POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 かずまるの音楽日記

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演奏上達のために表現も勉強しよう! 楽曲分析のテキスト!

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本日は、演奏上達のための表現学習についてです!

 

 

演奏上達のための 楽曲分析のすすめ

 

技術面の充実著しい吹奏楽

吹奏楽のサウンドトレーニングの教本はたくさん出版されていて、いいものがたくさんあるように思います。DVD付属のものもあって、経験の浅い指導者にも優しいものが多いように思います。

 

その教本の充実ぶりを象徴するかのように、現在の高校生の演奏なんか聞いても、技術レベルが自分の高校生だった当時と比べて飛躍的に伸びているように思います。

これは、素晴らしいことです。

技術に関する練習、訓練は方法論がとても充実してきていますよね!

一般バンドの趣味のメンツでも取り組めるような工夫がされたものがたくさん売っています。 

 

表現面については?

かたや、表現方面については、もう少し進歩できるのではないかな?と思ったりします。

 

表現というと「独創性が大事」「感性のもの」といった抽象的なイメージがあったりしませんか?感性が大事なのは否定しません。

でも、「表現するということ」その実態はもっと具体的かつ技術的なもので、数学的、理系なイメージなものです。文系でたとえるとすると、漠然と気持ちを察する…と言った能力ではなく、文章を読解する能力や、それのみならず文章を構築する能力、論理的に思考し、整理し、分析する能力などが必要です。独創性や感性は+αのスパイスといった感覚で、理路整然としたものの持つ説得力が表現の実態の大半であると考えられます。そして、それは勉強して体得できるものだと思っています。

 

勉強して体得できる根拠としては、現に「いい演奏とは」という分析は多くなされていて、かつ「そのためにはどうするのか?」という書籍が出されているからです。

 

表現豊かな演奏を獲得するためのおすすめテキスト

1つお勧めなのはこちら。 

演奏のための楽曲分析法

演奏のための楽曲分析法

 

 古典派からロマン派あたりの楽曲に適応できる演奏のための本です。

古典派からロマン派あたりを網羅しているということは、いわゆる「現代音楽」といわれるものを除き、現代楽曲にも適用できる部分が多いと思います。

倚音、男性終止、女性終止 etc..なんかPOPSにさえも適用できるものだと言えるでしょう。

 

この本では、実際に過去の楽曲の譜例を取り上げて、和声の機能から、楽曲の構造から、リズムから、アーティキュレーションの付け方や、反復・模倣と対立構造から、旋律の音程の高低差のつけかたから、テンポから…と様々な側面から「こうするとよくなる」という例を提示しています。

 

たしかに、一気に全部を理解して、自分で分析して…と言うのは難しいかもしれませんが、今すぐにでも見分けられる簡単なものから取り組んでみても、大きく違いがでると思います。

 

自分で考えて実践してみることが大事

ここまでで書いたとおり学習することはもちろん大事なのですが、それは自分で表現をするための材料や素材を蓄積するための行為です。その蓄積の上でさらに重要なことは「自分で分析し、考えて演奏する」ことで。また、その「行為」自体が重要だと思います。

 

といいますのも、つい先日地元楽団の合奏を見る機会があったのですが、1度目に注意点を何も言わずに合奏した場合と、1回目を踏まえて「こことここに注意してやってみましょう」といったときの演奏の愕然とするほどの差。

同じ楽団と思えないほどの差です。

注意したことなんて、「フレーズを意識しましょう」ということと「曲のテンポと雰囲気からふさわしい音の長さにしてみましょう」たったその2点だけです。

この指示は、注意喚起をしただけに過ぎず、「どう変えるか?」については、奏者一人一人に委ねました。「こう変えてください」と指示したわけではないのです。

「具体的にこうしろ」という指示をしなくても、変わることはできるんですね。 

考えて、気をつかって演奏するってのはそういうことなんですよね。

主体的な演奏をするというのはいい演奏をするための大前提だと思います。 

 

周りと合わせることを最重要視してよいのか?

よく「周りをよく聞いて」という指示があると思います。それは確かに大切なことだと思います。大勢で一つの物を作りだすのですから、役割や目指す方向性など、合っているべきでしょう。ただ、「周りと合わせる」ことを最重要視するがゆえに、主体性を失うのは本末転倒でしょう。みんなそれをやってしまったら、なんら訴えかけるもののない、メッセージ性のない演奏になるでしょう。それは想像に難くありません。

まずは、「こうしたい」という能動的な欲求が一番にあるべきで、「合わせる」だとかいうものは、その付帯的なものであるべきだと考えています。

「こうしたい」という事が、個々人各々もっており、かつ同じ方向を見て演奏した結果「合っている」というのが、理想的な演奏だろうと考えています!

 

表現は主体的に!考える下地・根拠は勉強で習得可能! 

 時々「音楽は感性でやるもんで勉強するもんじゃない」なんておっしゃる方がいらっしゃるように思いますが、「面倒だ」とか「やり方がわからない」だけなんじゃないかろうか…なんて思っています。

でも、表現方法は勉強可能である…という発想がただないだけなのかもしれませんね。

でも、勉強できます!

 

こちらの本是非お勧めです。見てみてください。

 

倚音(強拍にいきなり表れる非和声音)に関する記載があるのが何と言ってもよいです。倚音、演奏の勘所ですよー!

 

是非、表現の勉強して、確かな根拠を元に表現豊かな演奏をしましょう。

 

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この記事で取り上げました、非和声音の見分け方について、触れています。

www.petit-orchestra.jp