POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 田丸和弥の音楽日記

鴨川在住の作編曲家が、作編曲家、演奏家、音楽愛好家さんへの便利情報を提供します。時々鴨川ネタもご紹介

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第23回しおさいコンサート終演

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本日、しおさいコンサートが南総文化ホール、大ホールにて開催されまして、無事終演いたしました。
私は三団体、計六曲伴奏いたしましたが、今回は自分でも納得の出来になったかなと思います。

しおさいコンサート終演

地元の有志団体主催、運営の手作りのコンサート

こんなイベントです。
第23回しおさいコンサート| 南房総生活情報誌 CLIP(クリップ)
基本的に、館山や近隣地区の有志団体で主催、運営しているコンサートです。多くのアマチュア合唱団や館山市民オーケストラが日頃の成果を発表しています。鴨川市内の中高生も参加してくださっています。

こういうイベントに出ると、歌って何歳になってもできて良いなぁと思います。さすがに外出できないレベルになってしまうと「発表」という形は難しいかもしれませんが、でも楽しみでやる分には場所は選ばないし、道具も必要ないし、一人でもできるし、みんなでもできるし…
もちろん、楽しめない方はやらないほうがいいと思いますが、少しでも興味があるならば、お勧めの趣味です。
合唱って、頭も使うし、ちゃんと発声しようとすると体力もかなり使うので、お手軽な健康維持にもお勧めです。
オリンピアンの方が「健康維持のために始めたの」なんて言っていたくらいですから!

よい演奏ができました!

さてさて、演奏を振り返ってみようかと思います。

ちなみに、練習の様子(一部)です。
www.petit-orchestra.jp

ぐんぐんうまくなってます シャンテ・アメリィ

館山、神戸地区の女性コーラスです。まだ、結成からは年月が浅めですが、発展著しい団体です!
井上陽水の「少年時代」と加藤和彦の「あの素晴しい愛をもう一度」を伴奏いたしました。
少年時代はなぜかよく歌ったり伴奏したりする機会がありましてよく知っているのですが、あの素晴らしい愛をもう一度もなぜか知っていました。
小学生かなんかのころにPTAかなんかのコーラスで、近所のお母さん方が歌っていたような。多分それでなんとなく覚えておりました。練習回数は当日とそれ以外一回というとても少ないものでしたが、恙なく終えることが出来ました。
この団体が今日の出番の最初とうことで、若干堅かったかも?

大人の色気 フィオーリ・ドルチ

こちらも館山の女性コーラスです。結成の経緯を実は知らないのですが、仲のよい皆さんが集まっているそんな印象の団体です。歌声もお人柄も大人な団体さん!やさしい歌声をもってらっしゃるなぁと思います。少人数ながらもしっかり鳴っている印象でもあります!
ニューシネマ・パラダイスの「愛のテーマ」と「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」という、大人な選曲でした。
ここからはこなれてきて、自分のよい面も出せたかなぁ?という印象です。しっとり歌う曲は割と得意。

泣かせる歌はどこにも負けません 白浜コーラスマリンブルー

南房総市白浜地区の女性コーラスです。ここの皆様は本当に元気で飾らない印象(^_^)でも、泣かせる歌はとても得意なんです。
小林秀雄の「あなたとわたしとはなたちと」と有名な「落葉松」の二曲でした。
今回のハイライトは落葉松かなぁ。
私もだし歌もだし…

わたし、けっこうダメな点に先に目が行きがちなんですが、今回は演奏が終わった時点で「あ、これすごくよかったんじゃない?」と素直に思いました。曲の世界観も、空気感も、響きの美しさも、奏者一人一人の味も、全部出ていたんではないかなと。
素晴らしいpだったと思います。
曲終わりの会場の雰囲気からも成功が諮れる印象でした。

