POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 かずまるの音楽日記

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極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽 くるみ割り人形より「終幕のワルツとアポテオーズ」

10名で吹奏楽「くるみ割り人形」のラストの記事です。この記事で取り上げる曲はバレエの大ラスの楽曲です。

関連記事も併せてご覧ください。

極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽

 

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実演の様子は残念ながら…

こちらの楽曲は演奏会で取り上げられなかったので、実演はございません…

ソフトウェアでのサンプルはこんな感じです。

http://didijiji888.up.seesaa.net/sound/WaltzFinale.mp3

このソフトウェアの音源でも、なんとなくの雰囲気はわかっていただけるのではないかと思います。

 

 

一般市民オケの音源を発見いたしました。曲の雰囲気はこんな感じです。

とても素敵な曲なので、是非一聴いただきたいです。チャイコフスキー節のワルツをお楽しみください。

www.youtube.com

 

10人の内訳

原曲は変則的な3管オーケストラ作品(ファゴットとトランペットが2管)なので、弦五部+管楽器21人+打楽器、ハープなど+(1曲のみ児童合唱)とかなーり豪華な編成なのです。

そんなフルオケの曲をフルート、オーボエ、Bb管クラリネット、ファゴット、2本のホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器1、ピアノ1で演奏しております。本当は打楽器はもう2人くらいいると完全形になります。 

先日書きました、「木五+ピアノ」でもかなり豪華な響きになりますが、それにトランペット、トロンボーン、打楽器が入ると小さなオーケストラのよう。

そう、お勧めのの理由の一つに「ピアノ」が入っていることがあります。

ピアノは一人でいくつもの音を同時に発音できます、そのため、一台でサウンドをとても豪華にすることができます。その分ピアノへの要求は多少高く、中級~奏者が必要ではあります。

「え!?こんな少人数でやっていると思わなかった!」と思わせるような演奏が可能になります。

 

「えっ、待って!小規模吹奏楽部にオーボエやファゴットなんてないよ(泣)」ご安心ください。

オーボエの代わりにBbクラリネットで、ファゴットの代わりにバスクラリネットでできるようになっております。

 

演奏のポイント

変ロ長調(♭2つ)の調なので、読譜は容易だと思われます。派手な曲調を持っており、ゆっくりな部分もありますので、コンクールにもふさわしい楽曲であると思います。

主題の最初の再現があるまでは、ピアノが両手で旋律を演奏している関係で、ファゴットとバストロンボーンにベースラインが書かれております。

そのため、ファゴットの最低音や、バストロンボーンの低音域が多く(ペダルトーンのBb音も)出てきます。演奏するのに最初はコツが必要かもしれません。

また、ベースラインの音量に合わせて伴奏を加減する必要もあるかもしれません。

そういった意味で前半が山場でしょう。

中盤以降はピアノの左手がベースラインを単独でまたは、補強しておりますので、前半を乗り切れば楽になるでしょう。

低音をはっきり演奏できさえすれば演奏効果の高い楽曲です。

なお、ファゴットパートをバスクラリネットで演奏する場合、最低音域については代替案が示されております。

 

楽譜の入手方法 

デジタル音楽出版「ミュージックベルズ」にて販売しております。

演奏に関するポイントは販売サイトでも別途言及しておりますので、参考にしていただければと思います。

music-bells.com

 

 

プロの演奏を聞いてみましょう(CDご紹介)

プロによる参考音源が簡単に手に入るのも魅力の一つですよね。

 

チャイコフスキー:バレエ音楽『くるみ割り人形』(全曲)

チャイコフスキー:バレエ音楽『くるみ割り人形』(全曲)

  • アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ラトル(サイモン),チャイコフスキー,ラトル(サイモン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 

 

極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽 くるみ割り人形より「花のワルツ」

本日も引き続き、極小編成吹奏楽部への楽曲ご紹介記事を記してみたいと思います!

今回の曲は、調性の関係で難易度が高めです。

極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽

8本の管楽器、1人の打楽器、1人のピアノの計10人でくるみ割り人形の音楽を演奏できるアレンジをご紹介。

ピアノが入ることでとっても豪華なアレンジになっています。

 

関連記事はこちら!

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実演の様子

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くるみ割り人形全曲で最も有名な曲といっても過言ではないでしょう。花のワルツ。車のCMでも使われたりしていましたし、広く知られた楽曲ですよね。

ハープ(このアレンジではピアノ)のカデンツァを伴う長大で華麗な序奏。この序奏からして、大曲の予感が半端ありません。

全曲の演奏で6分~7分程度の長大なワルツで、哀愁漂う箇所あり、情熱的な箇所あり、派手な箇所あり!と見せ場多数です。

正直なところ、難易度はかなり高いと思われます。

ニ長調(#2つ)なので、Bb管楽器の場合(#4つ)になり、それに加え後半の転調(でも、これが格好いいのですが…)により読譜および運指が大変かもしれません。

ただし、この難易度の問題をクリアできるのであれば、少ない人数でも豪華な響きで魅せることが可能なアレンジです。

チャレンジングな団体さんに、お勧めしたい1曲です。

 

10人の内訳

原曲は変則的な3管オーケストラ作品(ファゴットとトランペットが2管)なので、弦五部+管楽器21人+打楽器、ハープなど+(1曲のみ児童合唱)とかなーり豪華な編成なのです。

そんなフルオケの曲をフルート、オーボエ、Bb管クラリネット(花のワルツはA管クラリネット)、ファゴット、2本のホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器1、ピアノ1で演奏しております。本当は打楽器はもう2人くらいいると完全形になります。 

先日書きました、「木五+ピアノ」でもかなり豪華な響きになりますが、それにトランペット、トロンボーン、打楽器が入ると小さなオーケストラのよう。

そう、お勧めのの理由の一つに「ピアノ」が入っていることがあります。

ピアノは一人でいくつもの音を同時に発音できます、そのため、一台でサウンドをとても豪華にすることができます。その分ピアノへの要求は多少高く、中級~奏者が必要ではあります。

「え!?こんな少人数でやっていると思わなかった!」と思わせるような演奏が可能になります。

 

