルハーモニー管弦楽団で演奏した際には、指揮者を立てませんでした。

音源は多少乱れておりますが、十分に練習を積まれた方たちならば、この比ではなく素晴らしい演奏ができることと思います。


その他ご提案

この曲集は、1曲ずつ購入することが出来ます。

そのため、次のようなことも出来ます。


オリジナルの編成でA管クラリネットを使わない曲のみを集めたもの

リンクをクリックすると、ミュージックベルズのページに移動します。
A管が必要な曲を避けることも可能です。
また、曲の順番を入れ替え、壮大な「冬の松林」を後半に持ってきても面白いかもしれません。

是非、ご購入をご検討ください。


ここに書かれた情報以外にも、「こんなことが知りたい」「質問がある」という方は、お気軽にメッセージをください。出来る限りご返答いたします。

 

関連記事

このアレンジを含む、小編成対応の楽譜をご紹介。なんと4名から演奏可能なものも含まれています。

www.petit-orchestra.jp

「海神のいぶき」小学校バンドフェスティバルでいいとこ狙えるかも?

第37回 全日本小学校バンドフェスティバルにて、どうやら拙作が演奏された模様です。

ということで、小学校金管奏者のみなさん、そして指導者の先生方、是非ご一考くださいませ。

 

f:id:ilyich888:20190528203614j:plain

 

 

「海神のいぶき」小学校バンドフェスティバル

全国大会で演奏されるとは本当に名誉です。

第37回全日本小学校バンドフェスティバル 高松市立多肥小学校さん

www.ajba.or.jp

全国大会に参加された高松市立多肥小学校さんが演奏された楽曲です。

上のリンクだと曲目はわからないのですが、下のリンクには曲目が書かれております。

www.musicabella.jp

こちらの情報からですと、県大会までの情報しかありませんが、通常その年度を通して曲を変えるということはないので、全国大会まで演奏してくれたものと思います。

 

何度かご紹介しておりますが、こちらの曲です。

www.youtube.com

 

こちらの記事ではもう少し詳細に解説しております。

www.petit-orchestra.jp

 

 

 

全国大会で演奏されるのは嬉しい

いや、しかし、取り上げてもらえるだけでもうれしいのに、それが全国大会でも演奏されたとなると、ひとしおです。

 

というのも、「全国大会でも通用する曲なんだ」と思える、自信につながる。というのが嬉しいです。

もちろん、大会の規模や結果と曲目の価値が必ずしもリンクするわけではないのだけれども、だけれども…です。

 

ということで、ここの所なんか疲れ気味で手抜き気味…

 

蛇足:実演音源増えました!「夏の音」

あい、GREEEENさんのではありません。

もっと、民族音楽っぽく、日本音楽っぽくな感じです。

こちら、出版社さんから実演撮りますよ~。と言われておりまして、「いつかな?いつかな?」と期待していたものです。

公開されました。

www.youtube.com

はい、実演いいですね…

機械では出せない味。

 

マメ知識「トランペットで一番高い音が出てくるのは3rd」

はい、私こういうことをごくまれにしてしまいます。前に4thトランペットが一番高い音を演奏するという曲も作りました。

と言いますのも、この曲の3番トランペットは誤解を恐れずに言えば「派手担当」だからです。Optionalパートとして設定してありまして、3番トランペットがなくても成立するのですが、入れるともっと魅力的に!という役割です。

無くてもいい割に、入れると美味しい(しかも、めっちゃ目立つ)。というものです。

この音源で、たくさん聴こえてくるトランペットの高音は主に3番です。

 

ということで、こちらもいかがでしょうか?

 

関連記事

少人数バンドへの救済策!? チャイコフスキーのくるみ割り人形のアレンジです。

www.petit-orchestra.jp

 

コンクールでお勧めの楽曲をまとめたものです。小編成バンドへのおすすめラインナップです。

www.petit-orchestra.jp

懐かしの曲「栄光のすべてに 」

きゃー、日頃の疲れと夜の練習(市長からはまだ返事きませんねぇ)などで、サボってしまいました…

生きてます。

また、なるべく頻繁に更新して行こうと思いますので、当ブログをどうぞよろしくお願いいたします!

