こんばんは。みなさんいかがお過ごしですか?
私は夕飯を食べすぎて、ちょっとくるしいです。
さて、与太話はここまでにして、本題です。
金管楽器のピッチ 倍音の落とし穴!
さて、金管楽器を演奏するみなさん、自分の各音のピッチには自信を持っていますか?ばっちりです!という方は、読まなくていいかもしれません。
自信がない…という方や、よくわかんないや…という方。役立つかもしれませんよ。是非お読みください。
さて、金管楽器奏者のみなさん、合奏中はピッチを常に気にしているという方や、楽器の癖わかってるよ!って方、たくさんいらっしゃると思います。例えば、バルブをたくさん組み合わせる音の音程が悪くなりがちである。ということは、ご存じの方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、倍音列に起因する音程の問題は多くの人が把握していないのでは?と合奏を通して思いました。
倍音列に起因する音程の問題とは?
倍音列の振動数の特徴と考えていただければよいかと思います。
金管楽器奏者のみなさんは倍音列、ご存知ですよね?これを使わずに演奏することは不可能ですからね。
第一から第八倍音までの例を図で示してみたいと思います。
この図をご覧になったことのある方は多いと思います。
トランペットやトロンボーンなどの金管楽器は、この図のうち第二~第八までをつかって演奏することが多いですよね。
で、ちなみに、この倍音列ですが、振動数はどういう関係になっていると思われますか?
第一倍音と第二倍音の振動数の比はいくつでしょうか?
1:2です。
同様に、第一倍音と第三倍音は1:3
第1倍音と第八倍音は1:8となります。
ここで得られる音程は純正律であるということがポイントです。(たとえば、第7倍音は低すぎて使えない…なんて聞いたことありませんか?)
そうです、純正律であるということは、平均律より高い音や低い音があるということなんですね。
例えば、第三、第六倍音は平均律よりわずかに高く、第五倍音はかなり低くなります。
ここまでで、ピンと来る方がいるかもしれません。
はい、問題は第五倍音です。
第五倍音は音程が低い
例えば、トランペットで言えば、ト音記号第三管のド♯~第四管のミまでの音はこの倍音を使うことがほとんどだと思います。よく使う音域ですね。
このピッチが低くなるということを意識して演奏している方、どのくらいいらっしゃいますか?
バルブを使う音は気を付けていても、開放音は盲点。ここが低くなるということ、案外見落とされがちではないかと思われます。
「え、でも純正律の音程なのに、問題になるの?」と思われる方。もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、問題になります。
例えば、上の第六倍音のミの音ですが、Cの和音の第三音のミであれば、このままで綺麗にハモれます。
ですが、仮に、Aの和音の第五音のミだとしたら?仮にC#mの和音の第三音(短三度)のミだとしたら?と考えればわかっていただけるかと思います。
また、旋律の演奏にそのまま純正律で得られた音階がふさわしいか…という問題もあります。
木管の場合は???
蛇足…的になりますが触れてみます。
オクターブキーのある楽器は想像がつくと思いますが、第二オクターブは第二倍音を使っています。もっと上はどうなのか?と言われると…音によって違っていて、中には第5倍音を使っている音もあったりします。木管楽器の最高音域のピッチがめちゃくちゃだったりするのは、音孔の都合だけでなく、この使っている倍音の影響も大きいです。
文字に起こしたり図を作ってみたりって、大事…
ここまで読んでいただければ、第五倍音を使う音はきをつけるべし!という理由がわかっていただけたと思います。
かくいう私、合奏中に何度もこの問題にぶつかったことがありまして、つど、口で説明をしていたのですが、聴いていたみなさんわりと全員「ぽかーん。。。」としていたように思います。
あー、あの時この記事が書けていれば…なんて思いました。
頭の中だけで考えるのではなくて、実際に文字に起こしてみたり、図を書いてみたりって大事だなと改めて認識いたしました。
今度同じようなことがあったら、この記事つかってみよーっと。