「えっ、待って!小規模吹奏楽部にオーボエやファゴットなんてないよ(泣)」ご安心ください。

オーボエの代わりにBbクラリネットで、Aクラリネットの代わりにBbクラリネットでファゴットの代わりにバスクラリネットでできるようになっております。

 

演奏のポイント

オーボエパートはフルートでも演奏可能なのですが、クラリネットで演奏したほうがバランスがとりやすいと考えます。

トレパックはト長調(#1つ)の楽曲であるため、Bb管では#3つになります。

 

 

楽譜の入手方法

 デジタル楽譜のミュージックベルズにて販売しております。

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プロの演奏を聞いてみましょう(CDご紹介)

くるみ割り人形はプロによる参考音源が簡単に手に入るのも魅力の一つですよね。

 

花のワルツ(チャイコフスキー)

花のワルツ(チャイコフスキー)

  • アーティスト: ウラジーミル・フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団
  • 出版社/メーカー: Victor
  • 発売日: 2013/04/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • この商品を含むブログを見る
 

 

極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽 くるみ割り人形より「小序曲」「冬の松林」

もう4月に入って、2週間が経とうとしていますね。

部活動も新勧活動まっただ中か、そろそろ終わったころでしょうか?新入生が増えて充実したバンドも多いことでしょう、そろそろコンクールに向けて本腰を入れる時期ですね。

本日は、小編成バンドのレパートリーたりうる楽曲をご紹介してみようと思います。

なかなか熱い実演もついてますよー。

 

 

極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽

 

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実演の様子

このくるみ割り人形の一連のアレンジは、2011年2月20日に開催された中央大学管弦学部のOBオーケストラである、クレセントフィルハーモニー管弦楽団の第18回演奏会のアンサンブルステージで演奏されました。

私もピアノで参加していたりします。

まずは、音源をご一聴いただければと思います。

 

小序曲

www.youtube.com

最初派手に間違えているのはご愛嬌ということで…ピアノ結構難しいんですという言い訳…

この動画では、提示部の第二主題と再現部の第一主題をカットしております。

 

冬の松林

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組曲には収録されていない名曲。クララの助け舟でくるみ割り人形がネズミの王様をやっつけた後のシーンで流れる楽曲。

解釈や演出はいろいろあるようなのですが、くるみ割り人形が正体を現し王子様になり、クララと対面するという第一幕のクライマックスシーン(第一幕というか、シナリオ上においては全曲のクライマックスかも、第二幕はひたすらバレエなので…)で流れる曲で、そのシーンにふさわしいスケールの大きな楽曲になっています。

いわゆる「見せ場」になります。楽団の実力をいかんなく発揮して、観客を物語の世界に引きずり込む楽曲と言えるでしょう。

 

選曲・演奏参考情報

演奏するうえで参考になる情報を記します。

小序曲の楽器別音域表

小序曲の楽器別音域表

小序曲の楽器別音域表

原曲においても、低音楽器(トロンボーン、チューバやチェロ、コントラバス)が省かれていることもあり、このアレンジにおいても全体的に高めになっています。

 

とくに、ファゴット奏者はある程度の熟練度が必要でしょう。

冬の松林の楽器別音域表

冬の松林の楽器別音域表

冬の松林の楽器別音域表

こちらの楽曲は、使用音域が全体的に広くなっています。フルートはHigh-C、クラリネットはEと言ったように高い音域が出てきます。逆に、バストロンボーンは、A♯と低い音が出てきます。この音は第一倍音でペダルトーンと言われるものです。

トランペットではほぼ出せませんが、トロンボーンやユーフォニアムにおいては、比較的容易に鳴らすことができますので、怖がらずにチャレンジしてみてください。 

 

全曲の情報

くるみ割り人形のアレンジ全曲分をまとめた情報です。こちらもご参照ください。

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10人の内訳

ここから、アレンジのコンセプト等を解説していこうと思います。

原曲は変則的な3管オーケストラ作品(ファゴットとトランペットが2管)なので、弦五部+管楽器21人+打楽器、ハープなど+(1曲のみ児童合唱)とかなーり豪華な編成なのです。

そんなフルオケの曲をフルート、オーボエ、Bb管クラリネット、ファゴット、2本のホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器1、ピアノ1で演奏しております。本当は打楽器はもう2人くらいいると完全形になります。 

先日書きました、「木五+ピアノ」でもかなり豪華な響きになりますが、それにトランペット、トロンボーン、打楽器が入ると小さなオーケストラのよう。

そう、お勧めのの理由の一つに「ピアノ」が入っていることがあります。

ピアノは一人でいくつもの音を同時に発音できます、そのため、一台でサウンドをとても豪華にすることができます。その分ピアノへの要求は多少高く、中級~奏者が必要ではあります。

「え!?こんな少人数でやっていると思わなかった!」と思わせるような演奏が可能になります。

 

「えっ、待って!小規模吹奏楽部にオーボエやファゴットなんてないよ(泣)」ご安心ください。

オーボエの代わりにBbクラリネットで、ファゴットの代わりにバスクラリネットでできるようになっております。

 

小序曲は実は9人!?

そうなのです、小序曲は原曲においても低音楽器がミュートするのに伴いまして、上記編成のうちバストロンボーンはお休みしております。

また、小序曲につきましては、オーボエをBbクラリネットだけでなく、フルートでも演奏可能なうえ、ファゴットパートをバスクラリネットのみならずBbクラリネットでも演奏可能になっています。

また、この楽曲についてはホルンの低音が出てきませんので、読み替えてアルトサックスやテナーサックスでも演奏可能です。

 

例えば以下のような編成で演奏可能です。

2フルート、2Bbクラリネット、アルトサックス、テナーサックス、トランペット、ピアノ、トライアングル

バスクラの手配が難しい…というバンドでも演奏可能です!

