POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 田丸和弥の音楽日記

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吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み編2

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1月に「序」を書き。www.petit-orchestra.jp

7月に「楽曲の仕組み編1」を書いた交響的小品について。

www.petit-orchestra.jp

 

今回は、楽曲の仕組み編1の続きで、主題操作の様子、展開部を書いてみようと思います。

 

吹奏楽のための交響的小品 主題操作 楽曲の仕組み

動画

仕組みをお話しする前に全曲の様子をお聴きいただけたら幸いです。

www.youtube.com

この記事の各部にもピンポイントで聴けるものを配置してますので、ご興味ある方はご覧ください。

曲中で使っている代表的な主題

曲中で使っている主要なテーマを再掲します。「楽曲の仕組み編1」も併せてご覧ください。

A. 第一主題のテーマ

第一主題のテーマ

第一主題のテーマ

B. 序奏の動機(第二主題のテーマ)

序奏の主要動機

序奏の主要動機

第二主題

第二主題

C. 第一主題中のブリッジの動機

第一主題中のブリッジの動機

第一主題中のブリッジの動機

D. 序奏の動機

序奏の動機

序奏の動機

主題操作とは?

についても「楽曲の仕組み編1」をご覧ください。簡単に言うと、主題をちぎったり、つなげたり、ひっくり返したり、逆から読んだりというような使い方をします。

 

本曲における主題操作 その2 展開部

展開部においては、A.B.C.D. の各部分が相互に複雑に絡み合うため、分けて説明…ではなく、その部分に表れるすべての要素を同時に説明してみようと思います。

 

まずは、導入。序奏そのままの形です。これにより展開部への扉が開かれます。

 

展開部のきっかけの序奏の動機

展開部のきっかけの序奏の動機

 

この譜面は2回目のホルンの物ですが、最初はファゴット(この音源では、2ndファゴットがいないため、ossiaのトロンボーンが聴こえますが)に表れます。

展開部最初の第一主題のテーマ

展開部最初の第一主題のテーマ

図に書いてある通り、付点四分音符のある小節の音をすべて16分音符に置き換えると、第一主題のテーマと近い形になるのがおわかりでしょうか?

 

これも、楽譜の都合で、1回目の1st Hornではなく、2回目のOboeの譜面をば。

 

展開部に表れる第一主題のテーマ2

展開部に表れる第一主題のテーマ2

コメントの通り、青〇で囲ったところのみ、ちょっと間隔があいてしまうのですが、音程の関係だけ見ると第一主題のテーマになっているのがお分かりでしょうか?

タイのB音を付点八分、B♯を16分音符、次のB音とC♯を八分音符、D♯、C♯、D♯、F♯を16分音符に置き換えてみてください。

 

次の例も第一主題の変形です。

第一主題の変形3

第一主題の変形3

三連符の音形が16分音符4つの音形の変化したものです。

この音形はこの展開部において、この後でたくさんでてくる主要な構成要素になります。 

 

続いては平行して、多数の要素が出てくる場面です。

多数の要素が出てくる場面

多数の要素が出てくる場面

赤字が、第一主題に由来するものです。ティンパニの赤枠は逆行形、ホルンは最初の2音のリズムを入れ替えた(16分音符でなく、装飾音符ではありますが)ものとなっております。

他の要素も行ってしまいますと、青字は、B.の動機です。ティンパニはお分かりかと思いますが、トロンボーンに出てきているものは、この後の小節にもベルトーン状に続きが出てきます。そこまで聞けば全貌がわかるはず。

 

黄枠はC.序奏の動機です。最初の2音のみを取り出したもので、この譜面には見えませんが、トランペットの後に、フルート2ndにも同様の形が表れます。

 

続きの部分です。

トランペット3番と2番の赤枠が第一主題の変形です。

 

青枠はB.、黄枠はD.です。

 

トランペット2番が出てくる部分までの形は低音が変わることを除き2回繰り返されます。(ここの黄色枠の当たりはすでに2回目の部分が写っています)

 

この次の部分は展開部前半のハイライトとなる部分で、A.B.C.D.すべての要素が出てきます。

 

 

同じ部分の木管を見てみましょう。

D.の要素が、短縮されて出てきます。

 

この部分に似た部分は展開部の結尾部分においても、appassionateを伴って、再度表れます。

 

トランペットによって、第一主題が高らかに鳴らされると、展開部も後半へ移ります。

この部分も非常に多くの要素が表れます。

紫でくくったSaxはA.B.C.D.では取り上げておりませんが、序奏の要素を奏でます。
 

同じ部分の木管も表示してみます。

こちらは上の図(金管)ではあまり見られなかった、B.の要素を奏でています。

 

展開部後半です。

 


「第一主題の変形3」で触れた旋律が全貌を表します。より第一主題の全貌に近い形となっていますが、元気な第一主題と性格を異にする哀愁漂うものとなっております。

 

この主題を受ける部分です。

主となる第一主題に起因する部分は、この前の旋律を引き継ぐようなものです。

間に隠れて、B.の動機がトロンボーンで演奏されます。

 

さらに続きです。

ここでは、C.の要素が姿を現します。

ここまでで、一段落。

 

この図の5小節目から展開部後半部分の最初の旋律がもう一度演奏されます。フルートとオーボエを見ていただけるとお分かりかと思いますが、この旋律の動機を切り取ったものが演奏されています。

 

さて、この続きはいよいよ展開部の大詰めが近づいてきます。

 

この図の4小節目から、展開部前半のトリの部分と同じような形がさらに展開されて表れます。今度は全トランペットが加わる力強いものとなっております。

トランペットの形が、4小節目と5小節目で、リズム的に(ほぼ)シンメトリーになっていたりもします。

 

4番(!?)トランペットが最高音域を連発する部分です、展開部のクライマックスとも呼べる場所です。

 

展開部の本当にラストです。

 

はい、ここまで見ていただいて、もうお分かりかと思いますが、これでもかとひたすら、A.B.C.D.のみを使っています。

ソナタの展開部はこういうものなのかな?なんて思っております。半分自己満足... 

 

でも、自己満足でも主題操作とは「なんぞや?」から「こんなもんか!」に変わってきていませんか?

ソナタ形式の楽曲はからくりを知る楽しみもあります。

 

この曲は、まぁ、おいておいて、過去の名曲を是非スコアと照らし合わせて読んで、聴いてみてくださいね。

 

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