 

さて、たまには、趣向を変えてみようかなと、昔演奏した懐かしの曲をご紹介してみます。

 

栄光のすべてに

J.スウェアリンジェン作曲の「栄光のすべてに」です。

こんな曲

www.youtube.com

懐かしき吹奏楽コンクール

私が中学生くらいの頃、B部門、銅、銀のバンドには大人気(というとアレイメージ悪い?…)な作曲家「スウェアリンジェン」の作品です。

銅、銀の下りですが、曲調がわかりやすくキャッチ―で、難易度もさほど高くなく、かつ長さもちょうど良くというところが、楽器を初めて間もないメンバーの多いバンドにも優しい楽曲が多いので、大人気だったんですよね。

今も人気ありそうだけど、どうなんでしょうか?

 

この曲、中学の吹奏楽コンクールでなんと2回も演奏したんです。

 

たいしてやる気のある部活でもなく、なんらかの部活にはいらねばならないからと入っていた部員も多分多かったからだと思うのですが、あまり選曲を凝るということもなく…

と言った理由で2回も選曲されたという…

 

とはいえ、この曲好きだったんですよね。

単純に綺麗な曲だなと思っておりました。(今も思っております)

クラシックの曲を聞きまくった今聞き返すと、接続部分が(単にフェルマータして休止して場面転換というのとか)単純だなとか、中間部繰り返しが多いな…とは思いますが、同じような形式の楽曲を続けて聴くのではなく、この曲単独で聴く分にはいいんですよね。

 

たしか、5/8とか地味に変拍子が使われていたけれども、スゲー難しいということもなく、でも結構聞き映えするし、当時のB部門の選曲には大変良い曲だったなと思います。(今は、レベルが上がってしまったらしく、もっとテクニカルだったり難解な曲じゃないと上には行けないっぽい?それは高校部門かな???)

 

Ebクラリネットのない編成

Ebクラリネットというと、一番スタンダードな形であろう、Bbクラリネットより完全四度高い音を出すクラリネットです。オーケストラだと、表現手段の一環としてその鋭い音声を使われることが多く、吹奏楽だと高音域の補強のために入れられます。

 

この曲Ebクラリネットが編成に入っていないのですよね。この曲にかかわらず、バーンズのアパラチアン序曲などにも入っていない。

現在は改良が進んでいるかもですが、Ebクラリネットって不安定な楽器だったようなのですよね。ピッチが悪いというかなんというか。しかも、音が鋭いから目立っちゃうの。

そんなこんなで、嫌う作曲家もいるとかいないとか。

アメリカのEbクラがよりイマイチだったという話も嘘か真か聞いたことがございます。

 

私はEbクラリネットの音、案外好きなんですけれども、ここぞというときだけにすべき楽器であります。常に鳴っているとフルートの存在を脅かすというか…

つねにフルートと重ねて使うと、音色がクラリネット一色になっちゃうんですよね。木管のどことってもクラクラクラ…

もう一点、クラリネットのオクターブってものすごく強烈な個性を持っているので、あんまり多用しないほうがいいのではないかというのが持論です。

下のオクターブはサックスやトランペットで薄めることができるかなとは思います。

でも、上のオクターブはフルートを重ねてもEbクラリネットが入っているとクラ感が強烈に出てきます。(しかも、コントロールしないと絶叫系になりがちな、アルティッシモ音域になっていたりするしね…)

 

そういう意味では、最初から編成に入れないというのは案外ありなのかもしれません。

この曲なんか、フルートの良さというか存在意義というか、そういう意味が感じられる、よい塩梅かも。

音量的にEbクラリネットなくて平気なの?という懸念、たしかになくはないですが、確かな腕があれば、第3オクターブのフルートは思いのほかよく聴こえます。

 

ホルン…バランスを取るのが難しいかも?