 

過去、この「小序曲」と、別の出版社さんの楽曲を2曲組み合わせてコンクールに出場された学校がありました。

記憶違いでした、出場されたのはトレパックを使った学校さんでした。

 

楽譜の入手方法

デジタル音楽出版「ミュージックベルズ」にて販売しております。

演奏に関するポイントは販売サイトでも別途言及しておりますので、参考にしていただければと思います。

music-bells.com

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プロの演奏を聞いてみましょう(CDご紹介)

くるみ割り人形はプロによる参考音源が簡単に手に入るのも魅力の一つですよね。くるみ割り人形は組曲が有名ですが、全曲も素晴らしいです。

ただの劇付随音楽ではなく、音楽単体を取り出しても芸術作品として、大変素晴らしいものなので、是非鑑賞していただきたいなと思います。

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲)

チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」(全曲)

  • アーティスト: プレヴィン(アンドレ),アンブロジアン・シンガーズ,チャイコフスキー,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/03/06
  • メディア: CD
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  • この商品を含むブログ (9件) を見る
 

 

バレエを見ながらだとよりどういったシーンの音楽なのかよりよくわかっていいと思います。

このアレンジには含まれませんが、「雪片のワルツ」の群舞は一見の価値ありです!

英国ロイヤル・バレエ団 「くるみ割り人形」(全2幕 ライト版) [DVD]

英国ロイヤル・バレエ団 「くるみ割り人形」(全2幕 ライト版) [DVD]

 

 

演奏上達のために表現も勉強しよう! 楽曲分析のテキスト!

本日は、演奏上達のための表現学習についてです!

 

 

演奏上達のための 楽曲分析のすすめ

 

技術面の充実著しい吹奏楽

吹奏楽のサウンドトレーニングの教本はたくさん出版されていて、いいものがたくさんあるように思います。DVD付属のものもあって、経験の浅い指導者にも優しいものが多いように思います。

 

その教本の充実ぶりを象徴するかのように、現在の高校生の演奏なんか聞いても、技術レベルが自分の高校生だった当時と比べて飛躍的に伸びているように思います。

これは、素晴らしいことです。

技術に関する練習、訓練は方法論がとても充実してきていますよね!

一般バンドの趣味のメンツでも取り組めるような工夫がされたものがたくさん売っています。 

 

表現面については?

かたや、表現方面については、もう少し進歩できるのではないかな?と思ったりします。

 

表現というと「独創性が大事」「感性のもの」といった抽象的なイメージがあったりしませんか?感性が大事なのは否定しません。

でも、「表現するということ」その実態はもっと具体的かつ技術的なもので、数学的、理系なイメージなものです。文系でたとえるとすると、漠然と気持ちを察する…と言った能力ではなく、文章を読解する能力や、それのみならず文章を構築する能力、論理的に思考し、整理し、分析する能力などが必要です。独創性や感性は+αのスパイスといった感覚で、理路整然としたものの持つ説得力が表現の実態の大半であると考えられます。そして、それは勉強して体得できるものだと思っています。

 

勉強して体得できる根拠としては、現に「いい演奏とは」という分析は多くなされていて、かつ「そのためにはどうするのか?」という書籍が出されているからです。

 

表現豊かな演奏を獲得するためのおすすめテキスト

1つお勧めなのはこちら。 

演奏のための楽曲分析法

演奏のための楽曲分析法

 

 古典派からロマン派あたりの楽曲に適応できる演奏のための本です。

古典派からロマン派あたりを網羅しているということは、いわゆる「現代音楽」といわれるものを除き、現代楽曲にも適用できる部分が多いと思います。

倚音、男性終止、女性終止 etc..なんかPOPSにさえも適用できるものだと言えるでしょう。

 

この本では、実際に過去の楽曲の譜例を取り上げて、和声の機能から、楽曲の構造から、リズムから、アーティキュレーションの付け方や、反復・模倣と対立構造から、旋律の音程の高低差のつけかたから、テンポから…と様々な側面から「こうするとよくなる」という例を提示しています。

 

たしかに、一気に全部を理解して、自分で分析して…と言うのは難しいかもしれませんが、今すぐにでも見分けられる簡単なものから取り組んでみても、大きく違いがでると思います。

 

自分で考えて実践してみることが大事

ここまでで書いたとおり学習することはもちろん大事なのですが、それは自分で表現をするための材料や素材を蓄積するための行為です。その蓄積の上でさらに重要なことは「自分で分析し、考えて演奏する」ことで。また、その「行為」自体が重要だと思います。

 

といいますのも、つい先日地元楽団の合奏を見る機会があったのですが、1度目に注意点を何も言わずに合奏した場合と、1回目を踏まえて「こことここに注意してやってみましょう」といったときの演奏の愕然とするほどの差。

同じ楽団と思えないほどの差です。

注意したことなんて、「フレーズを意識しましょう」ということと「曲のテンポと雰囲気からふさわしい音の長さにしてみましょう」たったその2点だけです。

この指示は、注意喚起をしただけに過ぎず、「どう変えるか?」については、奏者一人一人に委ねました。「こう変えてください」と指示したわけではないのです。

「具体的にこうしろ」という指示をしなくても、変わることはできるんですね。 

考えて、気をつかって演奏するってのはそういうことなんですよね。

主体的な演奏をするというのはいい演奏をするための大前提だと思います。 

 

周りと合わせることを最重要視してよいのか?

よく「周りをよく聞いて」という指示があると思います。それは確かに大切なことだと思います。大勢で一つの物を作りだすのですから、役割や目指す方向性など、合っているべきでしょう。ただ、「周りと合わせる」ことを最重要視するがゆえに、主体性を失うのは本末転倒でしょう。みんなそれをやってしまったら、なんら訴えかけるもののない、メッセージ性のない演奏になるでしょう。それは想像に難くありません。

まずは、「こうしたい」という能動的な欲求が一番にあるべきで、「合わせる」だとかいうものは、その付帯的なものであるべきだと考えています。

「こうしたい」という事が、個々人各々もっており、かつ同じ方向を見て演奏した結果「合っている」というのが、理想的な演奏だろうと考えています!

 

表現は主体的に!考える下地・根拠は勉強で習得可能! 

