実際のコロボックルは結構人々しいのですが…それよりも、もっと可愛らしいイメージ。実は某スクウ〇アのトレージャーハンターが主人公のRPGに出てきたヤツのようなイメージの楽曲です。って言ってわかる人いるのでしょうか…
フルート3重奏 コロボックルのダンスパーティー
演奏音源
商品ページにサンプル音源のリンクが埋め込まれておりますので、ご試聴いただければと思います。
楽曲解説 3つの舞曲からなる作品
コロボックルのダンスパーティーは、3つの舞曲(タランテラ、メヌエット、ポルカ)からなるフルート3重奏の小品です。
3つの楽章を持つ楽曲にも関わらず、5分あまりで全曲を演奏してしまうことができます。
アンサンブルコンテストでは、楽章抜粋か、一部カットをして演奏することができます。
3曲とも舞曲なので、その踊りがどんなものなのか?をイメージして演奏するといいでしょう。
脱線ですが、ダンス曲6つを用いた単一楽章の吹奏楽曲もございます。
第一楽章「タランテラ」
八分の六拍子、ニ長調(♯2つ)、アレグロ・スケルツァンド(Scherzando:おどけての意味)
おおまかに言うと、ABAの3部形式の楽曲です。
以下、譜面をご覧の方へ(リンク先でサンプルを確認できたりはします)
もう少し細かく説明しますと…
- 序奏:1-12小節
- Aa :13-28
- Ab :29-36
- Aa' :37-52
- Bc :53-60
- A'a'': 61-76
この曲の大事な要素は、2つです。
- 1小節のFlute 1stに出てくる1オクターブ跳躍+装飾+八分音符と四分音符のタイの音形
- 13小節のFlute 2ndに出てくるタタタタッタターという音形
ほとんど全てこの動機のみで成り立っています。AとBの違いも微細で。BはAを少し展開させたものに過ぎません。
もう少し解説すると、Flute 1stは1.の要素(序奏の主題)を、Flute 2nd Flute 3rdは2.の要素を担当しています。
この楽曲は臨時記号の付いた音がミソです。低められたミ(Fの音)や、高められたレ(E♯の音)などをうまく処理すると効果的だと思います。
第二楽章「メヌエット」
四分の三拍子、ホ短調(♯1つ)、モデラート
途中から、ホ長調(♯4つ。ただし、調号はかわらない)になります。形式をおおまかにいうと、ABABの2部形式の楽曲です。少し細かく説明してみます。
- A :1-8小節
- B :9-16
- A' :17-24
- B' :25-32
- コーダ:33-39
両方のBへ行く直前に沖縄風の音階が奏されるのが、ちょっとした特徴かもしれません。
AとA'はほとんど変わりはありませんが2点ほど違いがあります。
- アウフタクトの有無。Aの最初にはないが、A'にはある。
- 強弱。Aでmpの部分が、A'ではmeno Pになっていたり、 Aではアクセントがある部分が、A'ではなくなっている。
BとB'は短調、長調の違いが決定的です。(ただし、難易度を下げるため、音域を絞ったので、旋律線が若干異なります)
それぞれの対比をうまく表現するのがいいかと思います。
短調の部分のミソは、導音(D♯)と非導音(D)の違いを意識すると面白いと思います。
第三楽章「ポルカ」
四分の二拍子、ニ長調(♯2つ)、アレグロ・ジョコーソ(giocoso:おどけて、快活に、楽しげにの意味) 個人的にはscherzandoの方に、よりふざけたような意味合いを持たせております。
途中、嬰へ短調(♯3つ。ただし、調号は変わらない)の部分があります。
形式について、ABAの3部形式の楽曲です。
- 序奏a :1-8小節
- 序奏b : 9-12
- Ac :13-28
- Ac' :29-44
- Bd :45-52
- Bd' :53-60
- Be :61-68
- Bf :69-76
- Bg(ブリッジ) :77-92
- Ac :9-12(ダルセーニョ)
- Ac' :13-27(ダルセーニョ)
- コーダh :93-100
- コーダi :101-114
主な動機は3つです。
- 9-10小節のFlute 1stに表れる、8分音符のスタッカートの連打の動き
- 11小節-のFlute 1stに表れる付点8分+16分+8分+8分の動き
- 21小節のFlute 1stに表れる。16分×4+8分×2(タラララタッタッ)という動き。
たとえば、1.の動きは「45小節のFlute 2nd 3rd」2.の動きは「50-51小節、80小節のFlute 2nd」3.の動きは「61-68小節、80小節のFlute 1stの動き」と関連があります。
これ以外にも、大事な動機はあります。たとえば、序奏の動き、69-72、77-88に出てきます。
このように動機を意識して演奏すると面白いと思います。もちろん、これだけにとらわれずに全体の組み立て(どのように聞かせるか)も考えて演奏するとよいのではないかと作者は思います。
難易度
音域をE4-G6に収めており、速いパッセージも避けており、難易度は低めです。グレード3程度でしょう。
ダンス動画を見つけてみた…
タランテラ
メヌエット
ポルカ
楽譜の入手
ティーダ出版さんで販売しております。
関連記事 アンサンブル作品集
同じフルート三重奏の楽曲。こちらは、難易度が少々高めです。
同じ三重奏でも、木管と金管でここまでちがうのか!?