POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 田丸和弥の音楽日記

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アンサンブルコンテストにもお勧め「フルート三重奏のためのソナチネ」

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やっと、体調が上向いてきました。毎日仕事から帰ってきたら、インスタントコーヒーを1,2杯飲んでいたのですが、しばらく辞めておりました。なぜか、飲みたくなくて…それが今日は飲みたいなと思い、いただきました。

仕事の後のインスタントコーヒーが健康の1つのバロメーターになっていることに気づく、という本日でございました。

 

さて、与太話はこれくらいにして、本題へ。

 

 

アンサンブルコンテストにもお勧め「フルート三重奏のためのソナチネ」

動画

実演の参考演奏がとっても欲しい(そんなフルートアンサンブル曲がいくつかある)のですが…残念ながらのソフトウェア音源。

www.youtube.com

雰囲気は伝わるかなぁ?と思います。

作曲の動機はアンコンのため…のみならず!

曲を作ろうと思うときには、なんらかの動機があったりするものなのですが(特にない場合ももちろんあります。思い浮かんでそのままという場合も)これは、「アンサンブルピースを作ろう」期間に作ったものの1つです。「アンサンブルピースを作ろう」期間とは…アンサンブルコンテストで取り上げてもらえそうな、オリジナル、または既存作品のアレンジを多産する期間をさします。過去に3,4回あったかなぁ?観たいな。

しかし、この曲はアンサンブルコンテスト用だけをイメージして作ったものではありません。「アンサンブルピースを作ろう」期間に、(アンサンブルコンテストの制限時間があるため)同じような長さの曲ばかり作っていると「飽きちゃう」んですよね。

ということで、アンサンブルコンテスト向けをイメージしつつも、それにとどまらない曲を作りたくなってきてしまうのです。

 

金管楽器のディベルティメントしかり

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クラリネット四重奏の小組曲しかり

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金管三重奏曲しかり

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基本的に多楽章の曲が多いですね。というのも、コンサートで取り上げてもらえるような、「その編成の代表的な曲の1つになったらいいな」という願望もあり、そのような楽曲を作ってしまうのですね。

 

で、このソナチネも、それと同じような楽曲です。

これまで、フルートアンサンブルは単一楽章の作品しか作っておりませんでした。それもあり、多楽章の少しやりごたえの曲も作ってみたいな…と。。。

 

以上、動機でございました。

 

かんたんな楽曲解説

3楽章構成の楽曲です。トータルの演奏時間およそ8分。内訳は第一楽章4分、第二楽章3分弱、第三楽章1分強です。

名称の「ソナチネ」ですが、本来の意味通りで、ソナタの小規模な楽曲の意味で名づけました。第一楽章にソナタ形式の楽曲を含みます。

第二楽章はバロックのメヌエット風(個人的お気に入り)、第三楽章は急速で明るく、派手な終曲。

第一楽章

4分の2拍子、変ホ長調、モデラート。ソナタ形式の楽曲です。

この曲の顔と言える楽章で、この楽章の動機を「他の楽章でも出現させる」ことで、全曲における一体感を出しております。

 

楽曲の構成を簡単に示してみます。

  • 提示部【第一主題】:1-34
  • 提示部【ブリッジ】:35-46
  • 提示部【第二主題】:46-76
  • 提示部【小結尾】:77-88
  • 展開部:89ー160(89ー120, 121ー136, 137ー148, 149ー160)
  • 再現部【第一主題】:161ー194
  • 再現部【ブリッジ】:195ー202
  • 再現部【第二主題】:203ー232
  • 再現部【小結尾】:233ー243

第一主題はこんな感じです。

第一楽章 第一主題

第一楽章 第一主題

自分の勝手なイメージでは「雨降りの(楽しい)一人遊び」って感じです。なんのこっちゃ?ですよね…

ふわふわした、とりとめのない旋律が、上記イメージなんです。自分の中では!あまり気にしないでくださいね。

 