 時々「音楽は感性でやるもんで勉強するもんじゃない」なんておっしゃる方がいらっしゃるように思いますが、「面倒だ」とか「やり方がわからない」だけなんじゃないかろうか…なんて思っています。

でも、表現方法は勉強可能である…という発想がただないだけなのかもしれませんね。

でも、勉強できます!

 

こちらの本是非お勧めです。見てみてください。

 

倚音(強拍にいきなり表れる非和声音)に関する記載があるのが何と言ってもよいです。倚音、演奏の勘所ですよー!

 

是非、表現の勉強して、確かな根拠を元に表現豊かな演奏をしましょう。

 

音楽表現 関連記事

この記事で取り上げました、非和声音の見分け方について、触れています。

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極小吹奏楽部がコンクールで成功する方法! 10人で吹奏楽 くるみ割り人形より「ジゴーニュおばさんとピエロ」

昨日、木管五重奏+ピアノの編成の記事を書いたので、今日はもう少しだけ拡張した編成の記事を書いてみようと思います。

 

 

 

少人数バンドの救いになるか!10人でできるお勧め極小編成楽譜レパートリー

ということで、吹奏楽器+αによって、10人で演奏できるアレンジをご紹介します。

と、その前に…

 

 

実演の様子はこれだ!

実際に、10名で演奏した動画がありますので、貼り付けます。

選曲としては、非常に時期外れですが…

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ちょ!おま、なぜこれを選んだwww

という、くるみ割り人形ファンの方がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。というくらい、くるみ割り人形にかなり詳しい人でないと知らない曲でしょう。

 

では、なぜ選んだのかと問われれば、好きなんですものこの曲が。

地球史上一番尊敬しているチャイコフスキー様が作られた、バレエ音楽の最高傑作「くるみ割り人形」。その楽曲全体とんでもなく好きなのですが、その中でも1,2を争う好ものです。

底抜けに明るくてノリがよくて楽しい楽曲!

バレエだと頻繁にハブられがち(多分、子供が大量に必要な点が演出的に面倒くさいからではないかと推測)なのが、大変に不遇ですが、こちらも普及委員長(なんの?)として少しでも露出を高めたいと思います―。

 

で、ちょ!おま…な方や、「くるみ割り人形???」な方のために花のワルツの動画も一緒に…

www.youtube.com

 

昔、車のCMで使われてたんですよ(歳がバレる)

こちらの曲については、ほとんどの方が一度は聞いたことがあると思われます。

 

ちなみに、素晴らしい原曲もご紹介。

こちらのCDがお勧めです。

チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」全曲

チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」全曲

  • アーティスト: ゲルギエフ(ワレリー),マリインスキー劇場合唱団,ワレリー・ゲルギエフ,マリインスキー劇場管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る
 

 くるみ割り人形のCDは2枚組が多いのですが、テンポが少し早めなのでギリギリ1枚に収まってます。

大学4年生の時にくるみ割り人形全曲より抜粋の演奏をする機会がありまして、その時に買ってからの愛聴盤です!

 

 

10人の内訳

さて、前置きが長くなってしまいましたが、冒頭にも書きました通り、この曲10人で演奏しています。

原曲は変則的な3管オーケストラ作品(ファゴットとトランペットが2管)なので、弦五部+管楽器21人+打楽器、ハープなど+(1曲のみ児童合唱)とかなーり豪華な編成なのです。

オケピにこの人数と楽器が入るのねん…なかなか大変な予感。

そんなフルオケの曲をフルート、オーボエ、A管クラリネット、ファゴット、2本のホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器1、ピアノ1で演奏しております。

本当は打楽器はもう2人くらいいると完全形になります。

 

先日書きました、「木五+ピアノ」でもかなり豪華な響きになりますが、それにトランペット、トロンボーン、打楽器が入ると小さなオーケストラのよう。

この編成でバレエ実演できちゃうんじゃないか?なんて思ったことがあります。(金平糖はピアノ連弾で打楽器を一人借りてくるイメージ)

 

ほんと、試してみたい!自分は演奏したくないけど。

なんぜ、演奏がきつ過ぎて奏者がギブアップしてしまう可能性すらあります。(原曲ですらキツイのです。ファゴットなんか特に可哀そうになります。全編通して辛いのに、終幕のワルツの最後の最後でベースラインを30小節くらい吹き続けるんですよ。チェロとベースがピッツィカートをやってくれるとはいえ、保続音は要員は1オクターブの上と下で一人ずつしかいないという…)

 

「あぁ、チャイコフスキー様。鬼」なんて思ったりもします。

大好きなんですけれどもね。

 

少々脱線、楽器の重ね方を見ると、チャイコフスキーのオーケストレーションってとてもシステマティックだなと思います。例えば、オーボエとクラリネット2本ずつでそれぞれ1オクターブの旋律を担当させている部分で、下のオクターブにオーボエでは出ない音域が出てくると、部分的に「オーボエ2本で上のオクターブ、クラリネット2本で下のオクターブ」とか書くんですよね。

なんかすごい理系っぽい書き方というか、割り切った書き方というか。

それでいて、キラキラした色彩感のある響きがするものだから、不思議だなぁ。

 

このアレンジで吹奏楽コンクールに出られるのか? 

(規定が変わる可能性はありますので、必ず確認はしていただきたいですが、)はい、出られます。実際にこのシリーズの序曲をコンクールで演奏してくださった学校がありました。

 

 

このアレンジのお勧めポイント

人数は少ないけれども、奏者の個性が光る楽団にお勧めです!ソロ楽器としての管楽器の魅力を伝えられるアレンジになっています!大人の楽団にもお勧めです。

 

また、上手なピアニストを用意できる楽団にもお勧めです。

大編成の吹奏楽曲に出てくるピアノは飾りだったり、ソロ楽器だったり、補強だったりという要素が強くなりますが、このくらいの人数で使われるピアノはとてーも重要な「土台」の役割が第一にあり、時々音色に変化をつけるために「メロディ」を受け持ったり「和声」を担当したり、「飾り」を担当したり、と多彩な能力が求められます。

ピアノが上手だとそれだけで、印象がよくなり安定します。

 

