もう4月に入って、2週間が経とうとしていますね。
部活動も新勧活動まっただ中か、そろそろ終わったころでしょうか?新入生が増えて充実したバンドも多いことでしょう、そろそろコンクールに向けて本腰を入れる時期ですね。
本日は、小編成バンドのレパートリーたりうる楽曲をご紹介してみようと思います。
なかなか熱い実演もついてますよー。
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実演の様子
このくるみ割り人形の一連のアレンジは、2011年2月20日に開催された中央大学管弦学部のOBオーケストラである、クレセントフィルハーモニー管弦楽団の第18回演奏会のアンサンブルステージで演奏されました。
私もピアノで参加していたりします。
まずは、音源をご一聴いただければと思います。
小序曲
最初派手に間違えているのはご愛嬌ということで…ピアノ結構難しいんですという言い訳…
この動画では、提示部の第二主題と再現部の第一主題をカットしております。
冬の松林
組曲には収録されていない名曲。クララの助け舟でくるみ割り人形がネズミの王様をやっつけた後のシーンで流れる楽曲。
解釈や演出はいろいろあるようなのですが、くるみ割り人形が正体を現し王子様になり、クララと対面するという第一幕のクライマックスシーン(第一幕というか、シナリオ上においては全曲のクライマックスかも、第二幕はひたすらバレエなので…)で流れる曲で、そのシーンにふさわしいスケールの大きな楽曲になっています。
いわゆる「見せ場」になります。楽団の実力をいかんなく発揮して、観客を物語の世界に引きずり込む楽曲と言えるでしょう。
選曲・演奏参考情報
演奏するうえで参考になる情報を記します。
小序曲の楽器別音域表
原曲においても、低音楽器(トロンボーン、チューバやチェロ、コントラバス)が省かれていることもあり、このアレンジにおいても全体的に高めになっています。
とくに、ファゴット奏者はある程度の熟練度が必要でしょう。
冬の松林の楽器別音域表
こちらの楽曲は、使用音域が全体的に広くなっています。フルートはHigh-C、クラリネットはEと言ったように高い音域が出てきます。逆に、バストロンボーンは、A♯と低い音が出てきます。この音は第一倍音でペダルトーンと言われるものです。
トランペットではほぼ出せませんが、トロンボーンやユーフォニアムにおいては、比較的容易に鳴らすことができますので、怖がらずにチャレンジしてみてください。
全曲の情報
くるみ割り人形のアレンジ全曲分をまとめた情報です。こちらもご参照ください。
10人の内訳
ここから、アレンジのコンセプト等を解説していこうと思います。
原曲は変則的な3管オーケストラ作品(ファゴットとトランペットが2管)なので、弦五部+管楽器21人+打楽器、ハープなど+(1曲のみ児童合唱)とかなーり豪華な編成なのです。
そんなフルオケの曲をフルート、オーボエ、Bb管クラリネット、ファゴット、2本のホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器1、ピアノ1で演奏しております。本当は打楽器はもう2人くらいいると完全形になります。
先日書きました、「木五+ピアノ」でもかなり豪華な響きになりますが、それにトランペット、トロンボーン、打楽器が入ると小さなオーケストラのよう。
そう、お勧めのの理由の一つに「ピアノ」が入っていることがあります。
ピアノは一人でいくつもの音を同時に発音できます、そのため、一台でサウンドをとても豪華にすることができます。その分ピアノへの要求は多少高く、中級~奏者が必要ではあります。
「え!?こんな少人数でやっていると思わなかった!」と思わせるような演奏が可能になります。
「えっ、待って!小規模吹奏楽部にオーボエやファゴットなんてないよ(泣)」ご安心ください。
オーボエの代わりにBbクラリネットで、ファゴットの代わりにバスクラリネットでできるようになっております。
小序曲は実は9人!?
そうなのです、小序曲は原曲においても低音楽器がミュートするのに伴いまして、上記編成のうちバストロンボーンはお休みしております。
また、小序曲につきましては、オーボエをBbクラリネットだけでなく、フルートでも演奏可能なうえ、ファゴットパートをバスクラリネットのみならずBbクラリネットでも演奏可能になっています。
また、この楽曲についてはホルンの低音が出てきませんので、読み替えてアルトサックスやテナーサックスでも演奏可能です。
例えば以下のような編成で演奏可能です。
2フルート、2Bbクラリネット、アルトサックス、テナーサックス、トランペット、ピアノ、トライアングル
バスクラの手配が難しい…というバンドでも演奏可能です!
過去、この「小序曲」と、別の出版社さんの楽曲を2曲組み合わせてコンクールに出場された学校がありました。
記憶違いでした、出場されたのはトレパックを使った学校さんでした。
楽譜の入手方法
デジタル音楽出版「ミュージックベルズ」にて販売しております。
演奏に関するポイントは販売サイトでも別途言及しておりますので、参考にしていただければと思います。
プロの演奏を聞いてみましょう(CDご紹介)
くるみ割り人形はプロによる参考音源が簡単に手に入るのも魅力の一つですよね。くるみ割り人形は組曲が有名ですが、全曲も素晴らしいです。
ただの劇付随音楽ではなく、音楽単体を取り出しても芸術作品として、大変素晴らしいものなので、是非鑑賞していただきたいなと思います。
- アーティスト: プレヴィン(アンドレ),アンブロジアン・シンガーズ,チャイコフスキー,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/03/06
- メディア: CD
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バレエを見ながらだとよりどういったシーンの音楽なのかよりよくわかっていいと思います。
このアレンジには含まれませんが、「雪片のワルツ」の群舞は一見の価値ありです!
英国ロイヤル・バレエ団 「くるみ割り人形」(全2幕 ライト版) [DVD]
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2011/10/19
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