中学や高校の吹奏楽部に入部したみなさん、入部してしばらくして聞きなれない言葉が飛び交っているのに戸惑ったことはありませんか?
「アー」とか「エー」とか、え、なに?なんかの掛け声?のような…
私は高校の吹奏楽部に入ったときに「なにいってんだろ?」なんて思った覚えがございます。
そう、ドイツ音名のことです。
最初面食らうと思いますが、覚えてしまうと便利なドイツ音名。今日はそれに少し触れてみようかと思います。
Bは”ベー?”ドイツ音名
ドイツ音名とは?
- 日本語の場合は「ハニホヘトイロ」
- 英語の場合は「CDEFGAB」
- ドイツ語の場合は「CDEFGAH」
シャープ方向への変化のバージョン
フラット方向への変化のバージョン
- E音については、"es"ではなく"s"のみを付与します。
- A音については、"es"ではなく"s"のみを付与します。
- H音についてはBに変化します
Eはわかるとして、HはBに変化するんですね!?ここへきてやっとBが出てきました。
ドイツ音名が普及した理由
なぜ日本にドイツ音名が普及したのか?諸説あるようです。
私が聞いたことがあるのは、西洋音楽教育がドイツから導入されたから。というものです。
真偽のほどはどうなんでしょう…
それはさておき、ドイツ音名を覚えると得することがあります。(この中には、覚えていないと困ることも含まれています)
ドイツ音名のメリット「言葉が短い」
ドイツ音名は言葉が短い。たとえば、Ebは「Es」と記述し、発音のイメージは「エス」です。
これはとても大きなメリットになります。たとえば、「Ab、Bb、Cb、Db、Eb」というがあった時、英語の場合は「A flat, B flat, C flat, D flat, E flat」と♭のみで1単語になるので、1音に付2単語発音する必要があります。でも、ドイツ音名の場合は「As,B,Ces,Des,Es」と1単語で済むうえに、発生も少ないです。
例えば指導する場合に、「XX flat、YY flat…」と「フラット」を何度も発音するのは面倒くさかったりします。
実音と記音の使い分け
吹奏楽やオーケストラの譜面においては、移調楽器と言うものがありまして、基音と実際に鳴る音(実音)が異なる楽器がたくさん使われています。
例えば、Bb クラリネットの場合で譜面に「レ」と書かれているときに、実際に鳴る音は「C(ピアノのド)」になりますし、F ホルンの場合で譜面に「ソ」と書かれているときに、実際に鳴る音は「C(ピアノのド)」となります。
そうなるとですね。譜面に書かれている音と実際に鳴っている音が異なるケースがありまして、指導する側はどちらの音を指しているのか、区別して使わないと演奏者を混乱させてしまうのです。
それを防ぐために、よく使われるのが記音(譜面に書かれている音)は「階名(ドレミ)」で読み、実音は「音名(日本の場合はドイツ音名が多いです)」で読むという事が多く行われています。私は「二の音」とか「ロの音」とか、日本の音名を指導中に聞いたことがございません…調性については「ニ長調」とか言ったり聞いたりしますけれども。
ちょい脱線です、私は移調楽器の音の読み方がどうやら特殊なようで、Bb管の楽器のト音記号第四線上の音は「ド」と翻訳する機能が脳にできてしまったため、記音では「レ」と読まなきゃいけないにも関わらず、「ド」と読み替えてしまう…という非常に厄介な症例を持つに至ってしまいました。自分の中に完結しているときは大変便利な機能なのですが、対人に説明する場合は混乱混乱大混乱、自分も混乱、相手も混乱と困ったものです。
吹奏楽、オーケストラの現場でよく使われているため
私は、吹奏楽部とオーケストラ部、また、一般吹奏楽団と一般オーケストラに所属していたことがありますが、どこも使っていました。
合唱の場でも、音楽の知識レベルの高い団では使っていることもあります。
そう、便利とかいう以前に周りが使っていると使わざるを得ない…といえると思います。コミュニケーションが不便になってしまうので…
ということで、覚えようぜ…
なぜ、シがHなのか?
こちらにまんま書いてございました。
そう、これ何かの書籍で読んだ覚えがございます。
ちなみに、フラット方向に転調していったときに、最初にフラットがつくのはシであることだったり、半音階記法の時に通常♯がつくのにシのみ♭でつくことがある…なんてところも関連しているように思います。
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