それにしても、ピアノってやっぱずるい楽器だなぁと思います。音が減衰してしまうという特徴(弱点であり長所であり…)などから出来ないことも多いんだけれども…これが入るだけで簡単に音数が増える。

 

楽譜を入手するには 

下記サイトからご購入いただけます!

music-bells.com

この10人で吹奏楽シリーズは、少人数バンドへの一つの回答になるといいなぁと思っております。

標準編成にはダブルリードが含まれていますが、小編成の吹奏楽部にダブルリードがあるのは大変珍しいと思いますし、いわんや、A管クラリネットをや…なので、代替案として、フルート、2Bbクラリネット、バスクラリネット、2ホルン、トランペット、バストロンボーン、打楽器、ピアノで演奏できるパート譜のセットが含まれております。

 

その他、お勧めの小編成対応楽譜

弊社のバリアブルシリーズとともにごひいきに!

hid.shop-pro.jp

 

関連記事

難易度、音域表など、くるみ割り人形の選曲お役立ち情報

このアレンジの選曲お役立ち情報です。難易度や使用音域、代替楽器について、指揮者の必要性など触れています。

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小編成楽譜のまとめ記事

4名~、9(10)名~、13,14,16,17名~という人数別の情報をまとめています。

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大編成ハイレベルバンド向け楽曲 

打って変わって、大編成の渾身の作曲作品

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「依頼演奏に行ってきました」と「女子が歌うべき歌を歌ってみた」

今日は、所属楽団の依頼演奏でしたー。

 

お弁当いただきました。

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お弁当

 

宴会場の狭い舞台に28名で演奏してきました~。

最初はガチャガチャしてたかなと思ったけど、後半乗ってきて最後の2曲は好演だったと思います。楽しかった。

 

今回もグロッケンを何曲かやらせていただいたのですが、けっこうボロボロでした…

もっとちゃんとできるようにならないと(いや、あなた本職違いますから…)

 

日帰り湯も堪能して、ナウ家です。

でも、これからまだ用事が…

 

 

そんでもって、一昨日アップした曲を昨日の夜歌ってしまいました。

www.youtube.com

恒例になりつつある、深夜の台所録音…

 

いやぁ、女の子が歌うべき歌だこれは。という感想。

この動画でも最初の音が低くて若干ドスきいてる感じで怖いw

テンション上げて歌ったら、得体のしれない怖い生き物が歌っているような、ストーカーの狂気を感じるかのような、そんな感じになりそうだなと思って、淡々と歌ってみました。

 

音域自体は自分にあっていて、全音域ストレスなく無理せず出せる感じでいいんだけどなぁ。雰囲気はちょっと…どうだろうか。(カラオケで女性の歌を1オクターブ下げて歌うと、一番楽ではあります。J-POPの男性の歌は全体的に高い…)

 

そして、音程の修正をしまくってしまいました…

音程の修正はこのソフトが便利です!

forest.watch.impress.co.jp

私はシェアウェア版を購入いたしました。

 

この歌難しい(自分で作ったくせに…)

リズムをはめるのも難しいけど、音の高低差が結構…

 

ももかさんのブログにも書いてありますが、Aメロなんて、「ソドソドソドレミファ」と始まるんですけど、最初5つ16分音符で、四度の音程の上下を急速に交互に繰り返す…ところなんて、なかなか喧嘩売ってるなぁなんて…(普通だったら、ソソソソソドレミファにするのかな?)

 

サビの「…のかと自問自答」のところも「ミ↓ド↓ソ↑ミ↓ド↑レ↑ミ↓ラ」と動くのですが、かなーり意識しないと、半音くらいズレちゃったり、「しゅんかんに」も16分音符で「ミレド」って下がるだけなのですが(最初と最後は意識するから当たるものの真ん中が…の結果)「ミレ♭ド」になってしまったり…と

 

いやぁ、手ごわかったです(爆)

 

と、難点ばかり書き連ねてしまったのですが、個人的にはお気に入りです。

サビのリズム感とか、オケアレンジとか、注目していただきたいポイントがいくつも。

 

多くの人に聞いてほしいなぁと思っています。

 

 

 

蛇足、自分の声、音域的にはバリトンくらいやや低めが楽なんだけれども、音質的にはやや細目でテノールなのかななんて思いました。

吹奏楽のための交響的小品 序章

こんばんは!本日は、タイトルの通り、いままでで「一番こねくりまわした」…というか気合を入れて作った曲について書こうと思います。
この記事に果たしていったいどんな需要があるのは全くもって不明ですが、自分が書きたいから書きます。
思いが強すぎて何度かに分けて書く予定。

吹奏楽のための交響的小品 序章

序章では、書くに至るまでを、そのあとは楽曲についての自己解説を(解説なんてあまり自分ですべきではないようにも思いますが)やってみたいと思います。日は空けるかも。

もともと、クラシック音楽が好き(それゆえ作風もかなり古いのですが…)で交響曲を書いてみたいとずっと思っているような人間でした。この先書く日が来るかもしれないし来ないかもしれませんが、来たとしたときに、転換点となったであろうと断言できるのが、この曲です。

実際の演奏

交響的小品
www.youtube.com



所属楽団に無茶を言ってやってもらったのものです。多少オーバースペックだった気もしますが、何度かやればこなれると思います。タイトルからして硬いですね。もともとはこういうのが好きでした(XX第何番とか)大人になって少し変わりましたよ~

ここまでで一番こねくりまわした曲

クラシック音楽作曲家が渾身の力をもって作る楽曲と言えば、交響曲とオペラと言えるのではないのでしょうか。そのうち、交響曲と言えば、内面に掘り込んだ…というか数学的…というか幾何学的というか、そういうものの美しい側面をより意識したタイプの楽曲なのではないかと思います。人工美というかなんというか(むしろ、それこそが本来の自然の美と言えるのかも知れませんが…)交響曲と言えば、ソナタ形式。二つの主題とその操作、調配置…西洋的構造の美学を音楽でも追及したものといえるでしょう。

