たまには奏法の事(大事な大事な倚音の見分け方と譜例とか)を書いてみようかなと思ったのですが、いい曲が見つからず(草競馬なんかいいかなと思いつつ、1つだけなのもなぁ…と)、断念したので、その記事はあらためて。
今日は別の記事を書いてみようと思います。
小中学生向け おすすめ金管アンサンブル 金管八重奏「タランテラ」
演奏動画のご紹介
2015年2月19日(水) 府中の森芸術劇場 ウィーンホールにて開催された「Dream Brass 2015 」での一幕です。
Dream Brassは中央大学・文教大学 両吹奏楽部の金管・打楽器パート有志で結成される英国式ブラスバンドの演奏会です。
普段使っている、トランペット、フレンチホルンなどの楽器から、サクソルン族と呼ばれるコルネット、フリューゲルホルン、アルトホルン、バリトンホーンなどの楽器に持ち替え、英国式ブラスバンドの編成での演奏会を開催している模様です。
英国式ブラスバンドは円錐形で柔らかい音色が特徴のサクソルン族を多く使い、力強いイメージの金管楽器のおどろくべき繊細な一面をも発見させてくれる大変興味深い編成です。
未聴の方は是非一度ご試聴ください。
この曲について
脱線が長くなってしまいました…
ちなみに、Dream Brassは基本的に英国式金管バンドの演奏会なのですが、このアンサンブルステージについては、通常の吹奏楽で使用される楽器を使っての演奏となっておりました。
ちなみに、この曲はトランペット、フレンチホルンと通常の吹奏楽の楽器で演奏できる曲なのですが、英国式ブラスバンド編成でできる編成の楽譜も作ってありまして、そちらはトランペットの代わりにコルネット、フレンチホルンの代わりにアルトホルンを使っています。
そのバージョンの譜面もあったので、そっちでやってもらえばよかったかな…とちと後悔しているけれども、これはこれでとても良いです。
作曲のコンセプト
ずばり「小学生でも演奏できる曲を」です。
前奏、コーダ付き複合三部形式の楽曲で、拍子こそ6/8ですが、主部はヘ長調(♭1つ)、中間部は変ロ長調(♭2つ)と読譜しやすい譜面になっております。
読譜のみならず、音域についても演奏しやすいところに納めております。(ユーフォとチューバはちょっと低いところも出てきますが、現実的な範囲です)
3番トランペットはド(実音Bb)、2番トランペットはミ(実音D)と楽器を初めて間もない人にも演奏できるように考慮しております。
例えば、トランペットの1番は実力十分6年生、2番は成長まっただ中5年生、3番はういういしい4年生。と経験の差があってもちゃんと割り振れるようになっています。
ホルンについても、2番は1番より最高音が低く設定されており、より経験の短い生徒さんが取り組みやすいようになっています。
1つこだわったポイントとして、「小学生でもできる曲は内容が薄い」とは絶対したくなかったので、軽い曲調ではありますが構成美、つなぎの工夫(主題の変形を使うなど)、主題の関連付けなどにこだわって作りました。
演奏を通して、楽曲の構成についてや、主題の関連、楽曲の構築方法などを考えるきっかけになりうる曲だと自負しております。
また、アンサンブルに取り組むこと自体、プレイヤーの自立と成長を促しますので、どんどん取り組んでいただきたいと思います。その際の候補として、 この曲を是非選んでみてください、損はさせません!
演奏を面白くするヒント?
作曲の反省点ともいえるのですが、タランテラの主題が全くかわらずに合計4回出てくるのがちょっとしつこいかなぁ…なんて思うことがあります。形式的な整合性を保つために、4回出てくることは仕方のないことなのですが…
そこで、1つ打開案を思いつきました。
「タランテラは主題が出てくる毎にテンポを少しずつ挙げて熱狂を帯びていくスタイルの舞曲である」というのを聞いたことがありまして、この曲にそれを適用してみてもいいのかもしれません。
前半の1、2回目はインテンポで、中間部が終わってきた3回目で1コマ、4回目でもう1コマ、で最後までそのテンポで!
とやると、変化もついて面白いと思います。前半の主部と後半の主部で差もつけられます。聴き手の飽きを押さえることができます。演奏者もテンポがアップすることで集中力が増したり、興奮度が増したり、テンポチェンジがいい方に作用することが考えられます。
ちょっと、実験してみたくなってきちゃいました。
このテンポチェンジ、作曲者公認でございますので、
弊社で取り扱っております。
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