人生を振り返る歌 落葉松

思ったことがあるので、ちょっと脱線です。

この落葉松時々中学生の澄んだ歌声を聞くこともあり、それはそれでいいのですが、この曲の真髄が伝わるのは年配の方が歌ってこそのものじゃないかななんて思っております。

人生において積み重ねてきたものがにじみ出る歌。

歌詞を見ても、秋の落葉松を通して自分の半生を思い出し、振り返る歌のように思います。
字を見て想像できるかと思いますが、落葉松は落葉樹なんですよね。秋の落葉樹。葉を落とし始めるころですよね。
とてもシンプルな歌詞で4節あるのですが、ほぼ同じ形で一部が言葉が置き換わっている形をとっています。でも、そこから広がる心象風景は多彩です。

歌詞

作詞の野上彰さんの著作権保護期間は満了しておりますので、ここに歌詞を載せてみようと思います。

落葉松の 秋の雨に
わたしの 手が濡れる

落葉松の 夜の雨に
わたしの 心が濡れる

落葉松の 陽のある雨に
わたしの 思い出が濡れる

落葉松の 小鳥の雨に
わたしの 乾いた眼が濡れる

引用して思いましたが、この詩、ビジュアル的にもなんと綺麗なのでしょうか。綺麗にそろってますよね…ため息。
色紙や巻物に書いて飾ってもとても美しいと思います。

さて、中身を考察してみます。
この雨はきっと優しい雨なんでしょう。濡れて嫌な思いをする雨ではなく、うるおいを与える雨。
「陽のある雨」って、表現とても感性にあふれてますよね。対極の事象が同時に描かれている、いいことも悪いことも全部含めてというイメージがあります。ステキですね。
最後の一節は涙かなぁ。ベタですが。哀しみの感情って傷をいやすものだったりしますよね。

濡れる部分が「手」→「心」→「思い出」→「眼」と移っていくところも良く考えられているなと思います。
物理的に「手」が濡れたのが呼び水となって「心」が動く、「心」が動くことで具体的な過去を思い出し「思い出」が鮮明によみがえってくる、その「思い出」により感情が揺さぶられ「眼」が濡れる。
そんなストーリーもあるのかな?なんて思いました。

ほんと、言葉数は少ないのですが、語ることはこんなにも多いのか。懐が深いですよね。

合唱の先生は、歌い始めから終わりにかけてだんだん年齢を積み重ねていくように、最後の一節は大切な人を見送る気持ちで、とおっしゃっていました。
うん、しっくりきます。

歌い手のみなさんは、ご自身の経験で、具体的な上記のストーリーを思い浮かべつつ歌うと、情感にあふれた演奏ができると思います。

さらに、ちょっと脱線。
この歌、もともとは独唱曲として作られたそうです。
独唱は独唱でとてもよいのですが、作りがもともと合唱にとても向いている(音の運びで合唱に向くか向かないかというのはあると思っておりまして、あんまり急激に高低差つけるものだと、内声書きづらい印象です)と思いますし、合唱の深い響きがこの曲に合っているように思います。
私は合唱の方が好きかなぁ。

動画

コンサートの動画がもしアップされましたら貼ってみようかと思いますが、今はないので、他団体さんのを貼ってみます。
混声だとこんな感じです。
www.youtube.com

楽譜入手

今回はこちらの楽譜を使いました。

小林秀雄 女声合唱曲集 落葉松 改訂版 (合唱ライブラリー)

小林秀雄 女声合唱曲集 落葉松 改訂版 (合唱ライブラリー)




はい。落葉松、思い入れのある歌になりました。

花丸な演奏会でした

とてもよい演奏会でした。めったにない花丸です。


それにしても、この三団体、全部同じ先生が指導しているのですが、キャラクターがそれぞれ別で見てても楽しいです。
そして、団に合わせた選曲をする先生の慧眼にも恐れ入ります。向き不向きをちゃんと把握しているんですよね。
指導者の鑑だと思います。(私は、地元楽団に向いている曲が多分わかってない…)

正直、とっても疲れましたが、三団体ともとっても充実感を得られる演奏会でした。

幸せな時間でしたねぇ。