渾身のソナタ

ソナタ形式を簡単に説明するならば、最低二つの主題とその主題操作によって構成されている楽式といえるでしょう。
ソナタ形式の楽曲で重視されるのが「主題操作」な訳です。中学で習うと思われるベートーベンの運命でその例が出てきますよね。「んダダダダーン」って言うのが主題というかそれを構成する最小単位の動機に当たるわけですが、それを操作すると言うのはどう言うことかと言いますと、「リズムを変えて」、「音程を変えて」、「後ろから読んで」、「一部切り取って」のようにアレンジを加えることを指します。んで、用いかたも、旋律としてはもちろんですが、ベースラインで使ったり、内声に密やかに、飾りとして、等々変更しながら所々に埋め込んでいくわけです。
場合によっては指摘されないとわからないように…第九の主題操作に関する書物を読んだことがありますが、推測も込みで素晴らしい曲だなと思った覚えがございます。
クラシックの曲はなんと言うのか、一聴のみならざる楽しみかた…聴衆に対して、一聴では決して捉えきれない発見をもたらす懐の深さをも考え込んで創るという側面が強いかなと思います。


この作品はそういう要素を全面に出して作ったものなのです。これまでの半生での渾身の一作です。
思えばここまで来るのに(まだまだ先はいくらでもありますが)大変でした。

ソナタ形式の曲をただ作るだけならそんなに難しくないのです。

  1. 主題を二つ準備する。
  2. 前半と後半に配置する。
  3. 前半の二つ目を属調にする。
  4. 展開部をつくる。
  5. 接続を整える。

でいいんです。

展開部なんて8とか16小節でもいいわけで、実際にそういう曲もあるし、となるとそんなにハードルはあがりません。

でも、そういうものではなくて、作り手の見せ場である展開部を充実させようと思うと、果てしないものがあります。冗長でもいけないし、脈略なくてもいけないし…交響曲コンプレックスとでもいうのでしょうか(苦笑)
自作を客観的にはなかなか見られないので、出来ているかは???ですが、比較してみれば進歩は歴然としています。最初のころの作品なんて、主題をそのまま転調して使うとか、一部を切り取ってみるとか、そんな単純なことしかできていませんでした。
たとえば、リズムを引き伸ばすとか、ひっくり返してみるとか、上下反転させてみるとか、主題をくっつけてみるとかetc...そんなの一切できていませんでした。
そんな状態のときから比べれば、この曲での進歩は一目瞭然でしょう。
この状態においても、まだスタートから2、3歩踏み出したに過ぎないかもしれませんが、でも踏み出せました。
踏み出すことはできたんです。と自信を持っていえる作品です。なので、是非ご鑑賞いただきたいです。

そんな渾身の作を鑑賞していただけたら、それ以上にもしも演奏してくださったら泣いて喜びます。

ということで…ここまですでにまとまらないですが、満足するまで書くと思います(^_^;気長にお付き合いいただければと思います。

本編の記事へ

本編の記事が出来ました。とうとう内容に踏み込みました。ご奇特な皆様、一度ごらんくださいませ。譜例と動画で飽きないように心掛けて作りました。
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西洋の舞曲6つを用いた濃い楽曲。メドレー、ハイライト的な楽曲です。

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ポチ&Kampa!お待ちしております。

土着のダンスダンス、ダンス!最新の吹奏楽曲

土着のダンス、ダンス、ダンス!最新の吹奏楽曲

こちらの記事で告知いたしました通り、本日では鴨川吹奏楽団での演奏動画を公開してみようと思います。

 

 

初演の様子

それこそ、最新の吹奏楽曲で、2018/12/16に開催されました、第25回 鴨川吹奏楽団 定期演奏会@南総文化ホール 大ホールでの演奏です!

実は自分もオーボエで演奏していたりします。

 

舞踏祭への前奏曲

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サムネイルはポスターの画像を使わせていただきました。

 

作曲家目線で言うと、演奏自体は瑕がおおく、粗い部分もありますが、雰囲気は良く出ており、好演といってよいかと思います。

団のコンマス目線で言うともう少し詰めたかったかも…

 

タイトルの由来

この曲は舞曲のメドレーみたいな楽曲です。1つの完結した楽曲というよりも、いくつかの曲の提示部だけをかき集めて持ってきたようなものなのです(この曲はこれで1つの作品なので、決してつぎはぎではないのですが、確かにそういう面があります)。そのために「今回のダンスフェスティバルの全曲はこれだ!イントロだけお聞かせしよう!」というニュアンスの曲なのかな?と思いまして、舞踏祭の前奏曲と名付けました。

実質的に「舞踏祭のハイライト」と言ったほうが体を表しているのですが、少々味気ない気がしたもので、前奏曲を名づけました。前奏曲の方が格好よくないでしょうか?

ちなみに、舞踏「祭」というあまりなじみのない表現にした理由もありまして、舞踏会でもよかったのですが、土着の曲が多く、敷居の高いものよりもうちょっと血の滾るような「祭」としたほうがより相応しいかなと思い、いうのもあります。

 

簡単な解説

曲のつくりを簡単に解説してみます。6つの舞曲があるので、それぞれ簡単に触れてみます。

  1. 「フリアント」このブログではよく出てくる、チェコの激しい舞曲。3拍子と2拍子の交代がエキサイティング!です。
  2. 「スコチナー」「フリアント」同様にチェコの舞曲。「ホップ、ステップ、ジャーンプ」というリズムが特徴。「タン、タン、ターン」ってイメージのリズムです。
  3. 「タランテラ」イタリアの有名な舞曲です。命名については、毒蜘蛛etc諸説あります。
  4. 「パヴァーヌ」です。教会形式の結婚式で新婦さんがヴァージンロードを歩くステップ。ためらいのステップというそうですが、あれがパヴァーヌのステップなんだそうです。それを念頭に作りましたが、厳密には違うような気もしており、「間奏曲」という扱いにしていたりします。
  5. 「ポルカ」これもチェコの舞曲です。こちらは、世界的にメジャーかも(!?)。ニューイヤーコンサートでもワルツの合間に演奏されますね。3拍子に飽きたころの2拍子といったところか。
  6. 反復進行を含むブリッジからの「ワルツ」です。こちら、尊敬するチャイコフスキー様の形式を意識しまして、旋律は2拍子(ヘミオラ)伴奏形は3拍子という一種のポリリズムの楽曲となっております。

そのほかに、この曲にも各部分に緩く統一感を持たせる手法として、動機の使い回しをしております。「ミーミ(ミ)ファソ」という最初の楽曲の動機を反行させたり、逆行させたりしています。よーく聴くとわかるかも?

