今日はこんな記事を書いてみようかなぁと。
私は、弱めの絶対音感持ちであります。「弱めの」と書きましたのは、楽音の音名はわかるのですが、噪音については全くピッチのある音と感じられないからであります。
また、442HzのAと440HzのAを単独で聴かされたら聞き分けられません。
という程度の、あいまいな感覚ではございますが、なんとなく持っています。
調性に持っているイメージと曲紹介
で、そんな私が調性に持っているイメージを書いてみようかなと。
例えられる部分については色も併記。
以下、個人的な感覚です。
好きな調性やネタの多い調性は言及多め。
ハ長調(♮)は白。無垢、鈍感、丸裸にされる印象、威風堂々 or ダサい、というイメージがあります。曲調をとても選ぶ調性のイメージです。一歩間違えると「ダサっ…」となる調性で、半音ずらせば複雑な響きになって、全然聞けるのに…なんて思うことがあります。この調で聴かせられる曲を書けたら、すごいと個人的に思う調。
ハ長調で一番好きなのはこれかも。

- アーティスト: ラトル(サイモン),シューベルト,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2006/01/12
- メディア: CD
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二長調(#2)は黄色とか日光の色みたいなイメージ。一番健康的な美しさ、明るさというイメージ。ホ長調より少し大人になって、堂々としている。
ブラームスの交響曲第2番の4楽章はよい!

へルベルト・フォン・カラヤン指揮. ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ブラームス:交響曲第1番・2番(LaserDisc)
- 出版社/メーカー: Unitel
- メディア: エレクトロニクス
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ホ長調(♯4)は青。一番好きな調性です。晴天の空、若さ、若干繊細で危なげのある美しさみたいなイメージです。基本的に明るいんだけれども、若干病的な元気をまとっているイメージ。
この調は好きな曲がおおいです。
これは同種調のホ短調の曲ですが、ホ長調になったところの響きが良い。第一楽章再現部小結尾とか大好き。

- アーティスト: アバド(クラウディオ),コチェルガ(アナトリー),チャイコフスキー,ムソルグスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2003/12/17
- メディア: CD
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これも基本ホ短調なんだけれども、曲の最後のホ長調のところが好きすきー。
ホ短調が好きなのか、ホ長調が好きなのかがわからなくなりますな…
変ホ長調(♭3)は水色。吹奏楽ばかりに身を置いていた時期に一番好きでした。ホ長調より安定していて、より大人っぽく落ち着いたイメージ。
マイナーだけれども、これ好きです。若きリヒャルトシュトラウスの作品。
ちょっと、ごちゃごちゃ聞こえやすい箇所(第二主題)があるのが難点かも。
他にも、ヘ長調(♭1)はのんびり、田舎のイメージ。変イ長調(♭4)はロマンティック、大人、渋い、夜。変二長調(♭5)は変イ長調を少し病的にした感じで、変ト長調(♭6)はもはや非人間的な宇宙っぽい感じ。
ハ短調は(♭3)は堂々としたでも、思いつめた決意みたいなイメージ。
この曲、大好きです。ソナタ形式の構成美という意味でも秀逸だと思っています。
たしかこれだったと思う。ジュリアス・カッチェンの演奏。
最初にこの曲を聞いたのが、このCDで、快速テンポに魅了されました。
Mixの問題か、ほんの一瞬音が乱れるのが残念だけれども、この早いラフマニノフ聴いてほしいです。アドレナリンでまくり。

- アーティスト: カッチェン(ジュリアス),チャイコフスキー,ラフマニノフ,ショルティ(サー・ゲオルク),ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,カーゾン(クリフォード)
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 1994/05/25
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ホ短調(#1)はもの悲しい、へ短調(♭4)は苛烈な負の感情etc...
へ短調のダントツ一位はこれだ。
交響曲の中でも一番好きかもしれない。長大な8分の9拍子の第一楽章がいいのですぞよ。

- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),チャイコフスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: CD
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調性固有の響きや色が本当にあるのか?
これ、どうなんでしょうね?今のオーケストラやピアノなんかは、440Hz~442Hzあたりで調律することがほとんどですが、大昔はこんなルールなかったようなんですよね。
なので、現代の調律からすると半音~全音くらい高低差があった模様。
仮に作音楽器のみで構成された合奏形態であれば、たとえば、現代のハ長調で聴こえる曲は変ロ長調やニ長調で演奏された可能性があるということになります。
ただし、平均律前の調律の場合は、オクターブを12等分したわけではないので、例えばハ長調のドとソの距離と、ロ長調のドとソの距離が異なるといったような調律がされておりました。そのため、きれいに響くと調性とそうでない調性というものができてしまい、ある調性のその綺麗さやある調性の少し濁った感じなど、調性ごとに個性があったということは念頭に置かなければなりません。
古楽調律では、確かに調性ごとに異なった響きが聞こえたわけです。
ただし、現代の12平均律や、作音楽器で作られる調性ごとの純正な響きの場合は、「ドとソの距離が異なる」や「調性ごとに響き方が変わる」ということは起きないはずなんですよね。
そういう意味では、調性ごとに色が変わるというのは、錯覚なのでしょうか?
そんなこともないと思います。
仮に、絶対音感を持っていなくても、同じ曲を異なるオクターブで演奏したものを聞いたら受ける印象はかわりますよね?
また、演奏しにくい調をわざわざ選択して設定するという意味が薄れるような気がするのです。転調の考慮や、その楽器、歌い手の得意な音域に収まるようにという動機による調選択をすることももちろんあるし、それは大きな理由だったりするのですが、それだけだったら主調の選択肢はもうすこし狭まっているのでは?と思ったりはします。
なーんていいつつ、吹奏楽では♭系の曲ばかり書く私…♯系への転調はしばしばいたしますが…
実際のところ、答えはどうなんでしょうか?
その調性で書かれた曲のイメージが調性のイメージに結びついているんじゃないの?なんていう言もきかれたりしますね。
卵が先かニワトリが先か…ではないですが。
少なくとも、私は現代の一般的な調律の範囲内において、調性による何らかの色彩の違いを感じると思っております。
その人の感じたいように感じるのがいいのかな?(という、え、何もいってなくね?的な締め)
雑談の話題としては非常に優秀なトピックではないかな?と思っております(^_^;