はい、ダウン寸前の田丸です。
今日は、短めです…
以前、懐かしいレコードの話の記事をアップいたしました。
以前というか、2日前か(^_^;
そこで、大学オケの同期が大爆笑したというペルシャの市場にてが収録されたCDをご紹介してみようかと思います。
- アーティスト: ロンドン交響楽団,ゴセック,ベートーヴェン,シューベルト,ケテルビー,ヘンデル,チャイコフスキー,レハール,ポンキエルリ,ヴォルフ=フェラーリ,ワルトトイフェル
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1993/10/10
- メディア: CD
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こちらです。この1曲目が該当の「ペルシャの市場にて」…
大爆笑とは申し上げましたが、そういう意味でなくとも大変面白い曲でもあります。
アラビアのエキゾチックな感じで開始されまして、ちょっとダサい箇所があったり(ダサいというのは何も悪い話ばかりではございません)、歌うポイントがあったり、かわいらしいポイントがあったりとなかなか飽きにくい曲です。打楽器が豊富なのも聴覚上の刺激が多くてよいかも。「クラシックってちょっと興味があるんだよなー」という方には、大変ふさわしい楽曲だと思います。
一般団体の演奏を見つけました。
ちなみに、このCDでは、0:54秒くらいの、「たーん、たーん、たーんたらたらたーんたーん」みたいな旋律に男声合唱が入ります。物乞いの声を模している様子です。
一聴いただきたい。
このCDなかなかバラエティに富んだ楽曲が収録されています。加筆ナウで、そのために再聴しているのですが、新たな発見ありで楽しい。
2曲目は、打って変わってバロック時代の巨匠ヘンデル作曲のラルゴ、めっちゃゆっくり静謐な曲で、天上の音楽といった様相「懐かしい木陰よ」というアリアの器楽版。1曲目との落差がすごい。この配置は狙ったとしか思えない。
3曲目はチャイコフスキーの弦楽セレナーデ。「おぉ人事…」の楽章ではなくワルツの楽章。高貴な雰囲気をまといつつもワルツのテンポで。短調に転調した部分のヴァイオリンとチェロバスによる旋律、オーケストレーションの妙もありとても素敵な場面。反復進行による緩急操作もTheチャイコフスキー節ということで、ファン心理を離しません。このCDではわかりませんが、おそらく対向配置にすると、ヴァイオリンによるステレオ効果を楽しめる場面でもあります。中間楽章ということで、緩急はもちろんあるのだけれども、程度を中庸に抑えつつというのが大変エレガントで、小品集にたいへんふさわしい作品だと思います。
やっぱり大好きチャイコフスキー。
4曲目「メリーウィドウよりワルツ」はThe正統派ワルツといった感じ。私はちょっと変な奴が好きかも(爆)興味深いのが序奏後、第一ワルツ前の刻みが空虚五度になっている点。これどういった意図なのかが大いに気になるところではあります。(個人的な見解はない)
5曲目「時の踊り」これは、幼児向けカセットに入っていたPOPSテイストアレンジバージョンで知っていた曲で、完全体をこのCDで初めて知りました。序奏が長いんだなぁというのが最初の感想。クラシックは序奏が長大な曲が多いですよね。オペラの舞踏会のシーンで流れる音楽、バレエ音楽と聞いて曲調に納得。情感のある夜の音楽というイメージで聴いていると最後、快速ギャロップで曲を締めるという。最後テンションアップしちゃうから、寝る前に聴かないほうがいいのか!?
6曲目「マドンナの宝石 間奏曲第一番」ちょっと演歌テイストです。悲恋のオペラの楽曲だそうで、そんな感じでてます。オペラの題材って大体、あらすじにして説明を簡略化すると陳腐にしかならないものなんだけれども。作品をちゃんと細部まで見て、聞いて、行間を読むと人の心情が読めて面白くなりますよね。上っ面だけでなく、奥の方まで観察すると面白くなるのかもしれませんね。
7曲目「スケーターズワルツ」懐かしのレコードに収録されていた曲ですけれども、このCDで初めて完全体を知る。序奏がまんまカットされていましたが、ホルンによる旋律の素敵な曲だったのですね…「第二ワルツの跳躍音程のところなんて、フィギュアスケートのジャンプかな!?」なんて思ったけれども、当時今みたいなジャンプはなかったと思うので気のせいですね。
8曲目「ドナウ河のさざ波」これまた昭和歌謡や演歌を思わせる調子の曲であります。ワルツの楽曲ですが、序奏は4拍子だと思われます。
ワルツが続くとちょっと飽きちゃうかも…ワルツ率高し。
9曲目「亡き王女のためのパヴァーヌ」まだ高校生だったか中学生だったかの頃読んだ小説で出てきた楽曲です。どんな曲なのかな?と頭の片隅に残り続けていた曲でこのCDを買うきっかけになった曲だったように思います。
常に静謐な雰囲気を維持し、和声や、オーケストレーションの透明性など、明らかにここまでの曲と雰囲気を一変する、このCDの中で独自性の強い曲だと思います。空虚五度がたくさん出てくるのも特徴かなと思われます。
この曲、「亡くなった王女にささげたもの」ではなく、古来の宮廷で踊られたような…という意味らしいというのは案外有名な話ですね。
10曲目「ガヴォット」ゴセックの有名なやつですね。明るくて、軽くて、ブレークタイムといった様相。
ここから短くて軽い楽曲が続きます。
11曲目「ト調のメヌエット」ベートーベンのこれまた有名なやつですね。これも軽い楽曲です。昔ピアノのレッスンで弾きましたねぇ。
12曲目「セレナーデ」シューベルトのこれまた有名なやつです。このしんみりした曲でこのCDは終わります。そういう趣味だったのか…
「セレナーデ」という曲ですが、邦訳では小夜曲とされますが、単なる小規模な器楽曲を差すこともあれば、恋人や女性への愛を謳う曲という意味合いも持ち合わせているようです。
似たような曲で「アルボラーダ」というのもありまして、これは「朝帰りの歌」という意味なんだそうです。ラヴェルの「道化師の朝の歌」朝の歌ってなんじゃらほい?なんて思っておりましたが、大人になって意味を知るという。
まぁ、なんかでも「清廉潔癖」でないものに本質的なものがあるのかも。なんてね…なんの話をしているんだ…
結構古いCDだし、もはや中古品しか出回っていないところに、推してはかられるところはありますが、1枚のCDで異なる作曲家の小品を12曲も聴けるのは、当時としてはなかなかお得だったと思います。(今はねぇ…)
クラシック音楽導入CDとしては、少々地味で静かな曲が多いので、ある程度以上の大人向けかなという印象。
「マドンナの宝石」とか「ドナウ川のさざ波」とか、自分が今まであまり触れたことのない曲がたくさん入っておりまして、クラシックそこそこ聴くのだけれども、変わったのも聞いてみたいなぁなんて人にもお勧めです。
ぶっちゃけ、ペルシャの市場にて1曲のために買っても損はないかもです。
クラシック鑑賞ですが、聞いているとどんどんコアなものに行きがちで、「ブルックナーがしか聞かない」とか「マーラーがいいとか」それはもちろんよいのですが、時々聞き返してみるといいかも。
(あぁ、俺はいつのまにか複雑な曲しか愛せなくなってしまった…なんて自覚するのもそれはそれでいいかも)
静かな夜にはゆったりした気分でクラシック鑑賞とかいかがっすか?