実は、完成した後の自己評価が低くて、あまり積極的に公開したくないなと思っていたのですが、改めて聴いてみると、「いや、そんなこともないな」とちょっと見直してみたので、記事を書いてみます。
変り種金管バンドアレンジ「ショパン on Brass」
出版社から「フックト・オン・クラシックスのような作品がほしい」との要望を受けたことがありました。

- アーティスト: ルイス・クラーク(cond),ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: リスペクトレコード
- 発売日: 2010/07/14
- メディア: CD
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それでやってみようと思ったのが、敬愛するチャイコフスキーとショパンでした。
ショパンて、ピアノを習っている人からするととてもメジャーだし、一般認知度も高めなのですが、作品のほとんどがピアノ作品のため、金管バンドや吹奏楽経験者は案外なじみがないのです。
それが、もったいないなーということで、題材にしたのでした。
しかし、なかなか難しかった…さすがピアノの詩人である。ピアノに最大に最適化されているのである。器楽での使用に耐える曲がなかなか見つからず。。。
うぅぅと泣きながら作った(ウソ)結果できたのがこれだ。
参考音源動画
ショパンの楽曲の中で、器楽にも使えそうな楽曲。舞曲のポロネーズ、ワルツと雨だれの前奏曲、有名ではずせないだろうということで別れの曲を入れました。
子犬のワルツも有名だけど、ちょっとこれは金管では… だし、ノクターンは出版社発売の別の作品に含まれているとのことではずしました。
だいぶ単純化しましたが、最低限伝わる音形には(たぶん)できたし、器楽でやってもそこそこ映えるものになったかなぁという自己評価です。
演奏はなかなか難しいかも
ショパンの楽曲はピアノソロ曲なので、どうしても合奏でやると、アゴーギクなどの面白さは出ませんし、このレーベルが小学校金管バンド部向けで、難しいパッセージを避けるアレンジにせざるを得ないので、原曲のよさを完全に再現するのはちょっと難しいかなぁ…
だけれども、作曲家も楽曲も認知度高いですし、ピアノを習っている子や親御さんが「あ、聞いたことある曲」と思ってもらえるようなレベルのアレンジにはなっているかなと思います。
1つ失敗したなというのが雨だれの前奏曲の旋律を長く長ーくコルネット単体にさせてしまったこと。スタミナ的にきついですよね…
金管楽器(特にトランペット)やオーボエの書法で気をつけなければならない点でした…
没になった曲「木枯らしのエチュード」
このアレンジも、何度か差し戻しがありつつこの形になりました。
で、最初に「ダーメー」といわれたのが「木枯らしのエチュード」のアレンジでした。
木枯らしのエチュードといいますと…
こんなんです。
最初はいいんですよ。最初は。
主部が始まったときの右手を見てみていただきたいです。16分音符の6連符の激しいパッセージ。
「これを選ぶか!?○カなの?」と出版社さんは思われたに違いありません。
でも、入れちゃったんですよね。さすがに16分音符の6連符は避けて8分音符の3連符で半音で下ってくる感じには変えましたが…
これならいけるんじゃね?と思った自分に「ちょっと、君は難易度の設定感覚が狂ってるからもう一度勉強してきなさい」と言ってあげたいが、これを作ってから数年たった今でも反省できているかどうかは不明である。
でもね、個人的には推しだったんですよ。この曲。
ラストの英雄ポロネーズの前に配置されてたんです。
木枯らしって書いてあるくらい、暗く激しい楽曲。木を枯らすような寒く吹きすさぶ風…ショパンのエチュードで一番好きな曲だったりします。
今までのゆったりした雰囲気をぶち壊して、全金管の強奏で荒れ狂う。。。すべての生き物の火を消す風。。。
いやぁ、素敵な気がしますよ。小学生向けではなかったかもしれないけれども。
初版が残ってて聴いてみました。
むしろ最後の英雄ポロネーズいらねー。この転換おかしい。。。って感じでしたが、金管の木枯らし聞きたかったな…
ということで、完全に趣味でその部分の動画を作ってみました。
改めて聴いてみると、小学生向けでこれはないわ(苦笑)
一部を除き、大人も嫌がるわ。たぶん…
でも、やってみたかった。
0:50秒あたりから、ゲームのボス戦の音楽っぽくて燃えたりしたかもよ???
楽譜の入手
ティーダ出版の金管バンド、リコーダーポップス専用レーベル、コラージュ音楽出版よりお買い求めいただけます。
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