土着のダンス、ダンス、ダンス!最新の吹奏楽曲
こちらの記事で告知いたしました通り、本日では鴨川吹奏楽団での演奏動画を公開してみようと思います。
初演の様子
それこそ、最新の吹奏楽曲で、2018/12/16に開催されました、第25回 鴨川吹奏楽団 定期演奏会@南総文化ホール 大ホールでの演奏です!
実は自分もオーボエで演奏していたりします。
舞踏祭への前奏曲
サムネイルはポスターの画像を使わせていただきました。
作曲家目線で言うと、演奏自体は瑕がおおく、粗い部分もありますが、雰囲気は良く出ており、好演といってよいかと思います。
団のコンマス目線で言うともう少し詰めたかったかも…
タイトルの由来
この曲は舞曲のメドレーみたいな楽曲です。1つの完結した楽曲というよりも、いくつかの曲の提示部だけをかき集めて持ってきたようなものなのです(この曲はこれで1つの作品なので、決してつぎはぎではないのですが、確かにそういう面があります)。そのために「今回のダンスフェスティバルの全曲はこれだ!イントロだけお聞かせしよう!」というニュアンスの曲なのかな?と思いまして、舞踏祭の前奏曲と名付けました。
実質的に「舞踏祭のハイライト」と言ったほうが体を表しているのですが、少々味気ない気がしたもので、前奏曲を名づけました。前奏曲の方が格好よくないでしょうか?
ちなみに、舞踏「祭」というあまりなじみのない表現にした理由もありまして、舞踏会でもよかったのですが、土着の曲が多く、敷居の高いものよりもうちょっと血の滾るような「祭」としたほうがより相応しいかなと思い、いうのもあります。
簡単な解説
曲のつくりを簡単に解説してみます。6つの舞曲があるので、それぞれ簡単に触れてみます。
- 「フリアント」このブログではよく出てくる、チェコの激しい舞曲。3拍子と2拍子の交代がエキサイティング!です。
- 「スコチナー」「フリアント」同様にチェコの舞曲。「ホップ、ステップ、ジャーンプ」というリズムが特徴。「タン、タン、ターン」ってイメージのリズムです。
- 「タランテラ」イタリアの有名な舞曲です。命名については、毒蜘蛛etc諸説あります。
- 「パヴァーヌ」です。教会形式の結婚式で新婦さんがヴァージンロードを歩くステップ。ためらいのステップというそうですが、あれがパヴァーヌのステップなんだそうです。それを念頭に作りましたが、厳密には違うような気もしており、「間奏曲」という扱いにしていたりします。
- 「ポルカ」これもチェコの舞曲です。こちらは、世界的にメジャーかも(!?)。ニューイヤーコンサートでもワルツの合間に演奏されますね。3拍子に飽きたころの2拍子といったところか。
- 反復進行を含むブリッジからの「ワルツ」です。こちら、尊敬するチャイコフスキー様の形式を意識しまして、旋律は2拍子(ヘミオラ)伴奏形は3拍子という一種のポリリズムの楽曲となっております。
そのほかに、この曲にも各部分に緩く統一感を持たせる手法として、動機の使い回しをしております。「ミーミ(ミ)ファソ」という最初の楽曲の動機を反行させたり、逆行させたりしています。よーく聴くとわかるかも?
コンクールに使えるのか!?
時間はちょっと短いですが、使える楽曲です。いろんな場面があってバンドの力量を示すポイントは網羅していると思います。
気を付けていただきたいポイントとしては、聞いた感じと演奏、および譜面と演奏の難易度に乖離があるかも!ということです。
これは、楽曲のスタイルに起因します。
たとえば、
- 4分の3拍子で書いてあるのに、実質4分の2拍子×3+4分の3拍子×2という楽曲のスタイル
- 4分の2拍子で16分音符がたくさん書いてあるのに、「1と2と」とテンポを取るような非常にゆっくりな楽曲のスタイル
- 音価が長いのに小節が飛んでいくようなテンポの速い楽曲のスタイル
などです。
逆に言ってしまえば、このスタイルに慣れてしまえば「なんてことはない」とも言えます。
どちらかというと指揮者の力量が問われる曲かもしれません。
どんなダンスなの?
使われている曲、実際どんなダンスなの?という自分の後学のためにも、動画を貼り付けてみます。
ちょっとなじみが薄いかな?と思われる「フリアント」と「スコチナー」についてです。
パヴァーヌは上述の通り、新婦と父親によるためらいのステップ、一つ一つ踏みしめるようなものをイメージしていただければよいかなと思います。
フリアント
なのかな?という動画を発見しました。0:34から典型的なリズムが出てきます。
スコチナー
入手方法
HID楽譜出版にて楽譜を取り扱っております。
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皆さんよかったら、聴いてやってください、演奏してやってください。