POPSにも果敢にチャレンジ!クラシック作編曲家 田丸和弥の音楽日記

鴨川在住の作編曲家が、作編曲家、演奏家、音楽愛好家さんへの便利情報を提供します。時々鴨川ネタもご紹介

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演奏しなきゃいけないのに、人がいな~い(泣) どのパートを優先するべきか?

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みなさま、こんばんは。2月も終わりですね…早い。

 

さて、今日は少人数の吹奏楽部や忙しい社会人バンドにありがちなことを記事にしてみましたー。

 

パートが埋まらない場合にどうしたらよいのか?

 

さて、吹奏楽部や吹奏楽団に所属の皆様?こんな困った状況に遭遇したことはありますか?

 

「人がいなくてパートが埋まらない…」

 

我が楽団なんかは、急に決まった依頼演奏会なんかの場合はこの状況に陥ることがあります。

 

吹奏楽の譜面は、中編成以上の曲においても、学校バンドの事を考えて、規定より少ない人数でも演奏できるようになっている曲は多いです。

 

でも、それでも限度と言うものがあります。

 

たとえば、3人しかいない…と言った場合どうすべきか。

 

解決方法の1例を示してみたいと思います。

 

パートが抜けるとどうなるのかを実感してみましょう

まずは、パートが埋まっていないという状況を経験してみましょう。ということで、サンプル動画です。

www.youtube.com

蛍の光の前半です。

 

譜例も貼り付けてみます。

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蛍の光 4声

 

4声の音源を利用して、聴き比べができるようにしてみました。

1番目はフルメンバー

2番目はベースラインがないもの

3番目は内声(2段目と3段目のパート)がないもの

4番目はメロディがないもの

 

さて、2,3,4のどれが一番違和感がありますか?

このように感覚に訴えるものは、おおいに主観が混じってしまうもので、一般論を断言することはできません。ので、あくまで個人的な見解にとどまってしまいますが…

 

2番目は落ち着きません。不安定でぐらぐらしている印象です。

3番目は面白みに欠けますが、安定感はあります。

4番目、案外響きは充実しています。メロディがなんだかわからないという大きな欠点はありますが…

 

さて、何がいいたいかお分かりですね!

 

ベースラインがないことは大問題

そう、ベースラインがないのは、とてもおかしいということです。音楽の流れという意味においては、メロディがないものよりもよっぽど、おかしいと私は思います。

 

では、なんでこんなことをわざわざ書こうと思ったのかと言いますと。過去の経験があるからです。

ベースラインのない演奏で入場行進!?

思い出すのは、高校の入学式。吹奏楽部の演奏に導かれて入場いたしました。曲目はデンマーク王子の行進。

しかし、あれれなんかおかしいぞ???という演奏。とても、ふわふわ、ぐらぐらしているんです。土台がない。よくよく見てみるとベースラインを担当する楽器が一つもありませんでした。チューバ、バスクラ、バリトンサックス。全滅です。ユーフォニアムとトロンボーンはいましたが、内声を担当していました。

 

あとから事情を察してみるに、そもそも吹奏楽部員が少なかった上、顧問が新任でこの事態に対処する時間がなかったようでした。

 

吹奏楽部員の人数は10人以上はいましたから、3声で演奏している動画の2番目の演奏よりはよっぽど響きが充実していたはずなのですが、同じような印象です。4声で演奏している1番目の演奏よりよっぽどおかしかった…

ベースラインがないのにバスドラムやらスネアドラムがいる違和感…というものさえ、感じておりました。

 

あぁ、土台がないと、こんな風になってしまうんだな…

 

そんな経験もありベースラインだけは必須。何としても死守しなければなりません。

 

例えば、顧問の先生がもう少し前に赴任していたとしたら、おそらく状況は変わっていたと思います。トロンボーンかユーフォニアムパートにベースラインを演奏させればよいのです。

 

 

超少人数のとき(仮に3人しかいないとき)にどうするのか?

何とかできる方法があります。最低限メロディ、内声、ベースラインを用意すればいいわけです。これだけでは曲として全く成立しないものももちろんありますので、ご注意。選曲も大事です…

3重奏の譜面を用意する

 これベストです。だって、3人で演奏できるように書かれている譜面なのですから。

ちゃんと知識と経験のある人の作ったものに勝るものはありません。

内声のパートを1つ犠牲にする

 ベースラインを失くすよりははるかにまともな演奏になると思います。必須な構成音が存在しない瞬間がある可能性が高く、あくまでマシというレベルであるということは、念頭に置いたほうがよいかと思われます。

内声をちょっといじってみる

 ということで、動画の5番目と6番目のサンプルです。

 5番目は最低限必要と思われる音とつなぎ方を天秤にかけて選択したもの。

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ほたるの光 3声 パターン1

 6番目は分散和音を利用して、意味のある単位での和音を補完したものです。(ピアノ伴奏の左手で「ドソミソ、ソドミソ」なんて分散和音ありますよね?あれは、ドミソの和音を鳴らしているのと同じような効果があります)

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ほたるの光 3声 パターン2

 

 5番目について、金管楽器のみの場合などは、この形でやるのがよいと思います。たとえば、トロンボーンで6番の分散和音のパターンを使うと違和感があるかもしれません。

 横の音のつなげ方、縦の配置の仕方、きっちりしたものを作るにはルールを理解する必要があります(なので、勉強した人が作ったものを利用するのが一番なのです)が、そうは言ってられないときもあるでしょうということで、とっても乱暴な言い方をすると、「なるべく3音は省かない」ということを心がけてアレンジしてみてください。

 

 6番目について、内声にクラリネットなどの木管楽器がある場合は、こちらのパターンも採用できるかもしれません。この分散和音で疑似的に4声以上を再現する手法は、昔のゲーム音楽なんかでも利用されてます。ファミコン時代のDQとか同時に発音できるの数音なのに、素晴らしいですよ。

 

番外編 反則技鍵盤楽器を投入

はい、ピアノなどを入れてしまえば、3人だろうと2人だろうと十分な演奏ができるでしょう。一人でだって、演奏できる楽器ですしね。

 

ちなみに、バリアブルシリーズは最低4名からと謳っておりますが、裏仕様として、ソプラノかリードソプラノパートを演奏できる楽器とピアノの2名が居れば、演奏が成り立つという代物であったりします。

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注意点:著作権保護期間の楽譜を編集する場合は、編曲の許諾を取りましょうね!