 

コンクールに使えるのか!?

時間はちょっと短いですが、使える楽曲です。いろんな場面があってバンドの力量を示すポイントは網羅していると思います。

気を付けていただきたいポイントとしては、聞いた感じと演奏、および譜面と演奏の難易度に乖離があるかも!ということです。

これは、楽曲のスタイルに起因します。

 

たとえば、

  • 4分の3拍子で書いてあるのに、実質4分の2拍子×3+4分の3拍子×2という楽曲のスタイル
  • 4分の2拍子で16分音符がたくさん書いてあるのに、「1と2と」とテンポを取るような非常にゆっくりな楽曲のスタイル
  • 音価が長いのに小節が飛んでいくようなテンポの速い楽曲のスタイル

などです。

 

逆に言ってしまえば、このスタイルに慣れてしまえば「なんてことはない」とも言えます。

どちらかというと指揮者の力量が問われる曲かもしれません。

 

どんなダンスなの?

使われている曲、実際どんなダンスなの?という自分の後学のためにも、動画を貼り付けてみます。

ちょっとなじみが薄いかな?と思われる「フリアント」と「スコチナー」についてです。

パヴァーヌは上述の通り、新婦と父親によるためらいのステップ、一つ一つ踏みしめるようなものをイメージしていただければよいかなと思います。

フリアント

なのかな?という動画を発見しました。0:34から典型的なリズムが出てきます。

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スコチナー

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入手方法

HID楽譜出版にて楽譜を取り扱っております。

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難易度と音楽的な内容も濃い楽曲、実力はバンドのコンクール楽曲にもお勧め。

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皆さんよかったら、聴いてやってください、演奏してやってください。

実演さーし! 楽団のお許しがでました!

折角連続更新できているので、もうちっと頑張ってみようかなと。

 

 

本日は、地元楽団の総会でした。前年度の活動報告、決算報告、今年度の活動予定、予算案、役員決めなど、大事なことをいろいろ…しかし、つつがなく決まりましたー。

 

んで、その総会の場で、「自作の演奏音源を使わせてもらえませんかっ!」と聞いてみたところ、お許しがでました~。

 

なんと、ありがたし…

 

ソフトウェアの発展も素晴らしいものがありますが、やっぱり実演とはだいぶ異なるのですよね。空気感とかバランスとか…

ソフトウェアを操る達人であれば、また違うのでしょうが、少なくとも今の私には無理です…

なので、瑕疵とか出来とかそういうのおいといて、実演の音源は貴重なんです。演奏の瑕疵味になっていることすらあります。限度というものはありますが…

 

ということで、順次こちらで発表していこうかなと思っております。

 

みなさま、懲りずにご来場くださいませm(_ _)m

小規模吹奏楽部の味方!変則器楽合奏はいかが? 

今日もなんやかんや遅くなってしまいまして、こんばんは。。。

 

今日は小規模吹奏楽部の見方となりうる、心強いアイテム。バリアブルコンサートバンドシリーズについて書いてみようと思います!

 

 

 

小規模吹奏楽部の味方変則器楽合奏のすすめ

昨今の少子化…等のあおりを受けて、数名といったごく小規模で活動している吹奏楽部さんたくさんありますよね?

時代を受けて、そういった吹奏楽部の現状に対応した譜面がたくさん販売されています。

それをご紹介していこうと思います!

 

関連記事

極小吹奏楽団向けの記事をまとめたものです!

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バリアブルコンサートバンドシリーズ

さて、弊社開発のバリアブルコンサートバンドシリーズをご紹介してみます。

最低4人から演奏可能で、フルバンドでも演奏できます。

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 リンク先に、金管四重奏想定の音源とフルバンド想定の音源がありますので、お聴きください。

 

こちら、裏仕様なのですが、実はソロ楽器1つとピアノという編成でも演奏できたりします。

裏仕様版の動画はこちら

www.youtube.com

 

基本的な使い方のご説明。こちら、管楽器は12パート+ピアノ(キーボード)+打楽器(数変動、なしの曲もあります)という形で書かれています。

このシリーズであれば、どの曲も共通です。

で、基本の最低の4人~という使い方は管楽器12パートから必須パート4つを選択して演奏していただく形になります。

このため、12パートすべて埋める必要はありません、また5名以上の場合は4パートを重複させてもよいですし、パートを増やしていっても構いません。

というような作りになっています。

 

他社さんの 小編成対応楽譜あれこれ!

他社さんの小編成対応楽譜もご紹介してみたいと思います。

ミュージックエイト小編成対応楽譜

吹奏楽販売もと老舗のミュージックエイトさんから小編成でています!

赤鼻のトナカイ 少人数吹奏楽(QQ-243)

赤鼻のトナカイ 少人数吹奏楽(QQ-243)

 

 たとえば、これですが「クラ、アルトサックス、ラッパ、トロンボーン、ユーフォ」の5名から演奏できるのですが、吹奏楽編成でもちゃんと演奏できるように作られています。

ということは、このパートのライン以外は埋めなくても演奏可能です。

このシリーズいくつか演奏したことがありますが、パーカッション以外は基本的に同じ構成で書かれています。

アレンジャーさんにもよりますが、この「赤鼻のトナカイ」なんか素敵なアレンジでとてもよいピースです。

 

 

ブレーンのフレキシブルアンサンブルシリーズ

こちらも、大手ブレーンさんの譜面です。

www.brain-shop.net

フレキシブルアンサンブル楽譜、とかかれているとおり、小編成吹奏楽というよりは

アンサンブルの譜面です。

大き目な編成の曲については、「その編成以上で演奏可能」という表記もされており、バンドでの演奏にも対応していそうです。

曲ごとにパート数が異なります。

基本的には、指定されたパートは埋める必要があります。

 

その他の出版社のフレキシブルアンサンブルもこの形に倣っているものが多いと思います。

 

 

ASKS Windsのコンバーチブルアンサンブルシリーズ

askswinds.com

こちら、ブレーンさんのフレキシブルアンサンブルシリーズに近いと思います。

楽曲ごとに必要なパート数が変わっておりますので、調べる必要はあります。

特定の数パートがあらかじめ書かれており、そのパートは埋める必要があります。

 

さて、まとめてみます。

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各社小編成対応譜面比較

さて、こんな感じです!

