こちらの記事に書いた新曲ですが、完成しました~!
下手くそながら、ピアノと合成した音源も作りまして。現在楽譜校訂をしていただいております。
ということで、さらします。
コントラバスソロ曲「木漏れ日の日々」完成
音源
YOUTUBEに音源をアップしてみましたので、ご一聴いただけたら幸いです。
作曲の動機
こちらにも書きましたが…
一番目の理由は、最低音域を独奏のメインとして使って作曲をしてみたかったからです。挑戦のためですね。
二番目の理由は、レパートリーの拡充の一助になればというものです。コントラバスのソロ作品は他の弦楽器や吹奏楽で使われる多くの管楽器に比べると少ないですね。
また、多くのコントラバスのソロ曲は、普段演奏する音域と比べてかなり高いほうを多用します。どうしても、旋律は中音域以上で書きやすいですからね。
この曲においては、最後にハーモニクスを用いた高音が登場する以外は、普段よく使われる音域に収まっています。
基本情報
4分の2拍子、Andantino(四分音符=69)、ト長調、三部形式の楽曲です。中間部はマイナー調であるものの、主部、再現部はメジャーであり全体を通しては明るめの調性を採用しています。しかし、主調がメジャーである主部、再現部においても、IIのコードやVIのコードを多用しており、底抜けに明るいものではありません。
響きが明るくなったり、暗くなったり、色が移ろいゆく楽曲になっていると思います。
コントラバスの楽曲として、日本ではもしかしたら一番有名かもしれないと思うものに、ドラゴンクエスト4のトルネコのテーマがあります。
こちらから試聴可能です。
単純な旋律ですが、コントラバスの旋律としてとても素晴らしい作品だと思います。
トルネコの音楽はとても明るく朗らかな音楽で、今回作曲したこの作品とは若干テイストが異なります。が、しかし、木漏れ日の日々を作曲するにあたって、この素晴らしい音楽は、常に頭に存在していました。ゲーム音楽であるため、容量の問題等で大変短いものになっています。しかしながら、最低声部であるベースラインに旋律を配置し、全く違和感なく作れているということは、特筆すべき点であると言えると思います。
誤解なきように申し上げますが、最低声部に旋律がある曲はたくさんありますが、主部の間ずっとそうであるという曲はそう多くはありません。
命名について
私にはよくあることで、今回も案の定、作曲する前はおろか大方作り終わってもまだ名前は決まっていませんでした。ただし、漠然としたイメージのようなものはありました。作っている最中に思い浮かべたものは、農夫とその生活みたいなものです。なぜかといいますと、コントラバスの音性で浮かんできたのが、農夫であったためです。
無骨で、不器用で、すばしこさはないけれども、包み込むようなおおらかさと穏やかさ、優しさをもったコントラバスの音が農夫のキャラクターや生活様式に対するイメージとリンクしました。
そう、本当は農夫にちなんだ命名にしたかったのです。
ただ、現代日本において、農夫と言われてもちょっとイメージしづらいかな…と考えやめました。ただし、おおらかさ、穏やかさ、温かさのようなものをイメージできる名前にはしたいと思っておりました。そんなこんなで木漏れ日の日々という名前を付けることとなりました。
このタイトルにつけた「日々」は過去だけを指すものではありません。過去の思い出の日々はもちろんですが、現在今まさに生きている日々、未来への希望を含めた日々、それらすべてをイメージし、言葉に込めています。
このような思いを込めるのは、このご時世だったからなのかもしれません。
演奏難易度については…
やや簡単~中庸くらいにしたいなと思いつつ。
実は、不明であります(汗)
もしかしたら、吹奏楽部向けの方にとっては、かなり経験を積まないと難しいかもしれません。オーケストラでもまれているプレイヤーならば2年目くらいの方でも弾けるかもしれません。
というくらい、合奏体によって求められるレベルが違うと感じています。もちろん、そのバンド、オーケストラで取り組んできた曲によってもレベルは全然違うでしょうし、比べるのは横暴と言えるのかもしれません。
しかし、何らかの指標は必要かなと思います。
ここまでに書いた難易度に関する記述は、あくまで主観での、印象としては…という程度のものと思っていただければ幸いです。
結局、私が弾けないので判断つかないのですけれどもね。
聴いて感じていただけたら幸いです。
ちなみに、最後の音がめちゃくちゃ高いですが、ハーモニクス(フラジオレット)の指定なので、実際はそれほどは難しくないのではと推測しています。
オーケストラのチューニング、Aでチューニングする際に、コントラバス奏者が実際に使っている技法ではないかと思います。
Aでチューニングする際に、A線でDを演奏する部分に軽く触れることによって、A線開放弦の2オクターブ上の音を出すことがあると思います。
それと同じ技法を、D線とG線に担当させています。
記譜上はこんな感じになります。(ちなみに、いくつかある記譜法のうちの1つの例です)
赤線で囲まれた一番したの小さい音符が開放弦を指し示すもの(今回は、D、とG)
真ん中のひし形の音符が軽く触る場所、一番上の音符が実際に出る音を指し示す音符です。
原理としては、弦の特定の部分(1/2,1/3,1/4etc)の部分に軽く触れることで、弦の振動する長さがその分だけ減ります、音の振動数はその逆に増えます(弦の長さが1/2→弦の振動数は2倍、弦の長さが1/3→弦の振動数は3倍といった感じ)。
ある音より1オクターブ高い音の振動数は2倍、2オクターブ高い音の場合は4倍になります。
ということは、弦の全長の1/4の部分に軽く触れると、弦の本来の振動数の4倍(すなわち2オクターブ上の音が)が得られるということになります。
細かいことを書きましたが、要は、超高音を要求されるが、駒の方を抑える必要がなく、普段演奏で使うポジションを使える=難易度が低めである。(はず)
と言いたかったということです。
チューババージョン
実は、チューババージョンもあります。
音源はこちら
Bb管チューバを念頭に作りました。♭系が演奏しやすい楽器ですので、GからFに移調し、音型や音域も多少いじりました。
演奏しやすい調に変更したとはいっても、かなり低い音や高い音も出てきますが、平易にするためのOssiaがついております。
楽曲の最後は、なんとへ音記号の上第2間のFというとんでもない高音が出てきます(もちろんオクターブ下のOssiaがついています)。第12倍音です。吹奏楽のチューバで要求される最高音域のおよそ1オクターブ上の音域で、異常な音域ではありますが、実は私の経験に基づく選択です。
今は、ピアノや木管楽器を演奏していますが、実は、小中でトランペットをやっておりました。もともと金管楽器プレイヤーだったんです。
トランペットについてはハイトーンが苦手でした。
そんなこんなあって、高校でホルンへ移動したのですが、実は入学してすぐのコンクールにおいては、真逆の楽器ともいえるチューバを4か月程度担当していました。
とても人数が少なかったので、初心者だけれども担当させるしかなかったわけですよね。
その時に出た最高音がこの音だったわけです。
もともと、ハイトーンを担当するトランペット吹きだったので、比較的容易にだせただけだと思いますが、出せないことはないということで…
(ちなみに、ペダルトーンのLowBbも出せました)
要求される音量はppでこは正常な精神状態を保っているとは思えない所業とも言えますが、努力目標ということで…
是非お手に取ってみてください
ということで、チャレンジしてくださる皆さんをお待ちしています。
時期に、販売される予定です。
演奏したよ~!というご連絡などいただけると、飛び上がって喜びますので、ご奇特な方がいらっしゃいましたら、是非お手に取ってみてください。
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作品一覧
Stay Home作品第一弾「思い出の回廊」