POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 かずまるの音楽日記

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演奏に一番必要なの主体性そしてその裏付けの大切さ

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本日は、ちょっと原点に立ち返って音楽の話を持ってこようと思います。

テーマ「音楽に一番必要なのは主体性」です。
そんなの言われるまでもない。とお思いの皆様、そうでしょうそうでしょう。かなりのみなさんはきっとそう思って取り組んでいると思います。
ただ、ただですよ?主体性と言ってもレイヤーや気を付ける分野がいくつかあるように思います。

そもそも、テーマの主語がでかいので、私自身、全部把握しきれていませんし、漏れがたくさんあると思います。

 

でも、一伴奏者として、(一応)アマチュア吹奏楽団を指導したことがあるものとして、感じたことをしたためてみようかと思います。

 

何か考えるきっかけになれば幸いです。私も、書いてみたり、反応を頂いたりしてよりよい演奏につながるきっかけにしたいなと思っております。

 

 

演奏に一番必要なのは主体性

 

主体的に演奏するってどういうこと?

って思いますよね。いろいろレベルがあると思います。自分が思うものを一つ一つ書いていこうと思います。

 

音楽に触れようと思った時点で大きな第一歩

歌ってみた、とか楽器を始めてみた。というのも音楽に主体的に取り組もう!という大きな大きな第一歩だと言えるでしょう。

今回は、もっと進んだ先のお話(たとえば、合奏に臨むようなレベルのお話)をしたいと思っているので軽くしか触れませんが、でも実際は、一番忘れてはいけない

 

音が出せるようになった、楽譜が読めるようになった

これもある意味主体的な行動の一つかもしれません。仮に楽譜が読めなくても聞いて覚えて演奏できるようになった。なんていうのも一つの例かもしれません。

 

タイミングや音程を合わせられるようになった

人とアンサンブルをしようという場合においては、これも立派な主体的な行動の一つではないでしょうか?合奏に加われる準備ができたと思います。

 

さて、こっから先がなかなか難しいです。レイヤーもバラバラかもしれません。同時にこなさないといけないことかもしれません。

 

指揮者の意図を読み取れるようになった

これも、音楽をトータルで作り出そうと考えた場合、主体的な行動と言えるでしょう。ただたんに、指揮者の指示通りに演奏する。というのと異なります。指揮者がどういったことをイメージ、考えてこういった指示をだしているのかを読み取れるようになった。ということです。

これが出来たら、かなーり上級者…と言えるかもしれません。

この後、一番言いたかったセクションがやってきますが、「指揮者の意図を読み取れるようになった」というのも、次のセクションと非常に関連の強いものです。

 

今必要なことを考えながら演奏できるようになった

このセクションが、今回一番いいたいことであります。というのも、とてもないがしろにされていることが多いと感じるからなんです。

 

このセクションもレイヤーがいろいろありますが、上手く分けられないのでいっしょくたに書いてみます。

 

このレベルになり実現できるようになると、ぐんと主体的な演奏に近づくことでしょう。

例えばどういうことかと申しますと(とは言っても、抽象的なのですが)

今音楽はどういう場面なのかまた、自分が担当しているのはどういう役目で、どういうアプローチがが求められているかを考えることができて、それがわかる

  •  音楽をどんどん流していく役目なのか?
  •  流れに乗って自由に歌って魅せる役目なのか?
  •  誰と連携を取るべきなのか?
  •  誰にどういうアプローチをするべきなのか。
  •  相手を導くために、自分はどうしたらよいのか?
  •  相手のやりたいことを感じ取って、(仮にNoであったとしても、それがわかるように)それにこたえられるかどうか(駆け引きですよね)

こういった楽譜に書かれていないこと…いや、楽譜に書かれていないというと、語弊がありますね。楽譜に記号や文字として書き記すことができないが実は書かれていることを理解できて、その実現方法を考え実践できると、ものすごーく音楽的な主体的な演奏になることでしょう。

 

このレベルに至っている人は実はあまり多くないのではと思っています。

 

なぜかと言うと、それそうおうの勉強や経験がないと身につかないことだからです。

 

音楽に理論は要らないと言う人のことは信用できない

音楽はもちろん心で演奏するものではありますが、だからと言って「理論は要らない」という人のことは全く信用していません

なぜかというと「理論は要らない」という言葉は、もっとも心がこもっていない人が発する言葉であると考えているからです。

勉強をすること、というのはその物事に真摯に取り組むことです。それは単に知識が増えるとか言う以上に、その人の姿勢が表れるものだと思います。

 

(もうすべてわかってしまったので、これ以上要らないという場合を除き、)「音楽に理論は不要です」という言葉は、音楽に主体的に取り組もうと思うことをまさに放棄していることに他ならないと思っています。

 

本当に理論が不要なのか?

それに、理論や技術が本当に不要だと思いますか?

例えば、同じフレーズが出てきたときに同じように演奏してはいけない。なんて言われたりしますね。全く同じように演奏するとつまらなくなるから。と言われていますが、これを実現することは、心を込めて演奏している。というわけではなく、理論を実践しているにすぎません。

 

技術や理論が要らないというのであれば、どうして形式や調性や、音楽のジャンルというものが出来上がったのでしょうか?