HIDの楽譜出版はミュージックエイトと構成が似ていますね。

しかし、音源を聴いていただくとわかると思うのですが、バリアブルコンサートバンドシリーズは四重奏と比べてフル編成になると豪華で飾りが増えたように聴こえませんでしたか?

 

この後は、ここを補足してみたいと思います。

 

バリアブルコンサートバンドシリーズのオリジナルな点

まず、バリアブルコンサートバンドシリーズの管楽器のみの譜例をご用意しました。ご覧ください。

こんな感じになっています。

f:id:ilyich888:20190302084528p:plain

バリアブルの例

 

オブリガート2パート、選択必須1および選択必須2が3パート、オプションが2パート、バスが2パートの管楽器パートは計12パート存在します。


わかりやすくするために、パート名などは編集していますが、選択必須1と選択必須2のうち、片方とベースを選ぶことで四重奏が演奏可能になっています。

*ベースについては、高音アンサンブル用に、このおおよそ1オクターブ上のパートも存在します。

 

イメージとしては、選択必須1は高音木管、選択必須2は金管やサックス群の印象です。

さらに、選択必須1と選択必須2から混ぜて選ぶことも可能です。(ただし、混ぜる場合はパート交差を避けるため、一番上のパートは選択必須1推奨です)

 

 

オブリガートパートが充実している。

1番上の組段を見ていただきたいのですが、オブリガートパートが2つ用意されています。

フルートやピッコロ想定の上の音符とユーフォニアム、テナーサックスなどを想定している下のパートです。

必須パートにこのパートを足すと、曲がグッと面白くなります。

 

オプションパートにより響きや音色を豊かに

4番目の組段はサポート目的の音符が記されています。ホルンやサックスでの演奏を想定したパートで、和音の補助を担当したり、リズム隊の補助をしたりが主担当ですが、音色の変化を楽しむために、メロディを担当することもあります。ちなみに、この場合、メロディは必須パートに豆符が書かれています。

 

必須パートが選択制である

主に高音木管を想定した必須1とサックス金管を想定した必須2に分かれています。

これによって、各々の楽器にとって無理なく、さらに、充実した響きを作れるようになっています。

また、場合によっては、響きをより楽しむために必須の内声パートがパート1とパート2で異なっているケースもございます。(例えば、高音木管用は分散和音、金管用は後打ちのような)さらに、どの場合においても組み合わせて使うことができます。

 

番外編、弦楽器を混ぜて!?

こんな使い方もできますよ的な。

この動画のように弦楽器を入れて演奏することすらできます。

 

 

ハイドンのディベルティメント第二楽章「セントアントーニのコラール」

www.youtube.com

管楽アラカルトコンサートVol.2 アンコール

2017/2/18 神田キリスト教会にて

 

ブラームスのハイドンバリエーションで有名なあの曲です。このディベルティメント自体は木管五重奏でメジャーな作品でもあります。

 

これは弊社で開発しました「バリアブル4to12シリーズ」を使ったものです。

同じ楽譜を使って、最低4名から最大で中編成以上の楽団でも演奏できることをコンセプトとにしたものです。

コア部分については混声四部合唱(4to12の4)をモデルにしています。

ただし、器楽合奏は一般的な混声四部より音域が広いため、四部を上と下2段構えにしました。

そのほかにオブリガートパートを2つ、補佐パートを2つの合計12パート(4to12の12)。

ここまでが管楽器パート(もちろん、弦楽器でも演奏できます)で、これにピアノとパーカッションを追加した仕組みになっています。

 

このシリーズを作ってみようと思ったきっかけは近くの神社での小型市民楽団の演奏を聴いたことです。

決してバランスが取れているとは言えない編成で、でも、演奏しなければならない or 演奏したい!という団はそこそこあるのではないかなと思いまして…

 

一種のフレキシブル譜なのですが、4~12まで増減できるというのはユニークなのではないかなと自負しております。

 

 

で、この時はアンコールにこれを使いました。その時の編成が4Fl,2Ob,3Cl,2Bn,2Hr,1Tp,1Va,1Pf

ヴィオラ(Va)が入っているのが新鮮*。

 

この時は比較的バランスのよい編成になっていましたね。フルートが多いかな?と思わなくもないけど、音源を聞いてみると全然おかしくない。

プレイヤーの考えでファゴットは同じベースパートをやっていたり(でも、これが当たりだったと思う)、他の管楽器では出せない重低音をピアノが補強していたりと、演奏はもちろんですが、取り組み方にファインプレーが見られる機会でした。

さらに、私が現場で多少カスタマイズしております。

 

 

ちなみに、ハイドンのディベルティメントは全曲扱っておりまして、楽章を抜粋して吹奏楽コンクールで取り上げるのも効果的だと思います。

第一楽章を採り上げてくれた学校を見つけたように記憶しております。ただし、現代の吹奏楽曲とは演奏スタイルが全く異なりますので、その点だけお気を付けください。

 

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ちなみに、バリアブル4to12の特徴については、時期外れですが、クリスマスソングメドレーの4人版とフル編成の参考音源とか聞き比べてみると面白いと思います。

 

少子化の今の時代。小編成対応の楽譜はたくさん出てきていますが、小編成に対応している楽譜は大編成だと貧弱に聴こえがち…ですが、このシリーズは急に人数が増えてもちゃんと豪華な演奏ができます!

 

人数が少なくて、毎年吹奏楽コンクールの選曲に頭を抱えている顧問の先生方!この譜面を是非検討してみてくださいね!