この曲をうまーく聞かせようとすると案外難しいのが、ホルンとサックスの音量をトロンボーン、トランペットとそろえること。。。でしょうか。とくに同じ金管楽器のホルンですかね。

この曲のホルン、トロンボーンとトランペットの間を埋めるように書かれているところが多くて、「はい、トロンボーン来ましたー、次ホルン…ん?来たか?????、あートランペット来ちゃった!?」

のように聞こえてしまう傾向があります。

というのも、ホルンって演奏難しいんですよね…その割に大事なことをさせられることが多かったりするんだけれども、結構ウィークポイントになっているバンドが多い印象。

 

そんなバンドが多く見受けられる(印象なんですが)、この曲(に、限らずもしかしたらアメリカの作曲家全般かも、バーンズとかもそんなイメージ)そういうバンドにとっては、ハードルが高いかもしれません。

トロンボーンとトランペットと対等に演奏できないとまずい箇所が多いです。

コーダの音階的に駆け上がっていくところなんか、ホルンが弱いと途中が歯抜けになっちゃうんですよね。サックスが強く吹けばサポートできるんだけれども、ホルンが聴こえないと音色的にはやっぱり問題。

 

ひょっとしたら、アメリカのバンドはホルンが結構強いのかもと思いました。

というのも、以前、鴨川市の姉妹都市のバンドが来てくれまして、ジョイントコンサートをやったんですけれども、ホルンが爆音だったんですよね。

1stホルンがとても上手でしたが、屈強そうなお姉さんでした。

これは、体格的な問題もあるのかもしれません。

 

金管楽器で一番大きな音が出るのはホルンとトロンボーンらしいという話を聞いたことがありますし、実際ホルンってとんでもない音がでるんです。

 

ただ、中高生がその音を鳴らせるかと言ったら、うーん、かなり難しいのかもしれません。

 

CD

この曲大好きでCDが欲しい…とずっと思っていたんですけれども、当時の片田舎在住の中学生にはなかなか難しゅうございました。

ネット通販もなかったし、取り寄せできないか問い合わせした気もしますが、それもできなかったような気がいたします。

 

 このCDたしか学校にあったんですけどね…

栄光の全てに:ジェームス・スウェアリンジェン作品集 In All Its Glory: The Music Of James Swearingen

栄光の全てに:ジェームス・スウェアリンジェン作品集 In All Its Glory: The Music Of James Swearingen

  • アーティスト: ジェームス・スウェアリンジェン,エドワード・ピーターセン,ワシントン・ウィンズ
  • 出版社/メーカー: Walking Frog Records
  • 発売日: 2000/01/01
  • メディア: CD
  • クリック: 6回
  • この商品を含むブログを見る
 

 どこで買えますか?って顧問に聞けばよかった。でも、ちょっと怖かったので、聞けなかったの(苦笑)

小編成楽譜 極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法!総集編…

本日は件名の通り、まとめてみます!吹奏楽コンクールの勝負曲、まだまだ間に合いますよ!

 

 

吹奏楽 小編成楽譜のすすめ

極小編成吹奏楽部がコンクールで成功する方法!

まず小さいものから順にご紹介してみようと思います。

4名~

バリアブルコンサートバンドシリーズ

www.petit-orchestra.jp

4名~中編成まで対応した、しかも究極のフレキシブル編成です!その実態はカメレオンとでも言いましょうか。

最少の4名も様々な編成に対応!例えばクラ二本とトロンボーン二本なんて編成でも演奏できちゃいます。

 

お勧め楽曲!

ハイドンのディベルティメント 4楽章構成なので、複数楽章から抜粋することも可能です。

hid.shop-pro.jp

 

第一楽章が音楽的に豊富な要素を含んでいてお勧めです。

 

4名のサンプル音源

www.youtube.com

こちら、トランペット×2(or トランペット、ホルン)、トロンボーン、チューバ想定の編成ですが、アルトサックス×2、テナーサックス、バリトンサックスでも可能ですし、高音のみのクラリネット×4やフルート、クラリネット×3、クラリネットの代わりにあるとサックスをあてがった編成にも対応しております。

 

フルバンドのサンプル音源

www.youtube.com

全17パートの音源、もちろん、17名以上でも演奏可能です。

 