ポップスの大サビで半音転調するとテンションが上がりますよね?

あれは、気持ちで作ったのでしょうか?

 

また、音楽のテンションの表現に音量や音色をみなさんも変化させますよね?これだって、理論にそった行動です。

 

気持ちは、物事を実践するための大事なきっかけで、これがないと始まらないのも事実ですが、でも気持ちを実現して、相手に伝えるには理論や技術が必要なんです。

 

例えば、物事を伝えたいと思っていても、言葉がしゃべれなかったら伝えられませんよ。(いや、伝えらえると言う人はいるでしょうが、複雑なことを伝えられますか?聞き手の事を考えていますか?)

 

たとえば、ひらがなを知らなかったら日本語は書けません。

日本語の文法がわからなかったら、文は書けません。(たとえば、こんな日本語意味通じます?「食べたにわたしでバナナ家は」)

物事を伝えるための構成を知らなかったら、文章は書けません。

 

このたとえば、「ひらがな」だったり「日本語」だったり、「文章構成」だったりも、技術ですよ。

音楽に当てはめたら、例えば「音が出せる」だったり、「譜面が読める」だったり、「フレーズを表現できる」だったりするのかもしれません。

 

作曲するよりも演奏するの方が主体的になるのは難しいかもしれない

ものを作ろうとする場合はいいんです。作りたいものがあってやっているんだから、当然主体性を伴った行動なわけです。

かたや、(楽譜に書かれているものを再現する類の)演奏というのは、そうではありません。

自分がすべて作り出すのではなく、人が作ったものを再現する行為です。

となると、一番おおもとのきっかけは自分にはないことになります。

だって、表現したいのは自分ではなくて、作曲者なので。

 

そりゃ、主体的になるなんて大変ですよ。作曲者なり、楽曲なりに寄り添って行って、翻訳して、自分の中で咀嚼してみて、その気持ちになってみて、理由を考えてみて…

 

で、やっと自分の物にできるのでしょう。

 

 

主体的な演奏のために理論に興味を持ちませんか?

ね、だもん主体的になるために、知るのが必要なのですよ。

ちなみに、楽器の演奏ができるのは技術だし、楽譜を読めるのも理論を知っているからだし、合奏に加わっているような方は、既に勉強をしている人なんですよ。

 

それに、プラスアルファをしていくと、格段に主体的な演奏ができると思います。

和声を理解することや。パート譜のみでは理解できないこと、他の楽器との絡みやスコアを読めるようになる必要があるかもしれません。

 

そんな時間がない。。。と言うあなたに

勉強してる時間なんてない…そりゃそうでしょう。現代人は忙しいです。

でも、そんなあなたが合奏を望むにあたってできる大きなことがあります。

それは、まず練習をしていきましょう

合奏で、適切なタイミング、適切な音程で音を並べられる状態にして臨めというのはとても大きいことです。

 

アマチュア楽団の場合、仮にこれができていれば、指揮者が指示を出してくれるでしょう。そしたら、あなたはイメージを持つことができるかもしれないし、なぜそのように演奏しなければならない理由が理解できるかもしれません。

 

もし、これができるのであれば、他の曲への応用は叶わないかもしれませんが、今まさに取り組んでいる曲については、主体的な演奏ができるようになります!

 

そして…もう一つ忘れてはならないのは、指示を忘れない。ということです。

 

忘れちゃうなら書きましょう…

書かずに済むようになれたら、それは素晴らしいことですが、そこまで至っていない場合は…ね。。。

 

理論の勉強になるかもよ?

一歩進めたいあなたへ…

 

楽曲分析のテキストです。薄めで読みやすいですよ。

www.petit-orchestra.jp

 

非和声音というのは大事。(でも、先にコードを分析できるようにならないとダメかもね…その記事もおいおい書く必要があるかも)

www.petit-orchestra.jp

 

 

テキスト紹介

和声―理論と実習 (3)

和声―理論と実習 (3)

 

 和声のテキストです。(ちまたでは、もっといいテキストがあると言われていたりもするようですが…)私はこれを買いました。

 

西洋クラシック音楽(古典、ロマン派までの調整音楽)の影響を受けているジャンルの楽曲においては、和声(和音の流れ、コード進行)がすべてを支配していると言っても過言ではないかもしれません。

 

ちなみに、貼ったのは下巻です。

上・中・下とありますが、「なぜか?」という点が書かれているのは下巻だけなので、下巻を読むことをお勧めします。(全部わからなくてもいいと思います…)

 

私は、理由がわからないことがとてもストレスになるタイプだったので、上、中巻を読むのは辛かったです。(実は…飛ばし読みしてる)

 

ちなみに、こっちの本はすこーし簡略化したものですが、上、中のみで「モーイヤーわからない…」ってなるくらいなら、これを1冊眺める方がお勧めです。

 

総合和声―実技・分析・原理

総合和声―実技・分析・原理

  • 作者: 島岡譲,尾高惇忠,佐藤真,野田暉行,川井学
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1998/12/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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