創作の最初は「模倣」だそうですね。私も模倣の積み重ねでした。最近の曲には少しでもオリジナリティが出てきていたらいいのですが…
感動する出会いがあると、真似をしてみたくなりませんか?本日はそんなきっかけで作った楽曲をご紹介いたします。
モーツァルトっぽい曲を作ってみたくて クラリネット3重奏”Skecth for Mozart”
演奏動画
まずは、音源をお聴きくださいませ。
タイトルにもありますとおり、モーツァルトのような明るく、軽快で、楽しい楽曲を目指して作りました。また、クラリネットの明るく軽い音性に合った楽曲になっていると思います。
作曲の動機 モーツァルトっぽい曲を作ってみたくて…
ずばり、その通りなのですが、もっと具体的にはこの曲に影響を受けたのでした。
5つのディヴェルティメント第四番より「ロンド」です。
何かのバラエティ番組で流れていたように思います。
実を言うと、私は、モーツァルトがそんなに好きというわけでもないのですが(なんかちょっと軽い気がして…ホルン協奏曲は好きなんですが…)、でもこの曲をたしか、どなたかの結婚披露宴でお聞きしたときに、甚く感銘を受けたのです。
結婚披露の場で、楽曲に感銘を受けるなんて、ちょっとずれてるんじゃないの?ってそこは置いておいてください。
何に、感動したのかというと、3本で完璧な和声が成り立っているんです。4本でも、細かいところを機にしようとすると案外難しいのですが、そこからさらに1本引くわけです。
これで、「各声部の動きに違和感がなく」「和声的に違和感なく」「スームースな流れで」というすべてが見事に達成されている様子を見て、あぁあ、玄人の仕事とはこういうことなんだな…と思ったのでした。
3重奏にしてしまうと割とありがちな、「意図せぬ3音抜け」や「フレーズ終わりでの予期せぬ空虚五度(いやぁ、でも気持ちはすごーくわかるんですよ。もう一音くれ…って)」そういうのがすべて、綺麗にクリアされているんですよね。
フレーズ終わりの空虚五度ってとても違和感があると個人的には思っていて、でも前後の形を考えると、もしかしたらこうせざるを得ないのかな…と思っていたこともあったのですが…いやいやいや、「根音のみにしてしまえばよい」ということに、これを聞いて気づかされたのでした。
さてさてさて、そんな作品に触れてしまったらば、自分も作ってみたくなるのが心情ってもんではないでしょうか?
楽曲解説
ということでできましたこちらの楽曲でございます。基本情報としましては、4分の4拍子、変ロ長調、ソナタ形式の楽曲となっております。The古典の楽曲という印象です。
曲調も心なしか、モーツァルトっぽい明るい軽い感じになっているのではないかと思います。
主題操作に関しましては、「ゆるめ」でも「確かに」…といった感じです。
ソナタ形式ってこんな感じ「ふーん」と慣れ親しむにな良いサンプルかなと思います。
古典~ロマン派で流行った形式なので、現代吹奏楽曲では案外出てこない楽式*1にふれるいい機会になるのではないか?と考えております。
技術的には、さほど難しくもなく、初級を脱出する程度~中級程度の人に向いている曲ではないかなと思います。
パート毎に使用する音域が大分異なっておりますので、演奏する側はむしろその特性を逆手にとって、得意な音域や役割でパート振り分けをするとうまく行くのではないかと思います。
1stは音域高め・旋律多め、2ndは音域中庸・内声担当多め、3rdは音域低め・ベースライン担当多め。です。
CD
こちら、アンサンブル曲集といった形で、CDが販売されています。この曲が含まれますVol.1はフルートアンサンブルおよびクラリネットアンサンブルが収録されておりまして、実は拙作のクラリネットアンサンブル曲が3曲収録されています。
- 三重奏(Bbクラ三本) この曲
- 四重奏(Bbクラ四本)
- 四重奏(Bbクラ三本、バスクラ)
と各種編成を取り揃えておりますので、アンサンブルコンテストの選曲CDとしてもよいのではないでしょうか?
楽譜入手
ティーダ出版さんで販売されています。
サンプルスコアも覗けます。
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*1:楽曲の形式。二部形式、複合三部形式、ソナタ形式などがあります