このシリーズはこの4名からフルバンドの中から特定のルール(ベースをそれ以上のパートより上にしないようにする)を守ってもらえれば、任意に人数の増減が可能な譜面になっております。

 

途中で人数の増減が合っても、使えます。

30以上の楽曲が登録されておりますので、お好きなものをお選びいただければと思います。

 

(9)10人~

 10人でくるみ割り人形シリーズ!

www.petit-orchestra.jp

変則アンサンブルによる、くるみ割り人形の譜面です。

フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、2ホルン、トランペット、バストロンボーン、ピアノ、打楽器が基本編成で、オーボエの代わりにフルートやクラリネット、ファゴットの代わりにバスクラリネット(時々クラリネット)などで、演奏が可能です。

移調すれば、ホルンパートをサックスで演奏することも可能です。

小序曲は9名で演奏可能。

半分くらいの曲は打楽器がもう二人いると全パート埋まります(なくてもおかしくはないです)。

 

また、トレパックを7名で演奏し、コンクールに出場された学校もあります。

 

13名~

HID楽譜出版で取り扱っている楽譜はバリアブルコンサートバンドシリーズ以外にも小編成に対応した楽譜を多く扱っております。

hid.shop-pro.jp

 

特に、この3つの小品は13名でも演奏可能です。

hid.shop-pro.jp

 

13名での演奏のサンプル音源

www.youtube.com

フルート、クラリネット×2、バスクラリネット、アルトサックス、テナーサックス、トランペット×2、ホルン、トロンボーン×2、ユーフォニアム、チューバ、ティンパニの13名での演奏を想定しています。

 

フルバンドの演奏

www.youtube.com

13名に、1名か2名打楽器を足すだけでも豪華になります。

3つの小品とありますとおり、3つのテイストの異なる楽曲からなりますが、フルで演奏しても6分程度で、カットなしでコンクールに使うことができます。

 

 他にも、フィンランディア16名~、運命の力19名~、オリジナル曲セレナード20名~など取り揃えております。

 

13、14名~

夏の音

ティーダ出版さんから販売されております楽曲です。

alicemusic.shop-pro.jp

 

2019/5/28 追記:

実演音源がアップロードされました。

やっぱ、実演とてもよいです(^_^)

www.youtube.com

 

出版社さんで、実音の録音をしてくださる話になっているのですが、ちょっと時間がかかるようなので、自分のソフト音源をアップしちゃいました。

www.youtube.com

フルート、クラリネット×2、アルトサックス、テナーサックス、トランペット×2、ホルン、トロンボーン、ユーフォ、チューバ、打楽器2 or 3が最少編成です。

この楽曲に関しては、このパート以外にフルート2番、バリトンサックス、トランペット3番、ホルン2番、トロンボーン2番3番、ストリングバスパートなどを増やすことが可能です。

トランペット3番を加えると、曲に派手さときらめきを加えることができるというのが一番大きな特徴です。

トランペットパートで一番ハードなのが3番パート…かもしれません。

 

 16名~

モーツァルトの魔笛です。

 少人数こそ映えるかもしれません。

必須パートがフルート2、クラリネット2、バスクラリネット、アルトサックス、テナーサックス、トランペット2、ホルン2、トロンボーン2、ユーフォ、チューバ、ティンパニです。

その他、オーボエ、ファゴット、バリトンサックス、トランペット3番、トロンボーン3番、ストリングベースとなっております。

 

17名~

収穫祭

夏の音同様、ティーダ出版さんから販売されております楽曲です。

alicemusic.shop-pro.jp

www.youtube.com

フルート×2、クラリネット×2、バスクラリネット、アルトサックス、テナーサックス、トランペット×2、ホルン×2、トロンボーン、ユーフォニアム、チューバ、打楽器×3

の17名で演奏可能な楽曲です。

 

この楽曲について、パート数はこれ以上は増えません。

 

アマゾンでも買えるようです!

 

関連記事

アレンジすることで、吹奏楽編成にも対応可能です。

www.petit-orchestra.jp

 

打って変わって、大編成の渾身の一作

www.petit-orchestra.jp

 

 

選択肢いろいろです!