このタイトルでピンとくる人はある程度以上にピアノに造詣が深い人でしょう。
これは、ショパンのエチュードOp.25を締めくくる最後の2曲。通称「木枯らしのエチュード」と「大洋のエチュード」のことです。
なんでこんなタイトルを付けたのかと申しますと、単純でございまして、最近取り組みだしたからであります。
木枯らしのエチュードは多分高校生くらいの時に取り組んだことのある曲です。
公開されている動画から拝借をば…
自分の動画を貼り付けられるくらい上手に弾けるようになりたいものです…
練習曲ですので、もちろんある特定の奏法の習得を念頭に置いたパッセージが存在するわけです。言い換えれば、繰り返しなど、何等かの単調な部分があるということになるのですが、この「木枯らしのエチュード」については、そういう側面はありながらも、構成が大変優れておりまして、単一の楽曲として聞いた場合においても大変面白く魅力のあるものになっています。
大好きなピアノ曲の1つです。
最初に取り組んだ時、当時の私は「おぉ!結構弾けたぞ!」なんて思っていたんだと思いますが、リベンジをするたびになんていい加減だったんだろうと思い知らされます。
なんとなくそれっぽく聞けるように弾けていただけでミスタッチが多いとかいうレベルではなく、ゆっくり弾いても正確に弾けていないような状態で「で~きた!」としていたということです。
趣味のピアノとしてはこれでもいいのかもしれませんね。
しか~し、時間をおいて、そして歳を重ねて取り組んでみると、そんな適当な状態では満足できないわけです。
そもそもこの曲が大好きで、リベンジは何回かしているのですが、買いを重ねるごとに正確さは増していると思います。
今回はリベンジ第3弾か第4弾です。
ショパンのエチュードの中で最も難しいものの一つともいわれているようですが、個人的な印象では、重心移動のスパンが長めというか、続けて同じ方向に移動する時間が長めというか、といった印象で慣れてしまうと以外と弾けちゃう印象ではあります。
個人的には10-1とか10-2とか25-6のほうが難しいような。。。これらも、最高難度のグループに属していますが…
もう40年近くも生きていますし、そろそろ大人な演奏(というと大そうに聞こえますが、ごまかさない演奏)を、今度は人に聞かせられる程度のレベルの演奏を目指します。
さて、もう一つの方「大洋」については、まともに取り組むのは今回が初めてです。
同じく拝借をば…
「大洋」のエチュードは正式にはOp25-12、ハ短調の練習曲です。Op25のトリを飾る楽曲です。
第三者による愛称がついている曲ではありますが、同じ愛称のついている「別れの曲」「黒鍵」「木枯らし」などと比べると、若干マイナーで一般認知度は低い楽曲かなと覆います。
高校生当時はその存在を知らず、楽譜を見たのは大人になってから購入したショパンのエチュード集をみてからでした。
このエチュード集には、Op10とOp25の全24曲がすべて収録されているため、Op25最後の曲であります「大洋」ももちろん収録されており、ちらっと弾いてみたことはありますが、その時はいまいち取り組む気になれず最初の方をちらっと弾いただけでやめてしまいました。
音型がとても単調で構成のシンプルであったため(あくまでも「練習曲」なので、ある程度特定の技術習得のためパターン化しているのは仕方ないのですが、それにしても…)、「なんかつまらない曲だなぁ」と思ってやめてしまったのでした。
なぜ、その曲に取り組んでみようと思ったのかと言われますと、「木枯らしの次に入っている曲であったから」です。
そう、たまたまなんです。
そんな低めなテンションで取り組んでみまた曲ではありますが、多少我慢してある程度弾けるようになりますと、「あらあら素敵な和声を持っているではありませんか」と良さがわかり始めて来ました。
和音を奏でられ、和声進行を聞かせられること、自分で感じ取りながら演奏できること、分散和音においてもそれが可能であることというのは、ピアノという楽器の大きな大きな、根幹の1つをなす特徴だと思うのです。
そういう意味で、和声を聞かせられるこの楽曲はピアノにふさわしい楽曲なんだと思います。
こちらの曲も完成させてみたいなと思います!
ということで、ここ最近の近況報告でございました。。。
以下「大洋」についての蛇足です。
練習してみて気づいたことがあるので、気づきということで書いてみます。
あまり面白くない記事だと思いますが、もしかしたらこの曲を取り組む人のヒントになったり共感してもらえるかもということで、ちょっと書いてみます。
この曲は「木枯らし」と比べると一般に難易度が低いと考えられている楽曲であるようで、(確かにある程度弾けるようになってくるとなんとなくその意味するところは分かりますが、)この曲のほうが難しいと考えられる点もあります。
と言いますのも、私は多分、比較的この曲で必要とされるテクニックについては弱いかなと思います。
この曲の作りは単純で、「同じ構成の分散和音をオクターブをまたいで上行し下降する」ということを繰り返す曲であります。
この「同じ構成の分散和音をオクターブをまたいで上行し下降する」ということで必要とされるのは、スムーズな重心移動です。
この曲を取り組んでいて、重心移動にも2種類あるなと自覚しました。
「鍵盤の位置が異なることによる重心の違い」と「上行と下降による重心の違い」です。
例えば、鍵盤の左端の方を引く場合は、体の重心は左側によります。手首はどちらかというと左側に突き出ます。右側を引く場合は逆になりますし、中央を引く場合はこのどちらでもありません。
また、上行音型の場合は弾き始めの低音に位置する指を支点の様にして弾くことになり、下降音型の場合は逆になります。
自分のこの重心が苦手です。
なぜこんなことになったかと言いますと、どうやら体の使い方をあまりよく考えずに弾いていたようでして、無理な体勢のまま弾き続け「あれ?なんでうまく弾けないんだろうか?まぁ、いっか」と済ましていたからのようです。
30年以上弾き続けてきて今やっとこのことに気づくという、超絶などんくささではありますが、身体感覚に意識をして取り組んでみようかなと思っております。
そのうち、音源公開できたら、いいな…