POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 田丸和弥の音楽日記

鴨川出身の作編曲家が、作編曲家、演奏家、音楽愛好家さんへの便利情報を提供します。時々鴨川ネタもご紹介

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館山市の成人式で演奏してまいりました~拍感とテンポ感の妙~

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大分開けてしまいましたが、おめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、ここ数年間、地元の近隣自治体である館山市の成人式に参加しております。といっても、祝われる側ではなく、祝う側で…とでも言いましょうか。

 

お世話になっている先生率いる合唱団が、式典の合唱担当をしているためです。式典では外せない国家「君が代」の歌唱と「館山市歌」の合唱がメイン担当です。この2曲は合唱を聞かせるのが目的ではなく、式典参加者が歌いやすいようにリードする役割を担っております。

こういう役割って結構大事だと思っております。「さくら」ではないけれども、先導してくれる人がいたほうが参加しやすいって人は多いもんです。

さすがに、「君が代」を歌えない人はかなり少数派になると思いますが、市民の歌については、市民であっても案外歌えないものであったりします。

 

これが本編の役目でありますが、実は前座がありまして…このブログでも何度か触れておりますが、故三善晃作曲の難曲「館山賛歌」の歌唱という重大任務があったりします。

 
すでに何度かピアノ伴奏をやっておりまして、1年数か月前(かな?)にやったときの記事です。

www.petit-orchestra.jp

 

恥ずかしながら音源もあったりします…

 

本当に生命力を吸い取られる...というか、エネルギーを使わないと弾けない曲というかな曲でして、毎度毎度弾き終わった後は疲労困憊です。

たいして長い曲ではいのに。です… 30分くらいステージよりよほど疲る、曲の持っている力なのでしょうか、本当にびっくりします。

 

さて、この音源だと、ゆったりした曲だなと思われると思います。なぜならば「指定のテンポよりだいぶ遅いから」です。

でも、私この曲、こういうものだと思っていたのです、はじめに触れたのがこれだったので。

 

インテンポからすると、そこそこ遅いのですが、面白いことに、このテンポでももったりした感じには聞こえないんですよね。

テンポというのは案外繊細なもので、「ぴったりこれじゃないといけない」というケースはまれ(というか私は知りません)なのですが、でも曲にふさわしい範囲というものはあるものでして、それを速いほうであっても遅いほうであっても逸脱した場合、曲の雰囲気をぶち壊してしまうものであります。

しかし、この曲については指定のテンポよりもだいぶ遅いのに、とてもおかしい感じには聞こえないという。ちょっと不思議なところであります。それも曲の懐なのでしょうか。(単に遅さに慣れてしまっただけという可能性もありますが、とは言え、聞けないテンポではないんですよね)

 

そう、なのでこの曲はずっとこのテンポでいいもんだと思っていたのです。

 

が、しかし、今回の成人式においては、この慣例には乗らず、ほぼインテンポで演奏いたしました。と言いますのも、この曲を今年度の記念イベントで歌うという試みがなされておりまして、それに向けて特訓がなされたんですね。

 

正直、私はビビりました。やべぇなと。いや、前と同じテンポだろうと思っていたもので…

でもね、やっぱり作曲者が想定した曲想に近づけるという行為は尊いなと思いまして、頑張りました。

 

その結果、この曲の本当の姿を垣間見ることができたのかもしれません。

 

テンポアップの幅については、実際はさほどでもなかったと思うのですが、劇的に変わったものがあります。

拍感です。

 

この楽曲、一体何拍子で書かれていると思いますか?

動画を見るとわかっちゃうね...

 

4分の4拍子?

 

どの4分の4拍子?

 

最初のフレーズでいえば「ちきゅうが」までの4分の4拍子だと思われる方もいるのではないでしょうか。

 

私、楽譜も動画を見ずにこの譜面を見たらそう思うと思います。

 

実際は、「ちきゅうが」から「みているのは」までを含めた4分の4拍子で書かれています。

かなり長いんですよね。譜面を見ると歌のパートにおいても16分音符がぎっしり詰まっています。

 

ただ、動画をご覧になるとわかると思いますが、8分音符単位でわずかに拍を細分化して振っているのがお分かりでしょうか?

 

そうなんです、8分音符単位の曲に聞こえるんですね。

もともと演奏していたテンポだとこのように聞こえるんですね。

 

ところが、今回テンポアップした演奏を聴くと、4分の4拍子に聞こえるようになりました。

というか、テンポアップして、感じる拍の単位が倍になったことでグルーブが変わったといいましょうか。

私の感覚的なイメージでいうと今までは4分の4拍子×2だったのが2分の2拍子×2になったとでも言いましょうか?

伝わりますでしょうか?

 

4分の4拍子と2分の2拍子は、入る音符の数は同じですが、全然別の拍子だったりします。

ノリが変わるとでも言いましょうか。

 

ここら辺、拍子の話も書いてみたいなと思いつつ、ちょっとすぐにはできなそうなので、置いておきます。

 

ちなみに、小さい頃の私は8分の6拍子が2拍子であるということが理解できませんでした。8分音符2つ×3の3拍子だと思っていました。先生に何度説明されてもわからず。あるとき、ぽっと理解しましたが…

6つの八分音符を2つの塊×3と解釈するのと3つの塊×2と解釈するのは全然別でして、8分音符8個と4分音符4個を合計した音価は同等ではありますが、拍を8分音符単位で解釈するのと4分音符単位で解釈するのは全く意味が異なってしまうのであります。

拍子も奥深いですよね…

 

音源があれば、聞き比べしてもらえるのですが…何か機会がございましたら、是非。

 

ということで、何度も演奏している曲でも新たな発見があるものなんだなと、新年早々興味深い経験をいたしました。

 

さて、まだまだキラキラしていて未来のたくさんある新成人の皆様の前途を祝して新年のご挨拶とさせていただきたいと思います。

 

ま、これが2020年最初の記事ではないんだけれども...