続いて、第二主題

第一楽章 第二主題

第一楽章 第二主題

リハーサルマークCから始まっているものです。絡み合う三連符が特徴の第二主題です。主題の末尾においては、三連符が消えて、かっちりしたものになります。

ちなみに、この第二主題が全曲をつなぐやくわりを果たします。

どうつなぎで使われているかは、後述いたします。

 

展開部も少しお見せしたいと思います。

第一楽章 展開部

第一楽章 展開部

121~の区画(本格的な展開の始まり部分)の後半と、137~の区画(二度上昇する転調をくっり返す興奮度を上げる部分)の前半で、展開部のハイライト部分です。最初の区画は、第一主題の音程をいじくったもの、最後の区画は展開部を終え、再現部を導く部分。

 

今回は転調の様子を少し解説してみようかなと思います。

調性は緑の文字で書いてあります。嬰へ短調の次はさらに長二度上の嬰ト短調へ続きます。

 

黄色で囲んである部分は、次の調のドミナントの音です。転調法のスタンダードなものの1つに、「次の調のドミナントを経由する」というものがあります。この方法で、けっこう簡単に転調できます。

 

赤丸は、次の調を示す特徴的な音と言いますか、その時点の調の音階にはない音程です。

 

 

第二楽章

4分の3拍子、ニ短調、テンポ・ディ・ミヌエット(メヌエットのテンポで)のメヌエット、三部形式の楽曲です。

構成

  • メヌエット【主題および確保】:1-9
  • メヌエット【ブリッジ】:10-17,18-25
  • メヌエット【再現】:26-41
  • トリオ:42-65
  • メヌエット:66-105(確保が無いことを除き、提示とほぼ同様の内容)

 

メヌエットはこんな感じです。

第二楽章 メヌエット

第二楽章 メヌエット

バロック風の楽曲です。

 

第一楽章第二主題と関連のある部分をお見せいたします。

第二楽章 メヌエットのブリッジ

第二楽章 メヌエットのブリッジ

三連符の動きが第一楽章第二主題と関連しているのがわかるでしょうか。

 

続いてトリオです。このトリオは少しトリッキーです。

第二楽章トリオ

第二楽章トリオ

トリッキーな理由

  1. ヘミオラ
  2. 伴奏が裏打ち

この2点がトリッキーな理由で、これにより拍がよくわからなくなるということが起き、最初は混乱することが推測されます。

 

まず、1.ヘミオラですが黄枠で囲まれたものを見ていただければわかると思います。4分の3拍子で書いてありますが、この部分については、常にヘミオラになっているので、実質4分の2拍子のように聞こえると思います。

どのような4分の2拍子かというと、旋律に注目していただきまして、付点八分のある部分がアウフタクト、四分音符が表拍と考えていただければと思います。

 

2.伴奏が裏打ち。こちらのほうがよりやっかいかと思います。赤丸と赤線を見ていただきたいのですが、本来はこれでつながれた部分が同時に鳴るべきところ、伴奏を1拍裏へずらし、わざと裏打ちにしております。本当の最後でつじつまが合います。

お客さんをだますような感じで演奏していただければと思います。

 

 

第三楽章

4分の2拍子、変ホ長調、テンポ・ディ・ミヌエット(メヌエットのテンポで)のメヌエット、二部形式の楽曲です。

構成

  • A部分:1-32
  • B部分:33-64
  • Bおよび曲を閉じるためのコーダ:65-81

とても短い楽曲です。

 

主題

第三楽章 主題

第三楽章 主題

Bの部分は第一楽章の第二主題との関連が見えます。三連符ではなく、16分音符になっております。

第三楽章 B部分

第三楽章 B部分

この部分は、フルートの敏捷性をアピールするに良い部分であります。

 

 

抜粋でアンサンブルコンテストにも使えます。

第一楽章でしたら単独でも使えます。第二楽章と第三楽章の合わせ技もよいでしょう。または、各楽章を抜粋していただいてもよいかと思います。

 

楽譜の入手

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